万年筆 価格で考える

購入にはお金が必要ですから、最初の一本となると最も大切な選択基準かもしれません。


大分して、以下のように分けてみたいと思います。


①安価な入門用を買う(¥2.000以下)

②そこそこの物を買う(¥10.000以下)

③一級品を買う   (¥10.000以上)

④一生モノを買う  (¥25.000以上)


項目の解説として、


①は前項で述べたような格安万年筆を手にしてみるというもの。

②は主に贈呈用として人気のラインです。見た目も含めて実用十分で、名入れをして贈ると大変喜ばれるでしょう。

③は各メーカーの主要なラインナップ帯です。どれをとっても素晴らしい性能を持っていて、スーツのポケットを彩るアクセサリーとしても頼れるものです。

④はブランド最高級ラインが並び、強度やデザイン含め一生付き合える商品群です。



これは動機と状況によってオススメする内容が変わってきます。個人的には以下のように考えます。



【Aさん】

フレッシャーズ。文字を書くのが好き。人と会う機会が多い職種で、基本的にはスーツかオフィスカジュアル。使っていて恥ずかしくなく、楽しいものがいい。


→②をオススメします。

①の商品群は見た目的にイマイチな事があります。これは時計を選ぶ基準にも似ていますが、やはりある程度の見た目を要求しますと材質や仕上げの関係でお値段が必要になります。


しかしあまり高い物をコダワリ無く持ち歩くことは目上の人に失礼にあたる場合もあります。そんなつまらないことで仕事を苦労するのはもったいないです。


②の商品群なら、十分本格的な性能でありながら見た目も美しく、愛着のもてる一本になるでしょう。



【Bさん】

事務系の仕事。とにかくものを書く量が多く、筆記具は性能が大事だと思っている。自分のデスクがあってペン立てや引き出しはある程度自由に使える


→①をオススメします。

このタイプの方ですと筆記具は使い分けるべきですね。となると、そこに用意する万年筆もその特徴を意識した使い方が大切だと思いますが、主に威力を発揮するのがサインペン的使い方と宛名書きです。共にふさわしいインクの色が異なってくると思いますので、多用なインクを使えるように本数を確保しておくと大変便利です。


①の商品群をまず試して、必要に合わせて買い足していくと便利でしょう。



【Cさん】

新人ではなくなり、役職もある。質の高い仕事が求められるようになってきて、仕事に集中したい。


→③をオススメします。

この世代の方になりますと、あまり道具は頻繁に変えないほうが自身のスペックを高く発揮できるでしょう。自身の状況に合わせて道具を変えていく方法も一つありますが、万年筆はその逆の存在かもしれません。使い慣れた万年筆を扱う中で、自分の状態を確認していく、と言った感じでしょうか。そんな貴方なら③を買って後悔することはまずないでしょう。持ち歩いている内にそれが絵になり、いつの間にか周囲から羨望の眼差しを向けられるでしょう。



【Dさん】

万年筆はもとから興味があった。もう惚れてしまっているかも知れない。万年筆というくらいだから、ペンと共に年輪を重ねていきたい。


→④をオススメします。

この商品群はステータスもあり知ってる人なら唸る商品が多いです。そこから話題が広がることも十分にあります。またその構造も各メーカーの工夫が凝らされており並大抵のことでは壊れない強度、そしてしっかりとした保守体制が敷かれており修理対応も可能です。



【著者の場合】

私は④を最初に購入しました。それもかなり若い頃です。

理由としまして、「歳をとったときに、その道具をしっかりと使いこなしていたい」と思ったからですね。出世してステータスに合わせて良いものを買ったけど、ちっとも使いこなせていない、道具に使われている感じがする、というのはとても嫌だなぁと思ったのです。


どうせ万年筆を使うなら、私と共に成長し、いつどこに持ち出しても頼れる存在であってほしい。



【まとめ】

お役にたてましたでしょうか?


安物買いの銭失い


という言葉があります。買ったけれども使わなかった、では本当に寂しいです。買ったからには愛着のもてるものを、状況に合わせて手にされることをオススメします。

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