第2話 マスターと契約すること
最近調子がいい。
なにをやってもうまくいく。
小さなことではパチンコの連勝。
大きなことでは彼女ができたこと。
運気が上がっているとでもいうのか悪い事が避けて通っている感じだ。
とくにお守りを持っているわけでもお参りに行ったわけでもない。
しいていうなら夢見がいいことくらいか。
といってもどんな夢だか覚えていないのだがなんとなく爽快な目覚めということぐらいはわかる。
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「お前の世界での幸せを約束しよう」
あの契約の日ランスルと名乗った男は言った。
俺は断ったさ、なにしろ貧弱な小男でなにより暗かった。
俺の属性は光だ。ネクラとは相性が悪い。
「ならば力ずくで従わせるのみ」
ランスルはフードのついたローブを脱ぎ捨てた。
現れたのは鏡のように磨きあげられた白銀の鎧と小さな盾だった。
俺は奴の唯一カバーされていない目を狙って光を放った。
だが小さな盾をかざしてそれを防ぎ突っ込んできた。
俺は盾に映った俺自身に見とれている間に
心臓を抜かれていた。
「今からきみは召喚獣タカハシだ。あらためてよろしくお願いします」
ランスルは礼儀正しい男だった。
この日から俺はランスルの召喚獣になった。
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