ある日のお話
「ねえ、旅に行かないかい?」
「どうしたのさ、藪から棒に。」
「ほら、行こうよ。」
「いや、どこに行く予定なんだい?」
「海とかどうかな?猫の額みたいな、誰もいない砂浜で、夜になるまで海を眺めて話そうよ。その後は星を数えよう。それでいつの間にか寝ちゃって、満ち潮の冷たさで飛び起きて、家まで歩いて帰ろう。時々木陰で休んだりしよう。家に着いたらきっと夕暮れ時だから、庭から夕日を眺めよう。疲れた体を引きずってご飯を作ろう。それで寝て、起きて、また旅に出ようよ。」
「そんな時間はないさ。君も忙しいはずだろう?」
「ふふ、ただの空想だよ。いつか行けたら、ね。」
「そうかい。なら、予定を組んでみようか?」
「期待はしないでおくよ。」
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