第2話 千春


「ごめんね〜!おはよー」



改札口を通り


舞が走ってきた




待ち合わせ時間より15分も遅刻。




「授業あと5分ではじまるよ!」



と舞の手を引き学校まで走った




「ギリギリセーフだね!!」



教室に入ると空いている席を探した





「空いてないね……」


わたしと舞は顔を見合わせ困っていた






「ここ座っていいよー!!」



明るい声がした




「あ、ありがとう」



わたしと舞は明るい声の女の子の


テンションの高さに若干引きながら




席に着いた





席に座ってすぐ先生の授業が始まったにも関わらず明るい声の女の子は話しかけてきた




「名前なんていうの?

千春は白石千春っていうの!

ちはるってよんでね!!」





早口で明るい声のよく喋る子



それが千春の第一印象






「瀬川 凜っていいます。

席譲ってくれてありがとね!千春」



わたしは先生の目を気にしながら答えた




「高宮 舞!舞でいいよ!

千春ありがとね」





舞は相変わらずの打ち解けやすさだ







授業がおわり




お昼ごはんの時間






千春が待ってましたかのように





「お昼いっしょにたべよう!!!」




とわたしと舞に言った





「いいよーーー」





と口々に答えると


すぐに学食に向かった





千春は歩くのも早い


悪く言えば





せっかちだ






マイペースなわたしと舞は



少し早歩きで千春の後をついていった




歩いている間もずっと千春は喋っていた





ごはんを食べている時も





(忙しいひとだな)





ゆったりと生活してきたわたしに


とって千春の存在は大きかった






今思い返せば千春は


わたしと舞が初対面で緊張していたから




気を使って話してくれていたんだろう





と後々知っていく

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しあわせの舞 @siori-17

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