第22話 一人目の預言
預言は、未来を変える事に繋がるので、
一人ずつ預言を行う。
他の者に聞かせる事は制限する。
預言は伝えた時点で変わっていく。
変わる所も含めて、預言されているが、大きな力で変わる事もある。
どれだけ多くの事実を見れて、
それをどのように解釈し、
どのように相手に伝えられるか、
それは預言者の資質となる。
ーーー
一人ずつ預言を始めた。
預言者とミスト以外は、2階で身支度をしていた。
ウォーネ「お前ら、やっぱ何か持ってんのかもな。」
カイ「どういう事です?」
ウォーネ「メイが驚く所を初めて見た。」
ヴィント「青い鳥が見えたから。。」
この町に来て1年、何度も考えた。
何故、自分にだけ見えるのか。
訓練によっては見えるようになるらしいのだが、そういった訓練を受けた事はなかった。
何かに気付いて聞いた、
ウォーネ「ヴィント、お前の親は何やってるんだ。」
その質問に顔を逸らして口を開き、
ヴィント「両親共、研究者で家にいなかった。実験中の事故で死んだ。」
少し慌てて、
ウォーネ「そうか。すまんな、辛い事を思い出させて。」
それに続けて、
ウォーネ「小さい頃に、この世界に来た事はねぇか?」
その言葉にカイが、顔を上げる。
ヴィントも振り返って、
ヴィント「覚えてないんだけど、、どこか懐かしい気がした。」
そしてカイが近付いて、
カイ「前に来た事があって、その時に何らかの訓練を受けたのかもしれない。」
ウォーネ「それなら、納得出来そうだが、それを教えたのは誰だ?親か?」
カイ「両親がやっていた研究は何だったか知ってる?」
ヴィント「いや、よく分からない。けど。」
ウォーネ・カイ「けど?」
ヴィント「この世界に来る装置が、家にあった両親の研究所での写真でも写ってた気がする。」
カイ「それだけじゃ、分からないか。ただ、この世界に関わる研究をしていた可能性はあるかもね。」
ウォーネ「親父さんは、格闘技もやっていたんだろ。」
ヴィント「うん、一緒に通ってた。」
ウォーネ「それでない戦い方に変えたのは何でだ?」
ヴィント「それは、、、
この世界でしか出来ない事をしたかったから。。」
カイ「・・・。」
ヴィント「あと、殺しは嫌だったから。」
ウォーネ「そうか。まぁ、それは仕方ねぇか。ただ、スィードでの戦いは悪くなかったなって。」
3人は、それぞれこの町で戦い方を学んだが、ミストとカイに比べて、ヴィントは弱かった。
折角持ってる適性を捨てて、全然違う物を選んだから。
それでも偶然か、良い所取りをするような事が多かった。
狙ってだした結果でなく、ラッキーで結果が出る。
ヴィントは、そういう結果の出し方は、好きになれなかった。
自分の努力や才能を使った結果でない。
と感じていた。
これから町を出て行く3人の中で、ウォーネは、ヴィントだけ心配に思っていた。
運は続くのか。
ーーー
これから数年の後、死にます。
それまでに、有名人となるでしょう。
死んだ後、別の世界で同じように生きるでしょう。
自分の名前も友も全て忘れます。
ですが、いつか思い出す日が来ます。
その時、また3人が揃っているでしょう。
忘れてはいけません。
敵が誰なのか。
忘れてしまうけれど、それでも必死に精神に刻むのです。
また、3人が出会える為に。
そこまで聞いて、
ミスト「えっ!?死ぬの??」
静かに頷いて、
メイ「はい。黒の王よりも遥かに強い敵に、消されてしまいます。」
それに驚き、
ミスト「ええっ!そんなに強い奴がいるの?」
メイ「ええ、今はいませんが、数年後に現れます。」
そこまで聞いて流石に気を落とし、
ミスト「そうかぁ。。」
メイ「ですが、その時までは死なないで下さい。
その時に死に、その先で出会う大勢の人達を、あなたは救います。」
ミスト「・・・えっ?死なないの?」
メイ「死にます。」
ミスト「んん??」
ミストの理解を置いて話を続けた。
メイ「その時になれば分かります。
とにかく、その時まで死なない事、友の事を忘れないように必死に覚えておく事、それだけは忘れないで。」
メイの言葉を忘れないように復唱した。
ミスト「死なない事、カイとヴィントを忘れない事」
メイ「ちょっと驚かせてしまったけれど安心して、
君はいつもその場を楽しんで生きていけるから。」
暗かった表情から一変して、
ミスト「そっか、分かった。
気に入らない未来だったら変えてやるし。」
笑顔で、
メイ「そうね。」
そして、一人目の預言は終わった。
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