『白票』でええから選挙行こか。

35歳のおっさん

今週末、選挙あるってよ。

おっちゃんな、この間こんな話を耳にしたんよ。



「選挙なんて行っても意味ないよなー」

「そうそう、1票入れたところで何かが変わるわけないし」

「そもそも行くのめんどいし」



それ聞いておっちゃんちょっと悲しくなったから、この文章を起こそうと思てん。

ワイは別にユーチューバーとかになる気もないし、

たぶんこれを書きあげたら以降、特にネットに上げることもないと思う。

だから、これから言うことは、若い皆に対する単純な親切心やと思てほしいな。

前置き長なったさかい、まずは結論から言うで。



「周囲の同世代を誘って投票行くんや」

「誰に入れるか分からん時は『白票』でもええから投票するんや」

「選挙後、出口調査で聞かれたら自信もって「『白票』に入れました」って言うんや」



これがまず若い皆にやってほしい行動や。

じゃないと10年後、君らの中からワイみたいな『35歳:派遣社員』みたいなやつが出てくると思うさかい。



「何も知らん、もしくは考えてない馬鹿が投票行くのは余計にタチが悪いから選挙には行くな」



なんて声もあると思うけど、そんなん関係ない。

まずは行くんや。

勝手に言わせといたらええ。



『選挙』には行くことに意味があるんやで。



ところで、この日本いう国はその『選挙』がある『民主主義』の国やな。

『民主主義』ってどない思う?



「常に大多数の声が聞き入れられる『平等』な制度や!」



なんていう人もおるかもしれん。

そやけどな、それは裏を返せば『少数の意見は常に却下される』制度でもあるんや。



「俺ら別に少数派の意見とか知らんし」

「大多数がそう思ってるんやったら、それでいいじゃん」



なんて声がありそうやから先言うとくで。



「君ら若い人らはそれだけで既に『圧倒的な少数派』なんやで」



じゃぁ誰が『圧倒的な多数派』なんや? っていう話なんやけどな。

外、出て周り見てみ。いっぱいおるはずやで。



『年齢を重ねた人々』がな。



そうや。いわゆる『老人』と言われる人らや。

君らの意見はこのままやと、その『圧倒的な多数派』によって国には届くことはないわけやな。



「若者は国の宝って言うくらいだし、そんなこと無いって!」



なんて言う人もおるかもしれん。

これも言うとくで。



「政治家はな、『国』は守っても『人』は守ってくれないんやで」



なぜなら政治家の仕事は『国』を守ることやからや。

『国』を守るために間接的に『人』を守ることがあるかもしれん。

でもそれはあくまで『国を守る手段』であってそれ自体が『目的』ではないんや。



「人を守ってくれる志を持った政治家も絶対いるって!」



って言う人もおるかもしれん。

そやな。

『福祉問題』や『待機児童問題』とか、色々思い返しても『人』に対して、よくやってくれてるように思うわな

でもな。勘違いしたらあかんで。



それはあくまで『投票する有権者』に対しての政策なんや。



ワイらみたいな『投票率の低い世代』に対しては何にもしてくれへん。

それはなんでか?

答えはもう言うとるな。



『投票せえへん』からや。



政治家が一番怖いことってなんやと思う?

何も難しく考える必要なんてあらへん。



政治家が一番怖いのは『落選』することや。



『落選』した途端、政治家からただの『無職』になるわけやからな。

下手したら今まで「先生!」言うてた人らも蜘蛛の子散らすようにおらんようになるやろ。

どんなに日本のこと思って、日本の将来を心配して行動しようと思ってても『落選』してまえばそれまでや。

だから『落選』は絶対に避けなあかん。

そしたら『落選』避けるにはどうするか?

そうなると自然と行動は決まってくるんやな。



『投票する有権者の多い世代に有利な政策を行使する』



これや。

ワイが言いたいことが分かってきたか?

今の時代は『少子化』って言われてるんは知ってるよな。

つまり逆に言えば『老人』世代の人数が多いってことや。

ほんで、更に投票率は『老人』と言われる人らの世代の方が高い。



『圧倒的に人数の多い世代』が『投票率が高い』のが今なんや。



そうなると自然と政策も『老人』が有利なのが多くなってくるんや。

『福祉問題』なんかまさにそれやな。



「じゃぁ『待機児童問題』は何なの? あれって主婦メインの問題でしょ?」



なんて思うよな?

あれは今回の問題とは少々ずれる話になるからあんまり詳しくは話さんで?

でも軽く言うとやな。

与党にバックに宗教団体がついとる政党あるやろ?

あそこの団体な『婦人部』って名前のついとるところが強い発言力を持ってるって言われとるんや。

婦人って名前が付くってことは……あとはもう言わんでもわかるな?

つまりそういうことや。

まぁその辺のことはあんまり掘り下げると、話が脱線するさかいやめとくわ。

でも、この話からも分かると思うけど。



『ある程度、当選に有利なデータが出せるところの意見』ってのは通るんや。



対してワイらの世代はな、『老人に比べて人数が少ない』しかも『投票率が低い』。



つまりワイらの世代に有利な政策を行使しても『当選』に繋がらんのや。



こんなんでどこの政治家が俺ら世代に有利な政策をやってくれると思う?

たまにこんな意見も聞くねん。



「また『ばらまき政策』やってるわ。政治家ってあほちゃう?」



ってな。言うとくで。



政治家はめちゃくちゃ賢いからな。



特に『自分の当選』とかに関してはめちゃくちゃ考えとる。

それが基本の考えになってないと長期間政治家をすることはできへんからや。

長期間政治家をやってる人らはもう人間やない。

『妖怪』言うても過言やない。

そんな『妖怪』がや。なんも考えんと『ばらまき政策』すると思うか?

んなわけない。



効果的やからやってるんや。



なんも考えてないわけちゃうんねん。

めっちゃ考えてるからそうなんねん。

それをするためなら基本なんでもするような人種や。

言うとくで。



政治家はな『嘘は言わへん』だけで『本当のことを言うてる』わけやないからな。



「え? 政治家ってめっちゃ悪い奴やんか!」なんて思ったらあかん。

政治家っていうのは大なり小なりそういう生き物やと思うことや。

そういう人やないとやっていかれへん業界なんや。



だから、政治家の言うことを真に受けたらあかんで。信用したらあかん。



政策が書いてあるチラシになんか真意なんてあらへん。

常に裏を考えるんや。

っていうても、めちゃくちゃ賢い政治家が何を考えてるかなんて分かるわけないわな。

ワイも分からん。

でも、今君らには『できること』があるんや!



それは、君らの世代が『当選に有用な世代なんです』って認めさすんや。政治家を味方につけるんや。



その方法が最初に言うた「『白票』でもええから投票せぇ」に繋がるんやな。



「どっかの政党名とか人名書くならともかく、『白票』じゃ意味なくね?」



って思うかもしらん。

でもな、政治家の立場で考えてみ?

『誰に投票するかも分からへん票が一定数ある状況』ってめっちゃ怖いで?

自分の『当選が読みにくくなる』んやからな。



もしかしたらその『白票』が今度の選挙では、相手側に流れるかもしらへん。



こう政治家に思わせられたら……どうなると思う?

「その世代に有利な政策をやろうかな?」って思うやろ?

政治家に『動くメリット』を与えるんや。

そうやないと『動かん』し『動こうと思ってても動けん』からな。

『具体的にどこの政党や人物に投票するか決める』のは後からでもかまへん。



とにかく『投票すること自体』に凄い意味があるんや。



あとめっちゃ重要なことが最初に言うた2つ目や。



「選挙後、出口調査で聞かれたら自信もって「『白票』に入れました」って言う」



なんでこんなこと言わなあかんか。

それはやな。



出口調査では投票した『世代』を調べるからや。



単に投票に行っただけやと『世代』までは政治家は分からん。

『誰かがこれに入れました』ってことまでや。

出口調査で答えて初めて『若い世代』が『白票を入れた』ってことがデータとして分かるようになるんや。

だからもし、



「私、『白票』入れたって思われるの恥ずかしいから適当に政党名言おうかな?」



なんて思ったらあかんで。

正確にデータに残らんようになるからな。

自信もってええんや。



「でも別にまだ若いんだし、投票行くの今じゃなくてもよくね?」



なんて思うかもしらん。

でもな。



『政策』が実行されてそれが実感できるようになるまで最低でも5年、下手すりゃ10年はかかるかもしれんねんで?



君ら今は若いかもしれんけど、10年後はどうや?

もしかしたら結婚しとるかもしれんな。



『今』動いて『最短』でそれや。



これがずるずる後になってみ?

それこそ実感できんままワイの年齢になるんやで。



だから『今』動くんや!



更に今回は運がええことに『18歳以上が選挙権を持つようなった』ってことで政治家の人らも注目しとる。

こういうのは最初のインパクトが大事なんや。

だから今なんや!

君らの世代がワイらのようなことにならんことを節に願うばかりやな。



「『派遣社員』が増えて給料が低いし職も安定しない」



『景気』もあるかもしれん

でも、根本原因は違うと今になってワイは思うんや。



『ワイらの世代の投票率が低かったから』



そういう『国』にしかメリットのない政策が行使されたからこうなったんや。

ワイらの世代は生かさず殺さずたただた社会の歯車として動けってことや。



「ブラック企業が増えて大変」



これも『景気が悪い』からこうなったって思うかも知らん。

でもな、こうとも考えられんねん。



『ワイらの世代の投票率が低かったから』増えた。



もし『ワイらの世代の投票率がもっとあったら』きっとそれを防止する政策がもっと早い段階で行使されたはずやと思う。

ワイらの世代みたいなことになったらあかんで?



「もう十何年かすれば『老人』も減ってくるんじゃないの?」



そう思うかもしれん。

事実減るやろう。

けど、それでも君らの世代よりはまだまだ多いんやで?

『今』動いて損はないんや。

それに政府がたまに気になること言うてへんか?



「『移民政策』がなんたらかんたら」



国の労働力低下を『移民』で補おうっていうやつやな。

これも『国』のためであるかもしれんけど若い世代にとってはどうなる?



『低賃金で働く労働力の移民』が増えたら『若い世代の働く場所』は?



確実に減るやろな。

つまりこれも君ら『若い世代』のことは何も考えてない政策ってことになるんちゃうやろか?



それに『移民』も『人』やで?



日本で暮らしだして生活するようになれば、当然『納税』するやろう。

そうなると『権利』として『選挙権』も要求してくるかもしれん。

もし……もし『選挙権』が『移民』に付与されたら?



もし『移民の数が多くてその上、投票率が高かったら?』



まぁさすがにここまでは考えすぎかもしれんけどな。

可能性はゼロやないんやで。

そうなったら君らの居場所……日本にあるんやろかね。

確実に言えるのは、ワイの居場所は無いいうことだけかな?



「こんな大事なことなんで誰も教えてくれないの?」



こんな話してたら、当然そんな疑問が浮かぶことやろう。

なんでか?



政治家にとって都合が悪いからや。



現状維持が政治家にとっては一番やりやすいんや。

『老人』と『主婦』に対してだけ有利な政策をするだけでええ。

これだけで『選挙運動』になるんや。



わざわざ『若い世代』の投票率上げて『当選が読みにくくなるようなことをしたくない』んや。



だから『若い世代の投票率』はたぶん注目はしとるやろうけど、あんまり上がって欲しくないって思っとるやろうし、実際上がるとは思ってないやろうな。

『マスコミ』も『政治評論家』もこんなぶっちゃけたこと言うたら政治家からクレームくるのは間違いないからな。

そんなことは絶対に言わへん。



『少数』にめっちゃ厳しい『民主主義』なんやから『金持ち』から文句くるんちゃうん?


って思うかもしれんけど『金持ち』は別やからな?

『金持ち』には『金』と『権力』があるからや。

日本は『民主主義』であると同時に『資本主義』でもあるからな。

そもそも政治家のほとんどが『老人』で『金持ち』なんやから、そんな人らに不利になるような政策するわけないんやけどな。




ワイが言いたいことは大体こんなもんかな?

最後にもっかい言うとくで。

若い世代……特に『今年から選挙権が付与された18、19歳』は次のことをするんや。



「周囲の同世代を誘って投票行くんや」

「誰に入れるか分からん時は『白票』でもええから投票するんや」

「選挙後、出口調査で聞かれたら自信もって「『白票』に入れました」って言うんや」



以上の3点や。

君らの将来が少しでも明るくなることを願いながらこの駄文を終わらさせてもらいます。



※この話をフィクションと捉えるかどうかは、君ら次第や。

 全部、真に受けんと自分で『判断』して『行動』することも大切なことなんやから。

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