3-2 新生鬼 眼鏡の聖地 Chapter2 卍F卍
いよいよ新章公開!!
新ヒロインの名称決定(ク○ン)につき、遂に新章公開に至りました。
公開がヒジョーに遅れて、申し訳ございませんでした。m(_ _m;)
お詫びといってはなんですが、CSSをだいぶ学んで帰って参りました。
現在此方では、既に、
新生鬼 眼鏡の聖地 Chapter.3 Mrk.3
新生鬼 眼鏡の聖地 Sympathy Chapter.1 ClosedField
が、完成しており、また、
新生鬼 眼鏡の聖地 Sympathy Chapter.2 ForbiddenPlay
の執筆段階にあります。
これらにつきましても、随時載せていこうと思っております。
タイプミスを発見された方は、下記まで。
BBS
最後に。
パクリ、夢オチ、グロシーン…………
どうしてこんなことになったのか、
私にはわかりません。
これを読んだあなた。
どうか著者をチクらないでください。
それだけが私の望みです。
それではどうぞお読みすすめくださいませ。 (=ω= ;)
2008.5/24 H.N.眼鏡王国王
「融合コソガ和解ヘノ近道・・・」
「国王様ぁ――!!」
卍F卍大佐のその声は、もう国王には届かない。
~ もうその少年を、誰も引き止められはしない ~
(一部、アニメの台詞・内容やアニソンの歌詞をパチったものがあるかもしれませんが、あらかじめご了承を)
「あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
「国王様ぁ!!」
「卍F卍大佐、引き返しましよう。さもないと……。」
無線で部下の声が聞こえる。
「嫌だ、国王様が、国王様が……
……!!!???」
Mrk.3の身体を操り謎の陰が操作していた、巨大8本足の足の先端が、国王の左胸に突き刺さっている。
しかし……血は、一滴たりとも吹き出さない。
その時、僕は感じたんだ。
国王の、邪悪な、オーラを。
「ぅぅぅぅぉぉぉぉぉおおおおおおあああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
国王の身体が、七色に光り始めた。
その光は、ロボの足を伝い、Mrk.3へ……
国王O2マスクが破裂し、引火。
その直前、一瞬だけ、僕には見えた。
国王の、翼を。
炎はロボに燃え移り、大爆発を起こした。
「国王様……国王様、国王!?
国王ぉぉぉぉぉぉぉぅぅぅぅぅ!!!!」
「大佐、お戻りください、大佐!」
僕の機体は、爆風にさらされる。
国王……。
僕は爆風が止んだ後、すぐさま国王の元へ飛んでいった。
空気飴を口に放り込み、国王へと駆け寄った。
国王は、意識を失っていた。
黒い目が消えたわけじゃない。無傷でいた。ただ、硬直していた。
振り返ると、Mrk.3がいた。
右腕の義皮膚が剥け、機械の内部がむき出しになっている。
「コイツは放っていきましょう。」
僕は国王の体を背負い、自分の戦闘機の後部座席に座らせると、月面を飛び立った。
その時、僕は気づかなかった。
Mrk.3の体を、持ち去っていった影を。
~ 瞳に輝きを持たぬ女、大きな胸でも隠し切れぬ不安 ~
「Mrk.3!!」
Mrk.3の冷たい体を抱いている女が一人。
その傍らに、もう一人、月面用バイクに乗った、黒ずくめの男がいた。
「oir-oke……。」
「Makey……どうしよう……」
Mrk.3の姉(そのことを本人は知らない)、oir-okeの瞳に、うっすらと涙が。
「Mrk.3を失ったんだ、もう白旗を揚げるしかないだろ?」
「駄目よ!! 眼鏡王は、アイツは……私の父とMrk.3の父を殺したのよ!!」
「でも……もう太刀打ち出来ないだろ!?」
「……眼鏡と敵対さえすればいいのよ。」
「は?」
「ちくわぶーに助けてもらって、一緒に眼鏡と戦うのよ!」
「でもあっちには、月面兵器のエキスパートの黄昏がいるんだぜ?」
「黄昏なんか"へ"よ。さぁ、行きましょ?」
彼ら3人は、自分の家族を眼鏡に殺されたことで、意思が通じ合っていた。
Mrk.3(スナイパーライフル)がいなくなったと言うことは、比較的特攻型のoir-oke(2丁拳銃)とMakey(マシンガン)の2人で戦うことになる。
明らかに不利だ。
Mrk.3の遺体をバイクの荷台に乗せると、そのカップルはバイクに跨り、小さな駆動音の後に、月面を走り出した。
oir-okeはMakeyの大きな背中に、大きな胸を押し付ける。
その胸は、遂に(幼いが頼れる仲間としての)Mrk.3を失った悲しみと、これから何が待ち受けているのかという不安でいっぱいだった。
「うむ、だんだん面白くなってきたな。」
クレーターに身を伏せている男が一人。
真空で全くたなびかぬ白いマント。金色こんじきに輝くベルト。
その容姿は、いかにもヒーローである。
「おい、何してんだ、アオギリ。行くぞ。」
「伍長、聞こえませんか」
「何がだ?」
「僕を呼んでいる声がですよ!!」
「……全く…お前には呆れたよ。
いつまでも子供みたいにヒーローごっこしてるんじゃないよ。上等兵の分際で。」
彼の名はアオギリ。夢は皆のヒーローとして愛されること。
「僕はヒーローになるんだ。
ヒーローになって、自分の教えを皆に説くんだ。
行くぞ、アオギリイィ~・タスティック!!」
「アァーオォーギィーリィー!!」
~ それぞれの意志が渦巻く世界、そこに正義というものは一概に定義できるのか ~
「美しい、実に美しい!
これが、我が国が誇る、美しい軍事力!!
あぁ、惚れ惚れする。」
ちくわぶー帝国は月面共和国、黄昏の誇れる高度な月面文明をものの見事につぶしてゆく。
全ては月面基地を乗っ取り、地球もろとも、眼鏡王国の、あの忌々しい少年国王をつぶすため。
しかし若き帝王Jr.Kは、国王が月面にいることを、そして別の何者かによって殺されかけたことを、まだ知らない。
「父さん、助けに来て、父さん……」
黄昏基地で、父ダートム・ユコーの出迎えを待つ、ソル。
父ダートムは、ちくわぶーの帝王Jr.Kの右腕として知られ、巨大な権力を持っている政治家である。
月面人の半分近くが、すでにちくわぶーに翻っており、正規軍は確実に押されている。
おそらく壊滅するのも時間の問題であろう。
月面で、白旗を振っているカップル。
どうも、月面の民じゃなさそうだ。
「すんませーん、眼鏡王国軍だった者ですがー、良かったらそっちと組ませてもらえませんか?」
そんな者はまだ一人も見たことが無かったので、眼鏡王国のスパイだという疑いもかけられ、彼らは2人、もしくは単独での行動を禁じられた。
独りは無鉄砲に、といってもマシンガンはあるわけだが、特攻型の兵士。がっちりとした体つきだ。燃え滾るような、しかしどこか頼りない、そわそわしたような目をしていた。
もう独りは、ナイスバディにクールフェイス、冷酷な目をした女。向こうではスパイ職をしていたそうだ。ガードも固そうだ。
「で、入ったはいいけど、一体どうするのよ?」
oir-okeがMakeyにつぶやく、
「それなら俺が助けて進ぜよう、
トワッ!!」
飛び降りてき(て、着地に失敗し)たのは、白いマント、金色に輝くベルト、が不似合いな、
「私は、大山を打ち砕き、大地を震わせ、大海を荒らし、大空を切り裂く!!
皆の英雄、アオギリ様とは、僕のことだぁ!!」
「(地球思いっきり壊滅させてるじゃん……)」
「さぁ、皆さんもご唱和下さい。
アオギリイィ~・タスティック!!」
無線:「こちら、卍F卍大佐。
これより、ちくわぶー軍への攻撃を開始する。」
~ 神鳥の翼の美しきこと限りなし ~
「多弾頭誘導ミサイル、ファイナリスト05、発射!!」
我が軍の全領域戦闘機、"スターダスター"は、ちくわぶーの月面用戦車、"スペース・ウォーリアー"の艦隊を次々に潰していく。
ちくわぶーの戦車部隊は、怪力光線を発射する間もなく散っていった。
その時、眼鏡軍の艦隊に、何かが猛スピードで突っ込んできた。
一機の戦闘機のようだ。
僕は、その残像を目で追いかけた……
!!!!!!
何ということだ……約十機もの味方の戦闘機がやられている!!
「大佐、聞こえる?」
「そ、その声は……」
何とあの戦闘機に乗っているのは、Makeyだったのだ。
「久しぶりだな。」
「何の真似だ。」
「どうだ、"ジ・ビーン"のマルチロックビームライフルの威力は?」
ジ・ビーンという名の戦闘機のグラヴィティブレード(重力制御のための細長い板状のもの)は3対。
(ちなみに、黄昏軍量産型戦闘機ムーンセイバーは1対、スターダスターは2対である。)
しかもそのグラヴィティブレード6枚は、コチラに先を向けて、青白く光り輝いていた。
「お前にも見えるだろ?、このちくわぶーの科学技術の粋を集めて開発されたレーザーグラヴィティブレードの輝きが!!」
「ちくわぶーだと、ふざけるな!!」
「お前が死ぬのも時間の問題だ!!」
青白い光が、僕の愛機をも襲う……
「うわああぁぁぁ~!!!?」
「またせたなぁ!!」
「その声は……四賢者Bさん?」
「いかにもその通りだ、卍F卍!!」
金色のボディーの後部に際立つ、七色、七枚のグラヴィティブレード。
四賢者だけに与えられた、魔力を動力とする伝説の戦闘機の一つ、その名も"エア・ザーク"。
「Bさん、なぜエア・ザークに?」
「分からない? 俺ら、あまりに頼りないからって、召喚魔法を執事長さんに封印されちゃったわけよ。」
「あぁ……」
「さぁ、覚悟しろ、その時代遅れの中古戦闘機!!
行くぞ、卍F卍!」
「……了解ラジャー。
高性能多弾頭誘導ミサイル、ファイナリスト09、発射!」
「朱雀よ、我に力を!!
エア・ザーク ブレード・ストライカー!!!」
7枚のブレードがまばゆい光を放つ―――。
ジ・ビーンはブレードアタック発動直前に、誘導ミサイル9発の猛攻撃にひるんでいた。
そこに、虹の光が射す―――。
ジ・ビーンは、小爆発を繰り返しながら月面に墜落していった……。
虹の軌道が、澄んだ星空にまだ、美しく光り輝いていた。
~ その"左拳"の科学力の、右に出る者よ ~
「ひさびさですな、帝王K様。」
「ほほう、生きておったのか、キルター。」
「滅相もございません。この私が、どうして命を失いましょうか。」
「ご無沙汰しております、キルター殿。」
「ちくわぶー軍の作戦が順調に進行しているのは貴方のおかげですよ、ダートム殿。」
キルター、その男の科学力の右に出るものは無しと言われた、軍事兵器開発の鬼、帝王K(Jr.K)の左腕なのである。
この男も、帝王Kやダートムが来たのと別の宇宙船でこちら月面に到着したのだ。
「例のあれは完成したのか?」
「ええ。コンピュータによるシミュレーション実験も完璧です。
遂に地球ごと眼鏡の屑どもを破壊できる人類史上最強の古代兵器を完全再現しました……。
その名も、"サテライト・キャノン CX002"!!」
古代兵器"サテライト・キャノン CX001"とは、3年もの歳月ををかけて、太陽からの光エネルギーを蓄積し、その膨大な光エネルギーを、この世の裏側にのみその根源が存在すると言われる非科学的エネルギー"反螺旋力ア*チ・スパ*ラル"によって星一つを木っ端微塵にするという恐ろしい兵器である。"CX002"はその光エネルギーを極限まで抑え、たった3日で地球を壊滅できるようになっている。
彼が本気になれば、ブラックホール、いや、ビックバンを遥かに上回る"反螺旋力アン*・ス*イラル"を生み出せる技術さえ生まれそうだ(間違っても、金融ビックバンじゃないです)。まぁそれを実装するわけにはいかないだろうが……
「と、いうわけで、その充電開始の指揮を、是非帝王K様に頼みたいわけなのですよ。」
「いいだろう。
『担当班班長及び、全班員に告ぐ。これよりサテライト・キャノン CX002の発射を許可する。
直ちに発射準備に取り掛かりたまえ。』
これで眼鏡坊やの魔法国家も塵となって滅ぶわ!!
ハッハッハッハッハッハッハ!!
「ははははははは!!」
「グハハハハハハハ!!」
「まじでヤバいわねぇ、姉さんはちくわぶー側に回るわ、地球は壊滅の危機に至っているわで……」
物陰にひっそりと佇む少女一人。
彼女は果たして眼鏡の敵か、味方か!?
…………しかーし!
次章には続かない!!! 「なにぃ~~~!!??」
~ 延命できて良かったね、マザコン坊や ~
「Makey!!」
「ぐ、は……。」
「Makey、しっかりして!!」
「まさか眼鏡王国空軍四大超兵器の一つを使ってくるとは……」
「お~い、アオギリ~!!」
「お、医療班が来たみたいだね。
今度は僕が出る。君は彼の看病をしてあげて。」
「……分かった。」
oir-okeとMakeyはちくわぶーの医療班輸送機に乗せられていった。
「こちらアオギリ、ブルー・ジ・ビーンの転送を要請する。」
一方、月にいる眼鏡軍の要請を受けて、こちらに向かってくる、青白い影……
四賢者Aの所持する戦闘機、エア・グーンである。
青白いボディに、ひれの様に生えた七色、七枚のグラヴィティブレード。
猛スピードで月面へと向かっていた。
「ありがとうございます、Bさん。」
「礼には及びませんよ、大佐。」
「なんか顔見知りの人に言われると、恥ずかしいっすね……」
「いやぁ、それにしても、今大変な事態に陥ってるな。」
「はい、Mrk.3が復活して、国王様のお命が危ないところでしたし。」
「実の従兄弟に、"様"を付けるのはかったるくないか?」
「はい……それにちくわぶーの軍事力が想像を遥かに上回っていますし……」
「そりゃ都合のいいほど上手いこといったら、読者も飽き飽きするだろうし……」
「え、何の話ですか?」
「いや、別に何も……」
まぁそんなこといいながらも、結局は何事も都合よく、上手く言ってるわけですよ、このストーリーは。
「今、兄さんもこちらに向かっているんだよ。」
「え、Aさんですか?」
そのころAは……
「ん、何だあれは?」
「"どうされました"、Aさん?"」
本部からの無線だ。兵が不足しているために、Aは単独で月へと飛び立ったのだ。
「あれか、F大佐がやられたというのは。」
「"Aさん、コードネームを卍ではさむの、忘れてますよ。"」
「こんな緊迫した状況で卍で挟んでられるか。」
「"すみません、あの機体を確認します―――!!"」
「どうした?」
「あの機体、改良型です!」
「お前、"で挟むの忘れてるぞ。」
「こんな緊迫したことに何をおっしゃる!!」
「……すんません。」
「さて、私の可愛い信仰者に君の弟さんが怪我を負わせてくれたからね……
覚悟しな! いつか全宇宙を厚い信仰のもと征服するであろうこのアオギリ様を怒らせたことを、後悔させてくれるわ!!」
「誰が信仰者だ!!」(病室にて)
「何? 悪い夢でも見たの、Makey?」
「いや……。」
Makeyの怪我はそこまでひどいものではなく、全治一週間だとさっき言われたので、oir-okeはひとます胸をなでおろしていた。
~ 偉い人は言いました、UFOキャッチャーは貯金箱であると アフロは男の浪漫であると ~
「将来人類の頂点に立つべきこの私に逆らうとは、いい度胸だ。」
「それは我の台詞だ。 くらうがいい、エア―――」
「ブルーブルースターダストクロー!!」
物凄い勢いで、青白い影がエア・グーンに激突した。
「な、何という攻撃準備の早さだ……」
「アオギリ様を嘗めて掛かると、こう痛い目に会うぜ!! ブルーブルー……」
「名前なげーんだよ!!」
ズドーン!! 「ぐは!? お前、自軍の英雄に向かって何を……」
「Aさん、大丈夫でしたか?」
「お前……生きておったのか……。」
Aは、いや、本部の者も目を疑った。何を隠そう、そのモニターに映っていたのは……
CL元女帝レンジャーのクローンであるレンザーの シ○ア専用機 エ○ァンゲリ○ン弐号機 暴走赤トラックにやられたはずの金髪アフロ(コードネーム未所持)だったからだ。
「それより何故お前、ちくわぶーの戦車に……」
確かに、金髪アフロが搭乗していたのは、ちくわぶー軍の月面用上級戦闘車両スペース・ウォーリアーⅡであった。
「え、落ちてたので拾ったのですが……」
「じゃあお前は落ちていたハンバーガーを拾って食べるのか!? お前の兵士としての生き様はそんなものなのか?」
「ぇ、あ、ぃや、すみません……」
「それより早くあいつを、ぐわ!!」
ブルー・ジ・ビーンの主砲、ブルーブルーチャージビームがエア・グーンの機体を捕らえた。
「は、早く……」
「……主砲、発射。」
アフロはブル(以下略)の横から、主砲怪力光線をブチ当てた。
「りゃ、略すなって、うわぁぁ~~!!」
ブルー・ジ・ビーンは不覚にも防御用のフィールドを張っていなかった。
「さぁ行くぜ!!
エア・グーン ブレード・ランペイジャー!!」
七枚のグラヴィティブレードが光り始める。
そしてブル(ry)は青竜の逆鱗に触れる―――
「情熱のレッド・ブレード!」
「だから略す…うわぁ!?」
1撃目は辛うじてブルの機体をかすめた。
「追憶のオレンジ・ブレード!」
「略し過ぎ、ぐは!!」
今度は左翼に大きな衝撃。
「雷光のイエロー・ブレード!」
「ぐ、早っ!?」
迅速に次々とダメージを与える。
「地球のグリーン・ブレード!」
「名前てきと…くぁぁぁ!!」
宙返りの後にボディにダイレクトアタック!
「激動のブルー・ブレード!」
「ぐあああぁぁぁ!!」
下から一気に突き上げる。
「流麗のパープル・ブレード……」
パリーン!!
「ああああああああああああああぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ――――――!!!」
コックピットを、ブレードが突き破る、そして……
「召天の…ピンク・ブレードぉぉ!!」
「ふっ!」
アオギリはコックピットを間一髪で脱出―――
一瞬置いて、ブルちゃんは大炎上。
「ちゃん付けする…な…」
すぐにちくわぶーの医療班が迎えに来る。
「エネルギー切れだ……逃がすな、アフロ!!」
「了解ラジャー、主砲……」
しかし、一瞬のスキにワープされてしまった。
「(くっそ……)」
~ 地球滅亡へのカウントダウン、謎の美少女、運命は其処から始まる ~
「卍F卍大佐、またお会いできて光栄です。昇格なさったことは、先ほどAさんから……」
「心配したんだぞ、少しだけ。」
「少しだけ……ですか…」
「兄さん、CやDは?」
「Bよ、Dは今地球を出発したころだろうが、Cは国土の治安を安定させるために……」
「Aさん、王国は今どういった状況なんですか、父さんは……」
「それがだなぁ……」
「大佐!」
「おお、お前はかつてoir-oke直属の部下だった……」
「cu:nonクノンと申します。」
oir-okeほど胸はないし、身長も若干低めで、表情もそこまで暗くはないが、おとなしそうな美少女。
「cu:nonちゃんかぁ、可愛いなぁ…」
「兄さん!! 、あっ、ごめんね、うちの兄さんが…」
「いえ……」
「ところでどうだった? 何か情報は掴めた?」
「そ、それが……」
彼女は、ちくわぶーの月面の拠点基地に侵入して、目にした、耳にしたことを全て話した。
「「「「な、何だって~~!!!???」」」」
「oir-okeちゃんがちくわぶー軍に!?」
「兄さん?(怒)」
「…………」
「サテライト・キャノン CX002かぁ……一刻も早く止めなくては…」
「姉御、まさか地球を破壊するとか言うあんな計画に……」
「まさか、あいつがそこまで……」
「とにかく、エネルギーが回復したら、早くエア・グーンとエア・ザークで出撃しないと……」
「Bよ、Dのエア・シエルも来るのだが……」
「あいつはどうせまた一人で逃げ帰るだろ? 頼りになんねーよ。」
「だな……」
「まずいぞ!! ちくわぶーの輩が基地内に……うわっ!?」
2丁拳銃を黄昏基地の住民に向ける、ちくわぶー軍の美人な女性が一人。
「あ、貴方は……」
「oir-okeと申します、
ソル・ユコーさん、貴方をお迎えに上がりました。」
~ 青年は、怪我を負って、運命に追われた ~
「ここがちくわぶー軍の月面軍事基地です。」
「ここか……。」
ソルはoir-oke、その他2,3人のoir-oke監視員兼スパイ部隊と基地に入った。
一方、その上空を飛んでいたのは……
「陸軍兵出動用ポッド、投下。」
スターダスター大佐専用型であった。
ちくわぶー軍基地の隠れた入り口から、ポッドより脱出したcu:nonが潜入する。その他複数名、それぞれのスターダスターから脱出した眼鏡軍スパイが各々の方法で基地に侵入していく。
oir-okeには若干劣るものの、cu:nonのスパイ能力はなかなかであった。
彼女は忍術を使えるからである。
行けるところまでは木の葉隠れで、見破られた時には煙幕で上手く敵をまきながら進んでいく。
しかし、彼女は木の葉隠れを解いた。
目の前に、oir-okeがいたからだ。
「姉御!!」
「……久しぶりね、元気だった、cu:non?」
「何故、何故です? 何故敵に回ったのですか!?」
「あなたは悪くないのよ。ただ……
あの国王が許せなくてね……」
「そうか……
ボクの再従兄弟はとこに父親を殺されたってのは、あなたか。」
「「!!!」」
「そ、それ、どういうことですか……。」
「あぁ、それは後にして、早く敵を倒さなくていいのか?」
「そう……でした…。」
「姉御はそれでもいいんですか!?」
「アンタには到底分からないでしょうね、父上を殺された私の気持ちなんて!!」
「姉御、そんなことのために人生を捧げていいんですか?
この人たちは、地球を破壊しようとしているんですよ、でっかい大砲で!!!」
「な、何ですって!?」
「そんな、バカな……」
少女の口から発せられた事実に、oir-okeとソルはもちろん、付き添いの兵士達も動揺を隠せなかった。何しろ、ちくわぶー軍でさえ、まだ上層部と実験関係者ぐらいしか知らない軍事機密だったのだ。
「…………」
次の瞬間、oir-okeの姿は無かった―――
と、その時、
「潜影シャドーダイヴ!!」
気が付けば、監視員は全員血まみれになって倒れていた。
「スゲ……ぐわっ!?」
oir-okeはソルにナイフを突き出した。刃先から血が垂れる。
「教えなさい……長おさは誰かしら!?」
ソルはoir-okeに服従して……というより、己から沸き立つ使命感に突き動かされるように、急いで王のもとに案内した……
その先に待っていたのは――――――
「Makey!!」
他の二人は唖然だった……
包帯の千切れたような跡と、Makeyのものと思おぼしき機関銃が、ソルの足下に転がり落ちていた。 前方には、今までに見たことのない格好と、形相をした、アオギリが、其処に立っていた。
そして、アオギリの足下に…………
Makeyが、血みどろになって倒れていた。
~ 触らぬ教祖に崇りなし ~
「何でよ……」
oir-okeの声は震えていた。
「何でMakeyが殺されなくっちゃならないのよ!!!」
泣き叫んだ声が、ドーム状の空間に良く響く。
「ふ、ふは、ふはははははははは!!」
不意にアオギリは大声を上げて笑い出す。
「君は実に馬鹿だ。馬鹿げた奴だ。地球ごと眼鏡王国を滅ぼそうという偉大なるプロジェクトを止めようとしたのだ。」
「アンタがバカなのよ!! 分からないの? アンタは地球に未練がないの? アンタは地球に残してきたものがないの!?」
「そりゃあるさ……」
「じゃあ、何で……」
ソルとcu:nonは何も口が利けず、ただただ傍聴していた。
「ふ、教えてやろう。
僕は、いずれこの全宇宙を支配する男だ。僕にはその素質が、才能がある。
なぜそう自信を持って言えるのか? それはお分かりの通り、
僕は天才だがらさ、ハッハッハッハッハッハ!!
…………しかし、しかしだな……
僕は、それが今すぐに可能であると信じ込むほど馬鹿じゃないんだよ。
僕に足りないもの、それは資金、そして権力だ。
資金は奪えるとしても、権力はそう簡単には奪えないものさ。たとえこの僕、教祖様であってもな。
だから僕は帝王K様に服従し、虎視眈々とその座を奪うタイミングを待ち構えるしかないんだよ。
よって、僕は、そのプロジェクトに参加することにメリットを感じている。
いずれ全宇宙を支配する僕のことだから、星一つ潰れたぐらいで、どうってことはないわけ。
ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
「もういい、もういい!!
私、ここ辞めます。上の人に、そう伝えておいてください。」
「君は本当に物事の理ことわりを理解していないようだね。
君はちくわぶーの人間ではなくなる、即ち、其れ、敵になるっていうこと。
敵は、芽のうちに摘んでおかなくちゃいけないよね?」
「姉御!」
oir-okeは大きくうなずいた。cu:nonは、"姉御"のこんなに怒りに満ちた眼を、初めてみた。
「父上を呼んでくれ。ボクが話をつける。」
「無駄骨ですな、お坊ちゃんよ。ダートムさんも、強い決意を抱いていらしたよ。」
「父上……」
「さぁ、見るがいい、アオギリ教教祖アオギリ様の力を、文化の神髄を!!
チェーンジ、Blu-ray:Wooder009!!」
眩い光が、空間内を満たす――――
oir-okeは眼を開けた。
それは……ちびっこ向けヒーローのようなダサい格好をしたアオギリだった。
cu:nonは思わず吹きかけてしまった。
しかし、アオギリからは、計り知れない殺意を感じられた。
「死になさい。
アオギリ・パーンチ!!」
しかし、その拳は弱々しく、アニメなら「ポコン」という効果音ぐらいの感じで、oir-okeを殴った(?)。
「あ、あれ、おかしいな……」
oir-okeは、暫く脱力感に浸っていた。
その後に続く、アオギリ・アッパー、アオギリ・チョップ、アオギリ・キックも虚しく、彼らのイライラを蓄積させるだけに留まらなかった。
「ちっ、今日はこのぐらいにしてやる……」
「帰れよ。」
死んでいるはずのMakeyの声が聞こえた。幻聴だったのだろうか。その言動には、何故か国王への復讐心が感じられた。
「言われなくても……」
「ふ、アオギリ、お前の戦闘能力は所詮そんなものか!」
「その声は、キルターさん!!」
3人の目の前に現れたのは、球体から二本の腕が伸びたような形の、浮遊型戦闘ロボであった。
「まだ試作品だが、雑魚3人ぐらい容易に殺せるだろう。
さぁ、死ぬがいい。」
~ 戦場は、紅蓮の火の海と化す ~
「我が軍の科学力の粋を集めて作った、このロボの威力を見るが良い!!
想像の刃やいば、"裂闇れっこく"!!」
右腕の刃を振り回した途端、緑色の眩い光と、強烈な波動を感じた。
「こ、これは、ぐはっ!」
「創造の力、螺○力! 旧約聖書創世記に記されているエデンの園を作り上げた、空想状のエネルギー……」
「その通り!! 今まで数学上においても証明できなかったこの力を見たか!?
しかしこれはただの眼くらましに過ぎん。
ショウタイムだ。
破壊の刃、"絶光"!!」
「そうはいくか!!」
「何っ!?」
「破壊の力、反○旋力アソチ・ヌパイラルを目覚めさせるわけにはいかない!!
さぁ、
大地よ、
燃えさかれぇ!!!」
ソルの周辺に、風が巻きたったかと思いきや、赤い光を発して地を這うようにして一気に広がる――――
試作品ロボを、巨大な火柱が貫いていた。
「ぐうううううぅぅぅぉぉぉおおおおおお!!」
「キルターさん!」
「済まない、アオギリ、私の科学力も、ここが、限界、だ……」
「正気ですか、キルターさん! 早く脱出を……」
「試作品で戦場に飛び込んだ私が愚かだった……防御面も緊急事態の処置も全く考えていなかった……設計ミスだ。」
「…………」
「私は早く、天に召されて…」
「天に召される前に、己の妄想に朽ちるが良い。
幻覚魔法 "聖少女牢獄"」
キルターの目の前に、ピンク色の世界が広がり…………
恍惚の表情を浮かべながら、その男は息吹きを失った。
「手こずらせたな。」
「帝王K……」
「ボクは父上に会いたい。早く会わせてくれ。」
「心配することはない。彼の石頭は、私のより頑丈だよ。」
「そうじゃないわ。地球を破壊するとかいうプロジェクトを止めるために此処に来たのよ!!」
「そいつぁ驚きだ、しかし、果たしてお前たちに止められるかな?
何せ人工衛星型砲台、お前らの力ではどうにもならんわ!!」
「cu:non!! そんな話、聞いてないわよ!!」
「だって、そんな話、私だって初耳だもん……」
「だったら、そいつを破壊すりゃいいんだよ!!」
ドーム天井を突き破る、その影――――――
スターダスター大佐専用機であった。
~ 地球滅亡まで残り48時間、無鉄砲な亀とは、如何なるものか ~
卍F卍。
眼鏡軍元帥を父に持ち、ちくわぶーに母を殺される。二十云歳にして空軍大佐にまで登りつめても尚戦場を翔ける男。実は眼鏡王国王の父親方の従兄弟。
oir-oke。
CLに生まれるが、眼鏡王国の若き王に父親を殺され、捕虜として捕まる。此処まで命からがら生き延びながらも、ただ一人の弟(2人とも姉弟関係を知らない)、Mrk.3と、最愛の人、Makeyを失い、悲しみにくれる日々を送る女性スパイ。特技はナイフ二刀流と2丁拳銃。
ソル・ユコー。
ちくわぶーに生まれ、帝王の側近である父、ダートムと過ごしてきた。何やかんやで月にたどり着くも、地球破壊プロジェクトの存在を知り、母国に反感を抱く。特技は火炎魔法・幻覚魔法。実は眼鏡王国王の再従兄弟。ドスケベ。
cu:non
女であることと元oir-oke直属の部下であること以外、謎。此処に来てまだキャラ未確定。戦闘能力未知数。このPTの中で、最も謎の無いような単純な性格の奴だが、ほとんど謎に包まれている美少女である。
運命は、この4人の若人を引き寄せ、変則的なPTを作ってしまった。
ここに国王か暁かMrk.3かルナかが居ればパッとするだろうが……
とにかく、彼らに一体何が出来るのだろうか。
しかし時間は、彼らにそんなことを躊躇している暇など与えてはくれなかった。
「ファイナリスト05、発射!!」
卍F卍の愛機から、多弾頭誘導ミサイルが放たれた―――がしかし、帝王Kの周りを囲むエネルギーフィールドによって虚しく小爆発を繰り返すだけだった。
「無意味だ。くだらん。全くもってくだらん。」
「母の敵ぃ――!!」
その時、愛機に通信が届く。
「そんなに焦ることないんじゃない? 大佐。」
「そ、その声は……Dさん!!」
「それでは、皆さんご唱和下さい!!」
「いや、誰も知らないのでは……」
「エア・シエル ブレード・メデューサー!!!」
四賢者四男Dの愛機、エア・シエルは、眼鏡空軍が初めて開発した、円盤型全領域有人超兵器である。
エア・シエルは回転することによって○旋力を発し、そのエネルギーで飛ぶと同時に、余ったエネルギーをこの必殺技のために貯蓄することができる。
エアシエルは、亀の甲羅でいう頭に赤、右手に橙、右足に黄、尾に緑、左足に青、左腕に紫、甲羅のてっぺんに黒の七色・七枚のグラヴィティブレードを持っており、必殺技時には全て長さが7倍以上に伸び、6枚の"剛なる刃やいば"と黒色の"柔らかなる刃"によって、手裏剣のように高速回転しながら敵に強烈な直接攻撃をお見舞いする。(パイロットが一番ハードだが……)
「くらえ~~~~!!」
「ぐわああぁぁぁ!!」
帝王Kのエネルギーフィールドをガリガリと削り、遂に突き破った――――――
しかーし!!、勢いが足らず、帝王Kに刃先が到達するところで回転が終わってしまった……。
「卍F卍! 早くしねぇとフィールドが復活しちまう! 早く!!」
「……了解ラジャー!!」
「私の渾身の手裏剣1投をみるがいいわ!! "心"、はっ!!」
「さぁ、
大地よ、
燃えさかれぇ!!!」
「千眼力サウザンド・アイ。」
「これが最後だ……超高性能多弾頭誘導ミサイル、ファイナリスト20。
3,
2,
1,
FIRE!!!」
「ああああああああああああああああああああっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!
ちくわぶー、ばんざーい!!!!!」
耳を劈くような轟音とともに、ドーム屋根は爆発によって完全に吹き飛んだ――――――
帝王Kのもぎとられた冷たい顔は、幸せそうに笑っていたという。
~ それでも月と人工衛星は、地球の回りを回り続ける ~
潜影シャドーダイヴで、サテライト・キャノン CX002 コントロールルームに居たちくわぶー人全員を斬り付けた後、其の位置を確認した。
「なるほど、やはり途中で停止させる機能は備わっていなかったか…… こうなったら破壊するしかない。」
「何よ、地球を挟んで月と今真反対じゃない!!」
「地球に残っている眼鏡王国空軍にも連絡を取るべきだが、報告後に一足先に、コチラは行動を開始しよう。
とりあえずDさんを救わねば……僕は医療班に連絡を取ろう。」
「じゃあ私は本部に、任務完了の報告を……。」
「私たちは、この基地に残っている残党を始末しないと……行くわよ、ソル。」
「ボク!? ってか呼び捨て?」
「アンタ、捕虜の自覚あるの?」
「いつから捕虜に……うわっ!?」
またソルにナイフを突きつけるoir-oke。
「あの、言うこと従うからさ……
その……
お、おっぱい揉んでいい?」
「真空蹴キック。」
「ぐぉぁあ~~!!」
「さぁ、行くわよ。」
「(コイツ、ドSだ、見た目どおり、絶対ドSだ!!)」と思った、卍F卍と(コードネーム募集㊥)であった。
コチラ、cu:nonの報告を受けた本部に、出動を要請されたAとB。
「兄者!! 遂に我ら名コンビの出番ですね!!」
「弟よ、いつから私のことを兄者と呼ぶようになった?」
「呼び方なんてどうでもいいじゃないですか、兄者! 筆者だって第一人称を"俺"と"僕"で使い分けてるんですから!!」
「いや、男は普通そうだろ。筆者は最近頑張って、ソルの台詞のとこだけ"ボク"にしてるけどな。」
「兄者、ソルって誰です?」
「さぁ……」
こうしてモニター越しにしゃべりながら、超兵器で宇宙ソラを滑空する2人の目の前に、例の人工衛星が現れる。
「まずは試しにレーザーバルカンを当ててみるか……」
レーザーバルカン:太陽光エネルギーを魔力に変えて、光の玉を連射する攻撃である。
―――CX002の回りにも、エネルギーフィールドが張られているようだ。
「ならばこれでどうだ!! エア・ザーク ブレード・スト……」
「こら!! 必殺技を多用するなと言われたろ!!」
「すまん、兄者。」
「よし、あれだ。」
「あれですね、兄者!」
「「パルス・ブレーダー!!」」
パルス・ブレーダーとは、高速で突っ切ることによって、グラヴィティブレードが波動を起こし、波動に触れたものにも大ダメージを与える攻撃法である。
二人の起こした波動が、エネルギーフィールドに……直撃はしたものの、とてもダメージを与えているようには見えなかった。
「くっそ……では必殺技を使うしか……」
「どいてください!!」
「何!?」
「卍F卍大佐です、兄者!」
「ファイナリスト09、発射ぁ!!」
ミサイルがエネルギーフィールドにぶち込まれる……も、エネルギーフィールドに穴が開く様子もない。
「やはりこうなったら全力で行きましょう、兄者!!」
「已むを得ませんね、Aさん!」
「……だなっ!
青竜よ、我に力を―――
エア・グーン ブレード・ランペイジャー!!!」
「朱雀よ、我に力を―――
エア・ザーク ブレード・ストライカー!!!」
「ファイナリスト20、発射準備―――
3,
2,
1,
FIRE!!!」
それぞれ全力を尽くす――――――
しかし、エネルギーフィールドはビクともしなかった。
~ 地球滅亡まで残り24時間、思いを一つにして ~
あれから月面本部で一晩が過ぎる。
「やはりエネルギーフィールドを突き破るにはエア・シエルの方が効果的か……。」
「いえ、基地で新たに入手したデータによると、あのエネルギーフィールドは帝王Kの周囲を張っていたものより頑丈と思われます。 透明なのでお気づきにならなかったかもしれませんが、あのエネルギーフィールドは半径5㎞もあります。」
「そうか、我々が思っていたより人工衛星が大きかったので、その規模の大きさも気づけなかったというわけか……」
「お、oir-oke、戻ってきたのか。」
「国王に父を殺されたのはまだ根に持ってはいますが、王国自体にはそこまで恨みはありません。それより地球を破壊しようなんて、とても人道的な行為とは言えません。恐らく思考回路自体狂っていたのでしょう、あの人たちは」
「oir-okeちゃ~ん!! 会いたかったよぉ~!!」
"oir-okeちゃん"と呼びかけているのは、oir-okeではなく、oir-okeの……
「Bさん、この人蹴ってもよろしいかしら?」
「oir-okeちゃんのおみ足なら、いくらでも……ぐはっ!!」
"真空蹴"顔面直撃、鼻を潰されたか、それとも興奮したのか、鼻血が絶えなかった。
「卍F卍。」
「中将!! お久しぶりです!!」
「卍F卍、俺のギャラクシーバスターを使ってくれ!」
「中将、それは……」
「何ですか、それは?」
「つい最近開発された眼鏡空軍新型全領域超兵器です、姉御!」
「超兵器!?」
「ギャラクシーバスターはcu:nonが先日ちくわぶー基地から極秘に入手していたキルターの"破壊の刃 絶光"の設計図を元に開発した、反螺旋○を発生させるメカニズムを採用している。」
「つまり、この超兵器は反○旋力で敵を攻撃できるということか!!」
「やるじゃない、cu:non。」
「ここまで出来るようになったのも姉御のおかげです!」
「あのバリアは反○旋力だけに過剰反応してバリアが一時的に緩和される。バリアが再び形成されるスキに進入を狙え。」
「分かりました!!」
下っ端整備員が入ってくる。
「大佐、発進準備が調いました。」
「ありがとう、すぐ行く。」
「あ、それと、」
「?」
「ギャラクシーバスターは4人まで搭乗できる。可愛い娘ちゃん達にカッコいいとこ見せてやれ。」
卍F卍は3人の方を向いた。 「じゃあ、カッコいいとこ、見せてもらおうかな♪」
「"千眼力"で応戦できるかもしれない。私も同行を願いたい。」
「ボクも"聖少女牢獄"で……(ポカッ)」
oir-okeと(コードネーム募集㊥)は同時にソルを軽く叩いた。
「ボク、昨日あの後ちくわぶー基地で父上とお会いしたんだ。
父上もCX002プロジェクトには内心反対してらっしゃったみたい……それに、卍F卍となら安心だろうって。」
「皆……
ありがとう。」
超兵器、ギャラクシーバスター、発進!!
~ 神速の虎が、宇宙ソラを駆ける ~
「あれね……」
「あぁ。」
「試しにやってみるわ……
千眼力サウザンド・アイ!!
ダメ、照準が合わないわ。」
「そういえば"千眼力"ってどういう技なの?」
「あぁ、何事も一瞬にして打ち砕き、あるいは引き裂く攻撃魔法よ。」
「元々姉御しか持ってなかった技なんだけど、私が直々に教えてあげたの。
姉御言ってましたよね。
"コレ、乙女だけが使える魔法なのよ♡"って。」
「ほぉ~! じゃあお二人さん……
千眼力で、自分の服をズタズタに引き裂いてもらっていい?」
「「いいわよ♡
でもその前に、
あなたの身体を肉片が見えなくなるまで引き裂いてあげる♡♡♡」」
「ひぃ~!!」
「うるさい! 集中出来ん!!
主砲、発射!!」
邪悪な力が、エネルギーフィールドに解き放たれる―――
……しかし、エネルギーフィールドは微動だにしない。
「何故だ!?
チャージビーム発射!!」
しかし、結果は同じだった。
「何故だ、 何故だ、 何故だ!!」
「甘いぞ、卍F卍!!」
「Cさん!? 貴方、地球の治安は……」
Cの乗っているエア・ライガーは背中に翼のような2枚のグラヴィティブレード、尻尾の柔ブレード、そして陸上を走るときにスパイクの代わりにもなる4本足に1枚ずつ付いた小ブレードの計7枚のブレードが付いている。
「こんな奴に地球破壊されるんだったら元も子もねぇ!!
地球もこのでっけぇ大砲の噂でもちきりだ!
そこ、どいといたほうが無難だぜ! パルス・ブレーダー!!」
エア・ライガーの背中についた巨大な2枚のグラヴィティブレードからの強靭な波動が、エネルギーフィールドを切り刻もうとする。
「くそっ! まだパワーが足りねぇか……」
「兄さん!」
「D!!」
「「待ってたぜ、C!」」
「兄者たちも健在だったか……
「「「行くぜ、おらあぁ~!!」」」」
「エア・グーン ブレード・ランペイジャー!!!」
「エア・ザーク ブレード・ストライカー!!!」
「エア・ライガー ブレード・バーサーカー!!!」
「エア・シエル ブレード・メデューサー!!!」
「「「「ぅぅぅうううおおおおお――――――っっ!!!!」」」」
半透明のエメラルドグリーンだったエネルギーフィールドは、七色の輝きを見せた後、大きな穴を開けた。
「ふぅ、攻撃用エネルギー使い果たしちまったぜ!」
「卍F卍、早く!! 復活するぞ!!」
「くっそ~! 加速に時間が掛かる!
間に合わない!!!―――」
「ここまで私に迷惑をかけおって、親不孝者だと思わんか!!」
~ 少年おとこたるもの、父親の背中を見て旅立そだて!! ~
「父上!!??」
「どけぇ―――!!!」
「元帥、何故コチラに!?」
「C、お前が飛び出したと聞いて慌てて飛び出してきたらこの有り様だ!!」
「卍F卍大佐のお父さんって、Jii-san元帥だったの!?」
「ぁ、お前ら知らなかったのか。」
「あぁ、ボクも知らなかった。」
元帥直々に指揮する超ド級宇宙戦艦、SG-XMG4が―――エネルギーフィールドの穴に突っ込む。
「元帥、何をお考えですか!?」
「私の命もそう長くはない……」
「父上っ!?」
「元帥、正気ですか!?」
エネルギーフィールドの穴はみるみるうちに広がっていく。
SG-XMG4の外装が剥がれていく。
「父上!!!」
「我が息子よ―――進めっ―――聞こえんのか、そのまま進むんだ――――――。」
「――――――――――――っっ!!
ギャラクシーバスター、発進!!」
ギャラクシーバスターは戦艦との間にできた僅かにできた隙間に潜り込む―――
後ろから、連続的に爆音が聞こえる。
「父上、僕は進みます。
主砲、チャージ開始!
目標、CX002!
ターゲット、ロック・オン!
チャージ完了!
5,
4,
3,
2,
1,
FIRE!!!」
ビームはCX002を直撃した――――――
…………が、その時、邪悪な光が、彼らに射す。
「あ、あれは!?」
「既に反○旋力を貯蓄していたということか!!」
「こちら、A。ギャラクシーバスター、応答せよ。ギャラクシーバスター、応答せよ。
卍F卍、応答せよ。卍F卍?
卍F卍、おい、返事しろっ!!
卍F卍――――――!!!!」
ギャラクシーバスターは、反螺旋力爆発の漆黒の闇に飲み込まれていった。
次章、Mrk.3編。
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