異世界にて召喚獣タカハシとなること

伊勢志摩

第1話 召喚獣タカハシとして

俺タカハシ。

俺の属性は光だ。

呼ばれて飛び出てピカッ!

おおむねこんな調子だ。


俺の後ろで震えている小男がランスル、いつもうつむいているさえないおっさんだ。

はからずも俺のマスターなんだなこれが。


むらがる食人鬼グールを額の宝玉から発する光線で次々と倒していく。

こいつらには炎や光が有効なんだ。


ようやく頭目らしい赤毛のグールが巨体の背をむけるとほかのグールたちもあきらめたようにしりぞいた。

グールがすっかりいなくなったことを確認してランスルは俺を宝玉に戻した。

「ありがとうタカハシ」

マスターランスルはいつも礼儀正しかった。

そして闇深い森を進んで行く。

宝玉に戻った俺はまたお呼びがかかるかもしれないと思いつつ眠りについた。


----


気がつけばベッドのなか夢から覚めていた。

ぼんやりと薄暗い天井を見上げている。

夢の内容など覚えていない。


ただはっきりとしているのは夢の中だと夢の世界を思い出せるということだ。

あいつの名前とか……

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