第16話 本
・真東に一日歩く
→コンパスが必要になる
→正確な距離を知る必要があった
その男から聞いた情報の中で、ヴィントが聞いていたのは、この部分だけだった。
あと、カイが幾つか質問をしていたが、その時は、ミストと共に必要な物を手に入れに出てしまった。
出発までに時間があまりないらしい。
どうやら、月の満ち欠けや、時間によって入れない場合もあるのだとか。
また、普通に人間には見えない為、通り過ぎてしまう恐れもある。
その見えない町は、元々見えないのでなく、見えないようにしている。
目印等もなく、ただ、分かる者だけが入れる。
その町の安全の為に掛けられた、旧世代の一部の種族が編み出した「魔術」のようなものが作用しているらしい。
何から身を隠しているのか、などは分からないが、何かから身を隠しているのは確かのようだった。
それが分かった時、戦いが始まる。
ーーー
ミストとヴィントは、町中を走り回って、必要な物を揃えた。
計算した時間前に着き、その場所を探して待つ。
余裕を持ってスケジュールを立てたが、それより早く旅の支度が完了した。
出発前に魔術師に挨拶をしようと探したが見付からなかった。
魔術師と一緒に飲んでいた人を見付けて声を掛けた所、
「戻ったら、あの声が聞こえた少年にこれを渡してくれ。」
と言われたらしく、
本を渡された。
タイトルは、、、
ヴィントは、本が苦手なので元々あまり本を読まなかったが、その本は文字が少なく絵が多かったので一応読めた。
本は縦長で、カバーが分厚く固い。
ページ数があまりなく、軽かった。
表紙や本全体の状態から、年季が感じられた。
ヴィントは、短い時間で読めた。
本の内容はあまり入って来なかったが、主人公の風貌が印象的だった。
丸い眼鏡に、オールバック。
鼻が高く、寡黙で大柄な体格。
同じ顔の男と、十数人の仲間達。
それと、見た事のない風貌の生き物達。
難しい言葉もあり、意味も分からない所が多く、あまり面白くなかった。
けれど、違和感があった。
どこかに似ている気がした。
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