彼による後書き
『・・こうして。
愛する者達の手で大切に
優しい両親の元へと、
心
めでたしめでたし。』
「・・これで、よし。」
タイプライターのボタンを
そう言って
1度
間違いが無い事をチェックしてから、
分厚いファイルにしっかりと
そのまま彼は大きく伸びをすると、
古びた木の机から立ち上がり、
側にある大きな木の本棚に近づく。
取り
様々な表題の付いたファイルの間に
無理矢理押し込むようにして
『
~彼女のTRUE・END~』
と真新しいタイトルが付けられている。
満足気にそれを青年が
足元から
「また、
・・ぼく、手伝わないよ。」
青年はしゃがみ込み、
下からアーモンド型の目に
見上げてくる彼の小さな頭を優しく
それでも
今度はジト目で見つめてくる
青年は
「そのうち片付けるさ。
・・そのうちな。」
「絶対やらないと思う。」
そう言って彼は、
その後の事を考え溜息をついた。
その生意気な態度を
青年は楽し気に両手で撫でながら、
その
「いやなんだけど。」
嫌そうな声でそう言うと、
すばしっこい彼は青年の手から上手く逃げ出して、
少し離れた所でブルブルと体を振った。
その動きに合わせ、
黒い毛に
ある程度毛並みを
楽しそうに見ていた青年に
「キレイにしてもらったの、
ぐしゃぐしゃになったんだけど。
いやなんだけど。」
「悪い悪い。」
小さな牙を
彼はとうとう
「いいもん。
・・もう朝、起こしてあげない。」
ふいとそっぽを向く態度を取った後、
短い
彼・・少し大きめのミニチュアダックス君は、
「あ、しまった。」
やり
彼は、
とても
1度
そして、
朝は
・・つまりそれは、
寝起きが非常に悪い青年にとって、
(・・
彼の
焼いた牛肉の料理にしようと考える。
昨日も、
肉好きの彼のリクエストで焼肉だったのだが。
・・本日の夕飯も、
その事を
溜息をつきながら部屋の唯一ある扉に向かう。
扉のドアノブに手を掛けた時
「・・あぁ、そうそう。」
そう呟いた青年が、
「そこでご
彼女の話はお気に
彼はドアノブから手を離し、
向き直る。
「今回のお話は、
とても
これは、
彼女の
中にはそう・・とても、
そう言うと、
「・・
それでも面白ければ
俺が望むのは、物語の真実だけなんで。」
さて、仕事の話をしましょうか。
「ずっと物語をご
彼は小さく
「初めまして。
死亡フラグ
貴方の物語の、
本当の結末を見せて
・・
それが
DEAD・ENDになろうが、
俺は最後まで連れて行きますので・・
それでもいいと言われるのならば、
それでは。
彼は
扉を開けて部屋から出て行った。
この部屋に残されたのは、
遠くから
終わってしまった誰か達の物語。
・・そして、もう1つ。
それは、
最後まで見ていた
これは、
彼と
不思議な空間で真実を探す物語。
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