どこか乾いている。どこか物悲しい。どこか殺伐としている。どこか虚ろげである。でも、確かにやさしい。確かに透き通っている。確かにきらめいている。確かに美しい。何となく、ばら撒いた星屑が宝石になるような、ロボットが温かく微笑むような、宇宙から地球を見上げるような、未来に置き去りにした思い出のような、綺麗な情景。夢と現実、科学とおとぎ話が、濁ることなく混じり合っている。少し不思議な風合いの掌編集。読むほどに、切なげな作風がいとおしくなる。