くりかえす


ここは、暗い。


何時いつも、暗い。


でも、

少し落ち着く。


だってオイラは、

ココで、生まれた。



○    ○    ○    ○    ○



いろんな声が、

聞こえた。


あっちから


こっちから


近くから


遠くから



色んなコエが、

あった。



若いのも


年寄りも


女も


男も


ただ、ただ、

何かを叫んでた。


何時いつから聞いていたのか、

わからないけど。


気が付いたらオイラは、

ここにいた。



○    ○    ○    ○    ○



聞こえてた声が、

モノになって


それが増えるのが、

すごく嬉しかった。


もっとフエロ


モット増えろ


そう思うと、

ソレは、

たくさん集まるようになってきた。


嬉しい


楽しい


だから、

わらった。


わらって


わらって


そうすれば、

もっと増えていく。


それをオイラは、

知っていたから。



○    ○    ○    ○    ○



ソレ、が集まって、

オイラになった。


オイラは沢山たくさんだけど、

ひとりだったから


体、ができて

嬉しかった。


ココは、

うるさかったけど


鏡も


狩人も


毒りんごも


小人も


たくさんいたから、

さびしくなかった。


怖く、

なかった。


・・でも


どうしてオイラは、

何かを怖いと思うんだろう?



○    ○    ○    ○    ○



なく、なっていく。


ソレ、も


こえ、も


ココ、も


みんな、も


オイラも、

消えて無くなっていく。


怖いよ


こわいよ


コワイヨ


消えるのは、

いやだ。


だって、

自分じゃなくなってしまう。


だって、

どこにもいけないのに。


ぼく、は

どこにも


・・あれ?


自分って、なに?


どこって、どこ?


ぼくって・・だれ、だろう?


わからない


わからない。


これは、

だれのこえ?


これは、

おいらのこえじゃない


だって、

おいらにのこっているのは


化け物の、

冷たい目と


寒いほどの恐怖、

だけだから。


それをずっと、

り返す


ずっと


ずっと


ずっと


り返す。


終わりは、

見えない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る