Chapter 2: 誘拐?

通りをのんびりと歩いていると、私はやっと様子がおかしいことに気づきだした。人が少なすぎる。いつもなら込み過ぎて歩けないくらいのとこらが、2,3人しか歩いていない。しかも全員サングラスをかけ、黒いスーツを着ている。通りを間違えたのかと思い確認してみたが、やはりあっている。急に不安になる。なにか重大なことが起こりそうな予感がした。速足で抜けようとしたとき、

「お嬢様。お迎えに上がりました。どうぞご乗車ください。」

どこから来たのかわからない黒いリムジンから男が出てきて言った。

(ヤバっ。これって誘拐?逃げなきゃ!)

慌てて走り出す。だが気が付くと、四方八方を囲まれていた。

「いつのまに…。」

恐ろしくなり、後ずさる。すると、男にぶつかった。

「どうぞ。ご乗車くださいませ。」

私は今度は叫んだ。

「だれかっ!助けてっ!」

すると男は私の口を手でふさいだ。抵抗したら殺されるかもしれない、そう思った私は大人しく車に乗る決断をした。すると両側を男たちが見張る。2人ともがっしりした体格で、とても戦えるような相手じゃない。もともと戦ったことなどないのだから、どちらにしても無理だったが。

(どうして今日なの?今日は圭の誕生日なのに…。なんで今日に限って…。助けて。)


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