チャラくして登場

学校につき、望は席につく。

望の席は窓ぎわの1番後ろである。目立ちたくない望にぴったりの席だろう。


担任の若い女の先生が入ってくる。HRが始まる。

今日の連絡が伝える。

配布物を配る。

そしてHRが終わ……らなかった!


突然、ドアが開く。そして2人入ってくる。

一人は望の知っている人物。この学校の教頭だ。もう一人の方はわからない。しかし、ここの制服を着ている。

担任はあぁ、そうだったと言わんばかりに皆に席につくよう言った。

「今日からこのクラスの仲間になる高橋 友嗣(たかはし ゆうじ)君です。明日からの予定だったのですが、急遽今日からになりました。皆さん、仲良くしてあげて下さいね。」

隣の転校生は一歩前に出て自己紹介を始める。

「どーも。高橋 友嗣でーす。よろしくお願いしまーす。」

チャラい。

語尾を伸ばしている、チャラい。

「それじゃあ、高橋君は華威君の隣の席に座って貰いましょうか。」

「わかりました。」

あぁ、なんて事だ。望が一番苦手としている全ての人と仲良くしようとする人種。人と全て分かり合えると考えている人種だ。

(チッ…)

望は心の中で舌打ちをしたが、それを表面には絶対に出さなかった。

「よろしくー!」「よろしくー!」

聖は席に着くまでの道行く人に次々と挨拶をしていく。

そして望の隣、自分の席に着くと腰を下ろした。

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