4-1 新生鬼 眼鏡の聖地 Sympathy ChapterⅠ "Closed Field"




※ 注意

①この小説はフィクションであり、実在する人物・団体・地名等とは一切関係ございません。

②この小説中には、パクリ、及び作品名や他作品で用いられるワードが多用されておりますが、私、この小説の筆者は、その作品の作家方とは一切の交流を持ち合わせていません。

③この小説には、一部、エロい表現、グロい表現、一部の読者を中傷するような表現、神を冒涜するような表現、犯罪行為に値するような表現、その他、ツンデレやらヤンデレやらといった萌え系の表現、時空とか創造とかいった中弐病的表現など、読者を不快にさせるような表現が多用されています。

以上のことを良く守り、筆者を決して警察沙汰にはさせないという強い意志と、何事にも耐えられる強い肝を持った方のみ、読み進めてください。













“眼鏡の聖地 新シリーズ”




















『"上"ダ。


"上"ヘ求メヨウ。


最モ強力デ、


最モ神聖デ、


最モ"美味"ナ、


究極ノ力ヲ!!!』










BEFORE beginning the Battle......



「コレで、俺は復活できるわけだな、生け贄3人って…………!!!!!」


俺、Mrk.3は目を疑った。



俺は、確かに、生け贄に、ユリヤと、アイナと、ルナを、掻っ攫ったはずだっ、――!!


これは一体、どういう経緯("いきさつ"と読むべし)でこうなったんだ、説明しろ、白仮面、んえっ!?



「これは不手際でした、ふっふっふっふっふ・・・・・・」

ヤツは不敵な笑みを浮かべて誤魔化した。



何故だ!


何故生け贄の中に、oir-okeが入っているんだぁ―――――!!!




「状況を把握しよう……oir-oke…さん、ですよね?」

「Mrk.3君!!」

「それから、ええっと……シナか。」

「フッ・・・・・・」

「で、…………」

「えっとぉ、えっとぉ、」

「ぁ、彼女、cu:nonって言うの」

「あ、よろしく・・・・・・」


「『『よろしく、じゃなーい!!!!!』』」




「残念だったな、Mrk.3!」


俺は咄嗟に後ろを振り返った――――――!!!!!!



国王、暁、ルナ…………てめぇら、無事だったのかよ!!!




鉛色の空間が、俺に、闘争心と、一抹の不安を与える――――――



(その頃、卍F卍と、ソルは……)


「『ここ……どこ!?』」


(何故か、暁の通う高校の校舎内にいたのだった。)





GONG ――鬼、無音、三途にて RETURNS――



俺は鞘を抜き、言い放った。


「我らの魂は、まだお前に奪われてはいない。

そうだよな、オ○ラ座の怪人さn?」

「違うよ、白仮面だけど違うよ!?」


「まぁ決闘前の形式的な挨拶はこんぐらいにして……」

「Mrk.3、君は私を利用しすぎた。いや、結局は利用できなかった。私は君に反抗した。私はあの少女達を生け贄に差し出そうとはしなかった。


死神に何か頼む時は、その前にそれ相当のことはやってもらわないと、しかも前払いで、ねぇ?」

「キサマ、騙したな!!」

「よってこれまでのことには、私は一切の関係を持たない、いいね?」


「ふ、ならしゃーねぇな。話は早いようだ。



ここで、キサマ等をブッ潰す!!!」

「潰されるのは貴様の方ですが?」


「んるせええぇぇぇ――――!!!



とく死ねかし。」

Mrk.3はさっきまで持っていなかったはずのスナイパーライフルを構え……

「はい、発射。」


照準はぴったり。



ルナの左胸―――――




LOUND1 ――俺の右手は超電動マグナム、俺の"下"には"ビッグマグナム"――



静けさ。


発射音の後の静けさ。


時が止まったかのような、静けさ。


その静寂を破ったのは、暁だった。



ルナの前に、立ちはだかる暁。


「ルナ、無事か?」

「イツキっ!!」

「良かった……」


「ちっ、たまたま弾が外れただけで、すぐにラブコメ的展開かよ、やってらんねぇぜ。」


「いや、弾は外れてはいなかった。確かにルナの左胸に照準が合っていたし、その前に暁が立っていれば確実に暁に当たっていた。」

「『何っ!!』」


「じゃあ、銃弾はどこへ行った?」

「まだ気づかないの? 俺、お前が撃つまで、あっちにいたよね?」

そう、いつの間にか国王は、Mrk.3の視界の右手から左手に移動していた。

「まさか…………嘘……だろ?」

「その、まさか、だよ。」

国王は右手の拳を開く。


手の中に収められていたのは――紛れもなく、Mrk.3のライフルの銃弾であった。

国王の右手の手のひらは、軽くすすけているだけだった。

「国王の肉体を、スナイパーライフルごときで貫通できると思ってるわけ?」

「テメェ、バケモノかぁ!!」


「ダトシタラ?」



国王はやけに不敵に笑みを浮かべる。


「……っくそ!!」

「先に警告しとく。危ないヨ?」

「は!?……ぬぁっ!!」



―――――それは、紛れもなく、銃声。


国王の右手は、拳から人差し指と親指だけ立てた――即ち、銃のような形をしていた。

その右手に時折、軽い放電流が走り、Mrk.3に向けられた"銃口"からは、煙が出ていた。


"銃声"に一瞬送れて聞こえた鈍い金属音の主―――銃弾を受けたスナイパーライフルが、中に舞いながら――空中分解。


「お二人さん、どこでもいい、逃げな。逃げて逃げて、ひたすら逃げて、ラブコメ好きな人のために、ラブコメ的展開を続けていてくれ。」

「嘘だ、嘘だろ?」

「最終警告だ。俺を本気で怒らせたら、大地獄に叩き落され、血の海に沈められるだけじゃ済まない。」

「それがどうしたってんだ? んあ? 全然怖くはねぇや。」

「このoir-okeも八つ裂きにしてやろう。」

「っんぐ!!」

「この十字架に巻きつけられている女たちは、飽くまで、差し出される前の生け贄。まだ生きてる。

俺も何だかんだで九死に一生を得た。


この中で死んでいるのはただ一人、お前だけ。」

「―――――っ!!」


「じゃあ、逝くとこ、逝きましょか。」

「ふっ、その強がりが―――――



死を呼ぶぞ!!!」


ナイフを掲げて、

「滑空飛脚、ナイフ居合い切りぃ!!」

Mrk.3の義足、ホバーモード作動。



それは一瞬の出来事。一歩間違えれば、血を見ていたかも知れない―――――



―― 一歩間違えれば、Mrk.3が血を見ていたかもしれない。

「っ!!!!!」

「その程度の速さの居合い切りで俺を殺そうってんの、んえ!?」


Mrk.3の移動は音速並みだった。

それがどうだ。Mrk.3のナイフの刃は、国王の剣によって両断されていた。

「どうだい? これで武器は尽きたのかい?」

「っくそ!!」

「それが何よりの返答だね――――否定の。」



一方、ラブコメ的展開を演じるように言われた二人は……

「ルナ……心配したんだぞ!? 血まみれになって倒れてるって聞いたから。」

「イツキ……会いたかったぁ!!」

二人は強く抱きしめる。恋したら負けなんて思っていたあの時代のことなんか、当の昔に忘れて。

「イツキぃ、私たち、一体どうなるの?」

「情けない声出すなよ……

あいつが……国王が、何とかしてくれる。」

「あの眼鏡の男の子が?」

「あぁ、俺らは絶対帰れるさ、元の世界へ。」


「イツキ。」

「ん?」

「約束して。」

「うん?」


「もし――――もし私かイツキのどっちかが死ぬようなことになったら――、一緒に、死のうね?」

「あぁ、約束だ。」


"三途の川"――――闇が、ただ灰色の闇が、一定方向に流れる空間。

この空間の流れさえ変えてしまいそうな、強い感情。

二人は、誓いのセカンドキスをする――――



国王の眼鏡から溢れる、エメラルドグリーンの眩いばかりの光。


「ショータイムだっ!!」




LOUND2 ――Emotion Space ~アダムとイヴ、"ヴ"の発音を疎かにする事なかれ~「大丈夫、俺は眼鏡の再構成を怠らないから。」――



「二段召喚魔法、"ヒューマノロイド・ゴッド"!!」


「ニダンショウカンマホー? 聞いたことねぇなぁ!」

「『2人の選ばれし新世界の創造主よ、その愛によって私に新たな光を見せたまえ。』



第一段階、"巫女エンジェル"!」


国王の背後にそびえ立つは、エメラルドグリーンの"光の柱"。

その柱の中から、人型のシルエットが浮かび上がる――――



「――っ!!!!」

「もう『ハ○ヒを読んで悪いかー!』なんて言わねー。


―――ハ○ヒを作り出してしまった以上は!!」

「な、なーにーこーれー!!」

もはやこれ以上、言うこと、なし!

ルナのコスプレ、これにて完了ナリ。


「…………これ、召喚って言わねーぞ?」

「ぁ、気にしたら負けって事で。



第二段階、"破壊者デストロイヤー"!!、――


―――っと、その前に。」

高い高い跳躍でルナの背後に回った国王。

「ちょっと素振り~、え~い☆」

思いっきり剣を振り下ろす国王。彼が本気になれば、一振りで民間人を十数メートル吹き飛ばせるという―――

「ふ、ふわぁ……」

読んで字の如く、ふわっと………

「ぁ。」


「み……み、みみ、みみみみみ、見たぁ――――!!!

顔をすぐ横に背けたけど、横目でこっち見てたぁ――――!!!」

「み、見てねぇーよ、何で俺が人質の苺パ……ぁ。」


『神が怒り狂う時、EmotionSpace ~感情空間~に、破壊の使者が舞い降りる―――』


「『第三の創造主よ、人々を新世界に誘(いざな)いたまえ』


"亜空切断"!!!」

空が――闇の流れる天が、二つに分かれる。



―――そこは闇の流れない空間。

「閉○空間へようこそ。」

「こ……これは………。」

「この空間は暁の創造・妄想と、俺の魔力によって作られた、新次元空間。」

「う、嘘だ、嘘だろ……?」

「巨大カマドウマだって、俺には倒せるさ。暁が来る前に、とっととお前を始末するかな。


ふ―――ふ○っふんっ!!」

青白い光の球体が、Mrk.3に襲い掛かる。

「ぬぁあっ!?」

「身のこなしだけは上等。流石は我が国の軍隊に所属していただけはある。


でも、これはどうかな?



第二段階、"破壊者デストロイヤー"!!」

地響きを立てながら、一歩一歩、ゆっくり歩く、巨大な、影。


「おいおい、○人、完全再現じゃねぇか!!」

「お前は赤い半透明の球体の中に入って、浮遊とか出来ないしな。


さぁ、暁、やっちまえ。」

「……踏んづける?」

「バーカーヤーローウー!! 男なら"拳"だ、"拳"ぃ!!」

「何だよ、その理屈………分かったよ、やってやるよ。


"ハ○ヒを読んで悪いか"パーンチ!!」

ガッシャ――ン!!

何で出来てるのか、得体の知れない地面にひび割れが出来る。

Mrk.3は――――間一髪で避けた。

「チョコマカチョコマカ、ウゼーんだよ!!」

「暁、動き封じは任せな。


爆バ龍ル鬼キ神シ奥儀おうぎ、"迅雷御封剣じんらいごふうけん"!!!」

国王は地に剣を突き立て、その剣の五つの分身がMrk.3に飛来し、Mrk.3を取り囲み、分身各々が直線を描き始め―――地に書かれるは、星型の魔方陣。

地から光が吹き出し、Mrk.3は足の自由を奪われる。


「ま……まずい…。」

「これで終わりだ、Mrk.3。これからお前の最期を見れるなんて、楽しみで仕方がない。なぁ、暁ぃ!!」

「さぁ、トドメだ、"谷○流、早く帰ってこい"パーンチ!!!」



その時、Mrk.3は最後まで足掻いていた――――

かなう筈もない巨大な"拳"に、己の生の"拳"をぶつけ―――――




LOUND3 ――見ミ下ク出してんじゃねぇ!!――



それが、Mrk.3が"目覚めた"瞬間だった。


義右腕ガラクタが、ガラクタでは無くなった。

コイツぁ、化けモンだ。モンスターだ。


その拳の強さ余りに、青白く巨大な暁のボディが、みるみるうちに消えてゆく。

そして、闇は流れを取り戻す。


「嘘だ!! 閉○空間が崩壊しただと!?」

あの拳の力は、一体なんだったのか。



それは5、6年前のこと。

暁と出会う、もっと前の話。

国王は、慕っていた人間達の敵を討つため――自ら、一人の男をあの世に葬った。

彼の名は、間 九ハザマ キュウ。旧CL帝国が派遣する、無敵と言われてきた一スパイ部隊の隊長であった。


――彼の顔を見ると、国王に流れる"鬼"の血が騒ぐ。

国王のSPたちは、彼の娘・息子を捕虜として王国に拉致。


姉の名は、間 御一ハザマ オイチ。

弟の名は、間 明二ハザマ アクツ。彼は戦乱によって、右腕と左足を失っていた。



「お前は義足によって滑空飛脚(正式名称:ラディ○ル・グッ○ス○ード 脚部限定)を使用可にした。そしてお前のその義腕は…………


万砕鉄拳(正式名称:○○の○○○○○ブリット)を手にした。

その強さは、俺の理解の範疇を超えた。 お前は強い、強いよ――――


――殺シガイガアル!!

元の姿に戻った暁とルナは、彼の拳の強さに唖然としていた。

「漢なら、拳と拳で語り合おうじゃないか。

方やサイボーグの拳。そして俺は―――

――神の拳。


さぁ、お前にも見せてあげよう、神の一手を!

召喚魔法"ゴッド・ハンド"!!」

国王は高々と拳を天に突き立てる。

地から這い出るは、巨大で真っ白な拳、"ゴッド・ハンド"。かつてシナを、文字通り"掌握"した無敵の拳である。

―――イメージしにくい方はス○ブラのアイツを思い浮かべてください、アイツ。


「『何事も、打ち砕く!!』」

お互いがその拳をぶつけ合う。

方や、肌色の塗料の剥げた鋼の拳。

方や、神の権力を行使する魔の拳。


一瞬、空間が歪曲する。



一瞬遅れて、白い粉と化すは――――――"ゴッド・ハンド"。




LOUND4 ――切り裂かれて !塵となれシリコンバレー――



「見下していたようだ、君の力を。」

「さぁ、かかって来なよ、その剣で。


それとも怖いのかい、オレ様の拳が。」

「図に乗るな。待ってろ、今に殺してやるさ。


"迅雷神速剣"!」


「"秒殺のファイナル・ブリットォ―――!!"」



それも一瞬の金属音で決着が着く。

「速さが―――足りない。」

「オレが遅い? このオレがSlowly?」

「はい。」

「じゃあ、お前の剣先、見てみな。」

「………………。」

これはかなり臭い台詞なのだが。

人生には3つの坂があるという。

一つ、"上り坂"。

二つ、"下り坂"。

三つ、――――


――"まさか"。

剣先は、ものの見事に砕かれていた。


「―――まさか。」

「ハッハッハ!! ユカイユカイ。

もう一発行きますか。


「"確殺のエクストラ・ブリット"ォ――――!!!」


その時、愛読者なら聞き覚えのある効果音――。

グギャオンッッ!

柄から勢いよく飛び出した赤い光。レーザー刀モードは、伊達じゃない。

「"迅雷氷殺剣――――


―――EX"!!!!」

カ―――ンッ!!

甲高い音が鳴る。


「警告したはずだ、『速さが足りない』と。」

「またそれ? 自分の剣先、ちゃんと確認した?」

「それはこっちの台詞だな。」

「!!!」


鋼の拳は、凍て凍り付いていた。――――――!

パリ―――ン!!

「"フローズンブレイク"? まさか!?」

「俺は血を吸った者の能力の一部をコピーすることが出来る。


そうさ、俺はモンスター、化けモンさ。」


「そんなもんで認められっかよ!!」

Mrk.3は瑠璃色の宝石が付いた首紐を外し、頭上に放り投げた――――


流れる闇を照らし出す、青白い光。


「さぁ、行こうぜ、オヤジィ―――!!!」

さぁ共に戦おう、オヤジ。


さぁオヤジ、オヤジを殺した仇敵を、一緒に抹殺しようぜ。



「オヤジィー! これは、この光は――――――


俺と、オヤジの、


輝きだぁ―――――――――!!!!



"デス・ブリット"オオォォォ―――――!!!!!!!」




「おもしれぇ!!!



爆龍鬼神奥義、"迅雷龍星剣"っ!!!!!」


我が妹よ、今、何処に居るんだ?

居たら俺に――――――力を―――貸してくれぇ!!!





蒼き光と、紅き光が、ぶつかった――――――――――――




BreakTime ――毒薬で、じわりじわりと、なのです☆――



光が―――――途絶えた――――――――――かに見えた。


"蒼き光"は完全に光を失った。

しかし、"紅き光"は、弱々しくも赤々と灯っていた。


国王のレーザー刀は刃が半分にまで欠けていたが、使用するには十分だ。

国王は、勝利を確認し、すぐさま振り返る――――



顔面に襲い掛かる何か――――視界を遮る。


国王は、Mrk.3の腹部に、最後の一撃を与える。



―――国王は、Mrk.3が自分の眼鏡(両目に少しずつ入ってしまったようだ)にかけた液体によって視力を奪われていたが、音で、熱で、確かに感じる―――Mrk.3の血しぶき。



「ふふ、はは、ふははははははははは!!!」


眼を離せないルナと暁。

国王のあらぬ姿に―――――開いた口がふさがらない。



「さぁ、トドメ、? 何か蹴ったぞ?」

視覚がまだ戻らぬ国王―――――それもそのはず。


右足で蹴ったと思しき物体を拾い上げる。

表面が濡れているその小さな球体。


糸が付いている。

視覚の戻らぬ国王はその糸を指で必死に辿る。


その糸の先は、眼鏡。



「!!!!!!!!!!!!!!!」


自分で蹴った物は――――自分の眼球だった。



眼鏡を外して左の目元も抑える―――あるのは、下に垂れた視神経の糸。


Mrk.3は国王の眼球の前で注射器をかざしながら言った。

「俺はお前の眼を目掛けてこのクスリを発射。お前の目元の皮膚はただれ、破れ、眼球が転がり落ちた。そしてお前の体中の血液に毒が走り―――――」


「ぐふっ!?」



「いやあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ルナの悲鳴。


国王の口から滴り落ちる多量の赤い雫と、泡。



―――――背骨が抜けたかのように、綺麗に倒れる国王。



「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!」


「よく殺ったぞ、Mrk.3!!! その二人も蹴散らしてしまえ!!」

白仮面が現れる。

「て、てめぇは、あの時の死神じゃねぇか!」

「死神…………確かにこの容姿は……お前、死神だったのか?」

「いかにも。今はそれより、自分の手で暁も殺してしまえ!!


「もういいんだよ。」

「?」

「国王がいなくなった今、俺は過去を清算した。

oir-oke(アネゴ)さんとルナを取り替えてくれ。暁の命は見逃してやる。

ふはは、ふはははははははははははは!!!」


その時、Mrk.3の脳を襲った激しい――――"揺れ"。"歪み"。


Mrk.3は咄嗟に我に返り、自分に差し出された魂を飲み込む。



闇の中で最後に聞いたのは、一人生界に取り残された、暁の悲痛な叫びであった。


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」



『もし――――もし私かイツキのどっちかが死ぬようなことになったら――、一緒に、死のうね?』




「…………ごめん。」






FinalLOUND ――空ヲ仰ゲ ~地球最期ノ日~――



少年は目覚めた。


青い、空。白い、雲。

心地よい、そよ風。風になびく、草原。

自然の、音。香り。輝き。

全身で感じる、陽光の温もり。


「生きてる。俺は確かに生きてる。」

少年は歩き出す。自分に待っている、明るい未来を目指し。


――――自分に明るい未来が待っていると信じ。


「Mrk.3。」

「またお前か。」

死神。もう用済みなはずなのに、何故。

「ばーか。別にお前をあの世に連れ戻しに来たわけじゃねぇよ。


直しておいたよ、ライフル。」

「ありがと。」


死神はこうしてすっと消えていった。



少年はそこに、人が一人倒れているのを見つけた。

ゆっくり、生きる感触を踏みしめながら、近づく。

―――――何処かで見たことがある顔。


――――――――――国王。

「ははん、お前、ここでお寝んねか? 風邪ひくぞ? てか、もう死んでるけど。」

少年は"死人"の襟首を掴み、顔を一瞥して、あざ笑う。



―――――自分が地球にいることに、国王が地球に"ある"ことに、一抹の疑問も持たずに。


そして国王は―――――"目蓋"を開ける。



「眼ヲ返セ。」


"死人"とは思えぬ第一声。

「あ~ら? まだ生きてらしたの?」

「眼ヲ返セ。」


「眼を返せ以外、ゆーことないの? ゆーことないなら、またお寝んねしてもらうよ?」

「眼ヲ返セ。」


「しゃーねーな。」

Mrk.3は国王の体をまた地にやると、スナイパーライフルを構える。

「俺が生き返って、初めて殺す人間だ。光栄だと思い――――」


「眼ヲ返セッツッテンダロウガッッ!!!」



風が―――変わる。

国王の体は、何かに導かれるように、ふわっと起き上がる。


眼鏡の奥の―――――眼球があるべき場所の闇に、吸い込まれそうだ。

「眼? どこにあるんだろうね?

死になっ!!」

スナイパーライフルの引き金を引く。


―――――止まった。

空中で、銃弾が、止まった。

草むらに落ちる銃弾。

「オイオイ、マジかよ……。」

最終警告ダ。




――――

眼ヲヨコセ。

「嫌だと言ったら?」

「殺ス。」


「は? 聞こえねぇな。」

「殺ス。」


「何度でも言っとけ。お前には殺す手立てなんぞ……」


「殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス 殺ス」



少年は、再び生きた心地がしなくなる。

……誰かに捕らえられているような、そんな気分。


「死ね。

デスブリットオオオォォォ――――ッッ!!!」


青白い光―――を、軽く片手で押さえつける。

「バカな!?」

「モウ一度言ウ。

殺ス。

「眼がないお前に、武器がないお前に、何ができる!?」


「言葉ヲ慎ミタマエ。君ハ眼鏡王ノ前ニイルノダ。」

「この場に及んで、まだ自分が国王であると言い張りたいのか!?

それが何だ? 眼鏡の力とやらが、そんなに凄いものか!?

それとも、眼鏡に神か仏が宿ってるとでも!?

偶像崇拝もいいところだ!!」


「眼鏡ハ滅ビヌ。何度デモ蘇ルサ。

眼鏡ノ力コソ人類ノ夢ダカラダ!!」


雷鳴が轟く。知らぬ間に、空は曇天どんてん。


「コレカラ地球大眼鏡王国ノ復活ヲ祝ッテ、君ニ眼鏡ノ力ヲ見セテヤロウト思ッテネ。


見セテアゲヨウ、眼鏡ノ雷いかずちヲ!!」

複数回の落雷を受けた草原は爆発、炎上。紅蓮色が二人を包む。

「旧約聖書ニアル、そどむトごもらヲ滅ボシタ、天ノ火ダヨ。らーまーやなデハ、いんどらノ矢トモ伝エテイルガネ。

全世界ハ再ビ眼鏡ノ下ニ平伏スコトニナルダロウ。」

「死ねよ、あんたバカだろ?

あんたまで炭にされちまうぞ?

先に死ね、先に死んで、地獄へ行けぇえええ!!」


スナイパーライフル――――また無意味だ。

「君ノあほズラニハ、心底ウンザリサセラレルヨ。」

「死ね、死ね、死ねぇええええ!!!」

無効、無効、また無効。

「跪ケッ!! 命乞イヲシロッ!!」


熱。熱風。紅蓮。焦げた匂い。

「サァ、先ニ"眼"ヲ返シテ貰オウ。」


国王は"空を仰ぐ"。


手にかざすは―――。


「滅ビノ呪文―――――」



「やめろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!」




――――――飛行石。






「バ○スッッッ!!!!!!!」









視神経を潰す、青白い光。



「んがあああああああああああ、ぐわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


「アハ、アハハ、アハハハハハハハ!!!!」



「ああああああああああああぁぁぁぁ、眼がああぁぁぁぁ、眼がぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!」


「アハハハハハハハハハハハハ、アッハッハハハハハハハハハハハハハ!!!!」



「あああああああぁぁぁ、ああああぁぁぁ、眼が、あああああああああぁぁぁぁぁ、ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」



「アアアアアアアッッッッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!! アヒャ、アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、ヒャッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!!!!!」





狂ったように彷徨う少年。



狂ったようにあざ笑う少年。



アハ、アヒャヒャ

、何処ヘ行コウトイウノカネ?」


地面に無数の亀裂が走り、大地の破片(カケラ)が浮かび上がる――――。



「最高ノ"しょー"ダト思ワンカネ?」


盲目の少年の体を抱え、暗黒の空へと飛び立つ、―――眼鏡王。




「"上"ダ。


"上"ヘ求メヨウ。


最モ強力デ、


最モ神聖デ、


最モ"美味"ナ、


究極ノ力ヲ!!!」




それがMrk.3の最期、

いや、全世界に無数の青白い亀裂が走り、大地・大海の断片が森羅万象の四方に散った地球の最期の瞬間

……いや、


長い爪、長い毒牙、そして漆黒の巨大な翼を持った、"鬼"の誕生の瞬間であった。








ガクン!!


「ぬぅぅぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!」


物凄い勢いで飛び上がるMrk.3。

「お、ようやく目覚めたか。」


風も匂いも、暑さ寒さも感じない、ただ闇の流れる空間。


前方には死神、暁、国王の死体、oir-oke、――――cu:non、シナ、ルナ。

「だっておかしいだろ!?

国王の台詞、後半ずっとム○カの名言集みたいになってたぞ!!

それにバ○スで地球崩壊ってぜってーおかしいって!!

第一、俺が首にぶら下げてたやつ、飛行石じゃねぇし!!

他の部分もパクリが多々あったのは否めないし……

っつーか地球が無くなっちまったら、この後の展開どーすんだよ、んえ!?」

「おーい、筆者の反省の代弁なんて、誰も頼んでねーぞ。」

「結局夢オチで終わるしよ!! 完成度低すぎなんだよ!!!


……今度こそ魂を頂く。」

「オ前、マダ分カランカ?」

「!?」

死神の口調が、突如変わる。

「最終警告。オ前ガ一人生キ返ッタトコロデ、待ッテイルノハ即死ノミ。」

「んなわけねぇーだろ!! また俺に幻覚見せんじゃねぇぞ!!

俺の運命は、俺で変えるんダッ!!!」


「……好キニスルガイイ。」

3人の魂が差し出される。

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「うりゃあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


その時。


その魂は、月光のように、闇を晴らしはしないが、確かに、輝きだす。


―――ルナ。


――――――眼鏡王国王の"真の救世主"、ルナ。



死体はつぶやく、


「三日月……の…光…………」



そして、闇は晴れる。



1."ClosedField" the END




♬ 次回予告


あなたは見る、

罪が犯される瞬間を。


あなたは見る、

人が"鬼"に変わる瞬間を。


あなたは見る、

善良少年が、極悪非道な行為をとる瞬間を。



新世紀 眼鏡の聖地 Sympathy

2."Forbidden Play"



あなたは見る、

ひ○らしの影響を強く受けた筆者が、壊れていく瞬間を。



♬ 後書き


すみません、最後夢オチで。ぁ、間違っても、"三途の川"は夢ではありません。

次回の主人公は新キャラ(?)です。登場人物も新キャラが続々登場。

しかし、今後の展開には、ほとんど影響しません;

筆者がやりたかっただけです、はい。


というわけで、3."Soul Brothers"編(仮)をご期待くださいwww



♬ HTML版 作成後記

今回も改行タク゛はH.N.暁sが打ってくれました。感謝感謝。

最下部に今回使った素材サイトさんのリンク貼ってます。素材たちにも感謝感謝。


今回のChapterは文章量こそ少ないものの、ビジュアル面ではかなり(?)手を入れました。

会心の出来だと思っております。

若干精神が崩壊しそうな部分もあったかもしれませんが、次章では少し抑え目にしようと思ってますww


次章は事件が起こります、ええ、沢山。なんか結構量多くなっちゃいそうです、でもあんまり期待しないでねww

次回はメインキャラ揃い踏み……の予定。

ちょっと恋愛めいたのもあったりなかったり……

オギス再来(?)と、暁の妹リン初登場も注目のポイントデスYO!

ルナのツンツンモードも……♡


……では、次章に期待せず、次々章にご期待くださいwwwww



































































新生鬼 眼鏡の聖地 Sympathy Chapter.2 "ForbiddenPlay" に続く。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る