第23話 二人目の預言

あなた達は、誰からも知られる存在となります。


そしてあなたは特に、

その知識を活かした職となり、

その智謀で天才と呼ばれる者達と渡り合っていくでしょう。


ですが、3人でいられる時間は長くありません。

強制的に引き裂かれてしまうのです。

その時のあなたには、それに抗うだけの力が備わっていないのです。


失われてしまう一人の友を追って、未知の世界へ進む事になるでしょう。

他の人達と違い、あなただけは、捕らわれないでしょう。


そしてもう一人の友を忘れてしまいます。


いつかずっと先の未来で、友として再開する事が出来るチャンスが訪れます。


ですが、その時までに思い出せなければ、すれ違ってしまうでしょう。


その時にすれ違ってしまったら、もう二度と会う事は出来なくなります。


その瞬間、守りたい者も一緒に失うでしょう。





真剣な顔をして聞いていたが、

カイ「全然意味が分かりません。」


人差し指を立てて、

カイ「分かった事は、ミストかカイのどちらかを忘れて、もう一人を探してどこかに向かうって事、、かな。」


それを聞いてメイが、

メイ「あなたに預言は必要ないかもしれませんね。

何故なら、あなたはいつもその時すべき事が分かるから。」


カイ「そんな事はありませんよ。

僕だって、迷う事や悩んで動けなくなる事だってありますよ。」


メイ「その歳で、そういった考えが出来る事が凄い事なんです。」


カイは黙った。

謙遜を続けて見せても、目の前の女性には意味がない事が分かったから。


そして話を戻した。

カイ「預言の内容をこれ以上細かく聞く事は出来ますか?」


メイ「内容については、これ以上答える事は出来ません。」


カイ「それでは、予言の的中率や回避可能かは?」


メイ「それはお答え出来ます。

予言は100%当たります。

ミストには、変える事が出来るとお伝えしましたが、それは特殊な条件が揃わないと難しいでしょう。」


カイ「この予言を聞く事も予言の一部という事ですね。でも、思い出せないと未来が変わるような予言のようですが。」


メイ「これが特殊な条件の一つです。

予言自体に変動の兆しが見える時です。

未来が変化し易い部分があります。」


カイ「成る程。分かりました。」


メイ「3人でいる間を大事にして下さいね。」


そこまで聞いて、笑顔になった。

カイ「はい。ありがとうございます。」





この眼鏡の少年が、いずれ優れた科学者となり、最大の敵の弟子となる事や、

向こうの世界を救う事になるという事は、伝えなかった。


本来あるべき未来が崩れてしまう情報だから。

それは、メイにとって都合が悪かったから。


メイがカイに伝えた、

予言の示す未来は変わらない、

という話は嘘であった。

しかし、カイはその事に気付いていた。




ーーー




その頃、旧世代の町ピカソへ向けた青色の軍隊が迫っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る