第21話 預言者を名乗る者

青い鳥「・・・」


彼女が何か呟くと、草原に扉が現れた。


彼女が扉を抜けると、その姿が変わった。


髪の長い女性だった。


フードを被り、町へ向かって行った。


女性「時間がない。。」





彼女は旧世代の民でも珍しい、預言者だった。


彼女はその能力を移植されたのだが、

鳥の姿になってしまったのとは、別の時期の事だった。


この町のような特定の場所以外では、人に見えず、存在としても鳥の姿でしかいられなかった。


預言者「時間がありません、すぐにここから退避して下さい。」


町人A「この日が来たか。」


町人B「もう、準備は出来ているさ。」


一人、好戦的な男がいた、

大タンクトップ「戦ったら、勝ち目はねぇのか?」


預言者「ありません。ほぼ全員死にます。」


そこで預言者を見て、

大タンクトップ「ほぼ?」


淡々と続ける、

預言者「場所は特定され、包囲されます。死ななかった残りは捕らえられます。」


すっかり肩を落として、

大タンクトップ「そうか。仕方ねぇか。」


預言者「町を焼き、今晩中に逃げて下さい。幸い明日は雨です。注意すれば空からも見えない筈です。」


そしてその細い指を指す。

預言者「さらに真東に10日歩いた所に、別の町があります。

元々のこの町の住人はそちらを目指して下さい。

人間の方々は、それぞれ散り散りに逃げて下さい。」


そこで3人が出てくる、

カイ「僕らは、封印の書を探します。

封印の書が見つかれば、隠れ続ける必要もないのでしょう。」


預言者が3人を見る。

少しは逞しくもなったが、所詮は子供だった。

預言者「それはそうでしょう。しかし、君達には、、、」


しかし何かに気付く、

預言者「っ!」


黒髪の少年は、かつて鳥の姿の預言者に気付いた少年だった。

預言者「君は、青い鳥を見た少年だね。だからその幼さで、ここに辿り着けたのですね。」


町人C「時間がないだろ、準備を始めるぞ。」

町人達はそれぞれ準備に向かった。


預言者と、大タンクトップと、3人が残った。


そして、預言者は3人を見て、

預言者「改めまして、私は預言者メイ。人間です。」


3人は驚く、

ミスト「人間なのに、封印されたの??」


メイ「その話は、またいずれしましょう。

まずは、君達の預言をしましょう。

何か特別な運命が待っているかもしれません。」


そして、酒場のテーブルに座った。


3人はまだ身長が低く、座り辛かった。


そこでメイは、フードをとった。

メイは、160cm程の身長で、細身で髪の色は薄く、長かった。


メイ「さぁ、始めましょうか。」


預言を全て正確に伝えていたら、これから起きる事が変わったかもしれないが、

この時のメイには、それは出来なかった。

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