一瞬の連続

望は拳銃を恐れずに友嗣に向かって行った。

その動きは素早く、友嗣は一瞬反応が遅れた。

「バカが。」

動きを理解した友嗣は引き金を引く。

しかし、この後の光景は友嗣の予想外だった。

望は弾を避けた!

望は発射された弾の道を即差に予知すると、その弾を体を捻り避けたのだ。

そのまま体を友嗣に詰めて殴りかかる。

友嗣の顔が恐ろしくグロテスクなものにかわる。そして、右手から拳銃を奪う。

この間、わずか五秒!

倒れた友嗣に拳銃を向ける望。

形勢逆転である。

「立場逆転だな。小悪党。」

口が少し緩む。普段、感情を表に出さない望が笑っている。これは不吉の予兆か。

「さて、これからお前から色々聞いた後に跡形もなく消し去ってやるか。Wishとは何だ?」

拳銃を持っている右手を二、三回ふる。

「…」

友嗣は何も動かない。

「へぇ、だんまりかい。なら、少し痛めつけるしかないか。」

狙いを脚に向け引き金に力をかける。

「……てんこー!!ダイレクトサポート!!!」

友嗣は空高くに叫び出す。真意は分からない。

一瞬、だが気を取られてしまった。そのすきに友嗣は起き上がり、望と距離をとる。

「はいよ。全くしかなたいね。」

何も無い空間から声が聴こえてくる。

空間が歪みはじめ、右手、右腕、胸、顔と姿が徐々に現れてくる。

姿は女のようだ。

望は拳銃をそちらに向けるが、現れでた者はその動作に気づくと拳銃に手を伸ばし触れてくる。

触れた瞬間、拳銃は消える。望の手は空を掴んでいる。

そのまま、望へと手を伸ばしてくる。

望は避けることができずに触れられてしまう。

瞬き一回後、望は消えた。

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