第4話 マキとの出会い
翌日、俺はバーディー90に乗って通学する。
教室に着き、席に座ると翔平が話しかけてきた。
「やっぱり、友紀下手だなwww」
「うるさい、余計なお世話じゃwww」
「今日、学校終わったら釣具屋行こうぜ!」
「どこの?」
「後で教える!学校終わったら俺の家な!」
「了解」
こうして、学校終わりに釣具屋に行くとこになった。
自宅に帰り、制服を脱ぎ、スマホとガラケーをチェックする。
「LINEなし、メールなし、電話なし!」
一通り、チェックを終えたあと、ガレージに向かう。
ガレージにある、GSX400S カタナのエンジンを掛ける。
1発始動、エンジンが掛かる。
暖気のため、少しの間エンジンを掛けっぱなしにしておく、その間にタイヤの空気圧、チェーンの張り具合等をチェックしていく。
エンジンが暖まった所で空吹かし、うん、調子が良い。
アイドリングも安定している。
SHOEIのヘルメットをかぶり、ガレージからゆっくり出て、翔平の家に向かう。
翔平の家に着き、翔平の母親に挨拶をする。
「翔平~、友紀君来たよ~!」
「ほ~い、友紀~ガレージでまっとってー」
「(^^ゞ」
俺は翔平家のガレージに向かう。
ガレージには翔平のニンジャ250が置いてあった。
ガレージに着いた瞬間に翔平がニンジャ250にまたがる。
暖気をしている間に訪ねる。
「今日は、どこに行くの?」
「いつもの所!」
「おk、まつきねね」
こうして、二人で家を出た。
まつきねに到着し、足早にアジングのコーナーに向かって行く。
アジングのコーナーで商品を見ていると…
師匠からlineが来る。
「今、まつきねいるんでしょ?フロロの2lbね」
!?と、戸惑う俺。
「悪い、俺が教えたわww」
翔平、お前かよ!
その後、フロロ2lbを(メーカーがわからなかったので翔平が選んだ)を購入し、翔平の家に帰宅した。
「俺、下忍から中忍にしようと思ってさー」
「250から400?」
「そう」
「なんで?」
「何となく」
「あっそう」
「俺、今からラインを持って師匠かの家に行くけど翔平はどうする?」
「久しぶりだし、行こうかな?」
「よっしゃ!決まり!!」
こうして、師匠の家に向かった。
師匠の家のガレージにバイクを止める。
「師匠、持ってきましたよー」
「おう!ご苦労!!まぁ、上がってくれ~すまんが、今、手が話せないんだ。」
俺達は、上がりなれた師匠の家に上がる。
「おじゃましま~す!」
「茶は冷蔵庫の中にあるから勝手に飲んでくれよ~」
「何か言ったか?」
ギロリと師匠が睨む。
どうやら、作業が終わったらしい
「何も」
「そうか、とりあえず品物は?」
「はい」
俺達は勝ってきたラインを渡す。
「じゃあ、これ代金な」
「何を作っていたんです?」
「んー?秘密だ、秘密。」
それから、居間に移動して話ながら居間で話していると辺りが暗くなっていた。
「じゃあ、俺は帰るわ」
「翔平、もう帰るのか?」
「師匠、お先に失礼します」
「友紀は、少し話したいとがあるから残れ」
「( ・ε・)エー」
「の・こ・れ!!」
「はい…(´д`|||)」
師匠から話とは何だろう?
「とりあえず…晩飯食っていくか?」
「はい!!」
俺は晩飯をご馳走になった。
「ご馳走さまでした」
「お粗末様」
師匠が台所の奥でカチャカチャと食器を洗う音がする。
洗いますと言ったのだが断られた。
なぜか、気まずい…
コトッ。
俺の前に茶が置かれる。
「話と言うのは…お前のタックルに着いてだ」
「タックルですか?」
「そうだ、ロッドは私のを使ってるから良いとして…リールとラインは?」
「ソアレC2000PGSSに3lbです」
「PGか…それは良いとして、3lbは太いな1.5lbにしろ」
「1.5lb!?」
1.5lbとかは、俺は使ったことがないぞ!?
ラインを切られてから、3lbと太くしてるのに…
「わかったか?」
「はい…」
「よろしい…後は魚のいなし方とドラグ調整だな、これは追々覚えるだろう」
俺は師匠に言われたことを頭の中でまとめる
タックルバランスとセッティングか…
「とりあえず、1.5lbをやるから釣ってきな」
「あ、ありがとうございます!」
俺は、投げられたラインをあたふたとしながら受けとる。
「釣果は帰ったら報告な」
「わかりました」と、俺は答え師匠の家の前の板知屋と言う港に向かった。
今日は板知屋で釣りをすることにした。
一番手前の師匠の船が留めてある、堤防に行く。
ジグヘッドをいつもより、注意してラインに結ぶ。
闇に向かってキャスト
どこまで飛んだかは暗くてわからないが、細いからいつもより飛んだ気がした。
「もう、着水か!?」
ラインが細い分沈下が早い。
コンッとあたりが来る、合わせる、15㎝のメバルだった。
ラインが細いのでいつもよりランディングに時間が掛かった。
釣り上げて、すぐにジグヘッドを外してリリースした。
その後、何匹か釣り、帰ろうとルアーを
巻き上げていると、ゴンッ!と言う感触とともにジィィィー!!と言う、音とともにドラグ出されていく。
「この感じは…カサゴか?」
ラインが細いため、いつもよりドラグをかなり緩め、丁寧にやりとりをしていく…
釣り上げたのは25㎝のカサゴだった。
釣れたカサゴをリリースしようとすると…
「おにーさん、それちょーだい」
振り向くと女の人?が立っていた。
女の子の様にも…見える?
身長はおかん(164㎝と一緒位か?)、とりあえず影はあるし、人の様だ。
「それ」
「え?」
何だ、この娘は?俺のタックルを狙ってるのか?やらんぞ?絶対にやらんぞおおおお!!
「それだよ!それ!!手に持ってるやつ!!!」
「カサゴ?」
冗談半分に聞いてみる。
「そう!それだよ!!」
本当にカサゴだったようだ。
それより、この娘?は、こんな時間にどうしたのだろう?
今は23時近い高校生なら帰るべきだろう?とか考えていると…
「おにーさん、明日も暇でしよ?」
「えっと…」
いきなり、失礼なやつだ。まぁ、学校終われば暇だが…
「私は明日も、ここで、この位の時間にやってるから」
「あ、魚ありがとな!」
と言って、行ってしまった…
何だったんだ?あの娘は……
例を言うので悪い娘じゃないと思うが…
「…ってなことが昨日あってさ」
翔平に昨日の夜、マキさんとあったことを話した。
「へ~、今日、俺も言ってみようかな?そうだ、友紀、このあと暇だったろ?釣具屋行こうぜ!!
「また?この間行ったばかりだろ…」
「今日は、ロッドを買いに行くんだ!!」
「ロッド?何の?」
「アジング」
またかよ。どんだけアジング好きなんだよ…
「じゃあ、まつきに14時集合な!師匠も呼んであるから!」
師匠も呼んだのか…
14時になり、まつきで翔平と師匠に合流する。
「翔平、今日は何を買うんだ?」
師匠が翔平に訪ねる。
「エバーグリーンのPSSS-53S プチプリッカーです」
「ほう、良い選択だ」
俺はわからないので師匠に聞くと…
「ん?5ft台のアジングロッドだよ」
「メリットは?」
「操作感度、2Pなら持ち運びとか…後は自分で考えろ」
「いえっさ~(´・ω・`)」
俺は昨日あったことを師匠に話すと…
師匠と翔平と3人で今晩行くとことになったのだが…
マキさんは表れなかった。
翌日、俺は一人で行ってみることにした。
22時位に一人で行くと…いた!
後ろからそ~と近づいて…
「わっ!」
「きゃっ!?」
女みたいな声がした!? 女か…
「今、失礼なこと考えたろ?」
「全然考えてないよ!?」
「どうだか…」
マキさんは大分怒っているようで…
いつも通り、魚で落ち着かせようとしたら…釣れない。
「やめた!!」
マキさんの怒声でビクッ!っとなる俺。
「どうしたの?マキさん?」
「どうもこうもあるか!釣れないからやめるんだよ!!」
「まぁまぁ、落ち着いて…」
「そうだよ!釣ったことないからな!!」
「え?そうなの?」
「そうだよ!お前、私を馬鹿にしてるだろ?」
「してないしてない」
マキさんは涙目になっている。
マキさんは家に帰ろうと家に向かって歩きだした。
「待ってよ!」
俺はマキさんを引き留める。
反射的にマキさんの腕を掴んでしまった。
「うわああああん!!」
マキさんは行きなり泣き始めた。
「こ、こっちみんな馬鹿!!」
暴れる。
マキさんが落ち着き冷静さを取り戻す。
「頼むから、顔を見ないでくれ…」
「わかった」
俺はマキさんを座らせ、背中合わせで後ろに座る。
「マキさん…魚を釣ってみないか?」
「え?」
「魚だよ」
「けど、私は1度も…」
「大丈夫教えるから」
「う、うん…」
俺は竿の握り方とキャストの仕方だけを教えた。
「マキさん、竿は俺のを使ってくれ」
「良いのか…?」
「ああ」
マキさんが常夜灯の明暗の先に向かってキャストする。
ぽちゃっ、ルアーが着水する。
釣り方は一番簡単なタダ巻きだ。
半分位まで巻いた所で、クンッ、穂先が曲がる。
魚が掛かった、ロッドは弧を描く。
「うおっ!?なんだこれ!?」
「そんなに大きくないから慌てないで」
「そ、そうなのか…」
マキさんは次第に落ち着きを取り戻していった。
掛かってから30秒が経過した。
掛かった魚が水面上がってきた。
「み、見えた!!」
マキさんが叫ぶ。
「慌てないで、こっちに寄せるんだ」
「わ、わかった!!」
魚は勘弁したかのように寄ってきた。
だが、近づいた所で行きなり走りだした。
「う、うわああああ!?」
「落ち着いて、ラストランだ」
「ラストラン?」
「最後の抵抗ってことさ」
マキさんは魚をハンドランディングした。
魚は体長20㎝の立派なメバルだった。
「や、やったよ!友紀!!私、始めて魚を釣ったよ!!」
「おめでとう」
「ありがとう!!」
とびっきりの笑顔をでマキさんは答える。
マキさんは、興奮で距離感がわからなくなっているのか、かなり近づいて来る。
ふにん。
何か柔らかい物があたった。
「う、うわああああ!?」
「マキさん落ち着いて!!」
取り乱したマキさんはバシャーンと音ともに海に落ちた。
「マキさん!!」
すぐに俺も飛び込む。
マキさんを抱き上げ二人で水面に顔を出す
「マキさん大丈夫!?」
「ああ…大丈夫…」
マキさんは大丈夫なようだ。
「あははは!…友紀、二人ともずぶ濡れだな」
「そりゃね」
俺はこの時、マキさんの素顔を始めて見た。
月明かりに照らされたマキさんの顔はとても美しかった。
俺は、この数週間でメキメキと腕を上げた。
数釣りでは、翔平にも勝ち、師匠にも勝った。
どちらにも、サイズでは勝てなかったが・・・
師匠からLINEが届く。
「話がある、学校終わったら来い」
「了解しました」とおれは打ち返す。
学校が終わり、師匠の家に向かう。
途中、翔平から電話が入る
「これから、釣具______」
「すまん!急いでいるんだ!!」
途中、灯から電話が入る
「今からツーリングに_______」
「すまん!急いでいるんだ!!」
「なんでー!?」
「なんでー!?}はこっちのセリフだ。
本当に今日に限って何でこんなに声を掛けらるんだ?
俺は、カタナに乗って師匠の家に向かう。
「師匠、きましたよ~」
返事がない・・・ただの屍か?
とりかえず、勝手に上がり居間に向かう。
師匠はそこにいた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・寝てた。
「まったく、この師匠は・・・」
やれやれという感じで俺はタオルケットを取りにいき、師匠にかける。
それから、師匠が目を覚ましたのは19時だった。
「ん~よく寝た~・・・」
師匠はが起きて、大きくのびをする
「おはようございます」
「ああ・・・おはよう」
師匠は、目をこすりながら
「飯にするか~」
と言い、台所に向かった。
そして、食後。
師匠は、お茶をすすりながら・・・
「話というのはこれだ」
師匠は一本のロッドを出してくる。
「私のプロトロッドがやっと完成形に近づいたし、お前が上手くなったからな・・・」
「またまた、ご謙遜を」
「本当のことだ、さて、話に移ろうか」
「はい」
「このアジングロッドは5.5ftでワン&ハーフのチタンティップロッドだ」
「・・・凄いですね」
「だろう?後はお前次第だ。55の方は貸す、それと6.6ftはお前にやる」
「いいんですか?」
「かまわん、それと早速いくんだろう?」
「はい!」
取り合えず、板知屋に向かった。
板知屋に向かった理由は二つある。
一つは近かったから、もう一つはマキさんに会えるかなと密かに期待したから
釣りを始めて、しばらくすると・・・
「だ~れだ」
後ろから、目を隠してくる、また古典的な方法を・・・
「マキさん」
「あたりー!」
後ろを振り向くとマキさんは、目を潤ませていた。
「ま、マキさん・・・?」
「何で・・・何で来なかったんだよおおおおおお!! 私は会えると思って・・・ぐす」
「ごめん、悪かったから泣かないで」
「連絡先・・・」
「?」
「れ、連絡先教えてくれた許す・・・」
潤めで上目使い・・・やめてくれ・・・
「スマホとガラケーの二つあるけどどうする?」
「両方!!」
「わかった」
ぱあああと、一気にマキさんの顔が明るくなった。
「♪~」
気分も良くなったようだ。
ピコーン! スマホがなる。LINEだ、誰からだろう?
相手は、誰だろう?
相手は・・・マキさん
内容は、明日予定ある?だった。
「まきさん、近くにいるんだから直接言えばいいんじゃない?」
「恥ずかしいだよ!馬鹿!!」
Lineで返事が返ってきた。
俺は、思わず笑いがもれた。
「明日は予定無いよ、どこか行く?」
「本当か!?」
即効で、返事が返ってきた。
「本当だよ」
「やったー!!」
何がそんなに嬉しいんだろ・・・
マキさんは、すみっこでブツクサ言っている・・・
話しても無駄そうなの、俺は釣りを再会する。
ルアーをキャストする。
確かに最大飛距離は短い分落ちている・・・だが
コンッ!
どんなに、小さな魚のアタリでも拾えそうな感度だ。
あがってきたのは15c程度
ゼンゴとかアジゴと呼ばれるサイズだ。
ちらりとマキさんの方を見ると釣りを始めていた。
その後、二人で10匹位釣ったところで・・・
ゴンッ!!
という、音のような感触と同時にルアーに何かが食いついた。
ジイイー!!
ドラグが焼けるのではないかと言う速度でスプールが回転する。
根に潜り込もうとする。
俺は、走りを止めるために1.5ibで締めれる限界までドラグを締める。
少し、巻き取り
正体不明の魚がまた走り出す。
すぐさま、ドラグを緩める。
そして、また締めて巻く。
これを繰り返し・・・
格闘すること・・・約5分(体感時間)魚は勘弁したのか浮いてきた。
俺は、タモを用意し、近づくなり直ぐにネットイン。
上手く入った。
その途端力が抜けた。
取り込んだ魚を見る。メバルだ。
メジャーシートで体長を測ると・・・28cm弱。
尺には届かなかった。
「うわー!すげーデケー!!」
背後からする、声にビクッとなる。
「マキさんいたの!?」
「いたよ~、タモを用意したところ位かな」
どうやら、緊張で周りが見えていなかったようだ・・・
今日の釣果は、二人合わせてゼンゴ10匹とメバル1匹だった。
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