第20話 得たもの

旧世代の町、ピカソ


その町は、DDの中で人間達が来る前にあった大きな戦争を生き残った人たちの町だった。


その戦争で多くの町は、滅ぼされていった。


身を守る為に、当時の人々は様々な技術が使用された。


何とか滅ぼされずに済んだ町が、何とか現存している。


彼らの技術が、彼らを滅ぼす結果とはなったが、

彼らを生かす技術ともなった。




ーー




3人は、ウォーネや他の町民に気に入られ、様々な技術を教わっていく。


そして時は流れる。





ピカソには1年近く滞在した。





その1年で、世界情勢は少し変わっている。


件のブリッカーは勢力を拡げ、世界のトップ20の国となっていた。

黒の軍団だけでなく、赤と青の軍団が出来ていた。





ミスト、カイ、ヴィントは、

この町で多くの事を学んだ。


そこを拠点に幾つかの国も行き来し、この世界の探索も行った。


そして、闇という特殊な技術は扱う事が出来なかったが、各々はそれぞれ得意な技術を身に付けていった。


ミストは、得意の高速移動を極めつつあった。


カイは、旧世代の民達の技術を学び、自分のものにしていた。


ヴィントは、元々得意だった暗殺術を避け、

かつて異形の民に教わった、チャンネルとボリュームという特殊な技術を自分の物にしていた。





1年探したが、3人も町の人々も、まだ「封印の書」を手に入れていなかった。


町の者達は、町を遠く離れて行動する事が出来なかった。

太陽の下に出ると見付かってしまうのだった。


それ故、旅に出る3人に町の期待は高まっていった。


「封印の書」は、この世界に元々いた人達を封印した書物だった。


この世界に人間が来られるようにした人物達の手によって、それは使用され、この世界はまだ未開の地は多いが、人間の物になりつつあった。


「封印の書」が解かれた時、この世界には旧世代の人達が戻ってくる。


生き残りの民達の悲願となっていた。





この時の3人は知らなかったが、封印を解かれて戻ってくるのはそれだけではなかった。

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