第11話 if

「もし、あの時あんなものに興味を持たなかったら。」


「もし、あの時あんな名前を付けなかったら。」


「もし、あの時あの椅子を見つけなかったら。」


ifの世界をよく考える。


そして、過去と現実を変えたいとばかり思う。




ーーー




この世界にも疲れはある。

疲れてくると、元の世界に戻る。


時間的に元の世界よりも早く進む為、一度に何日も滞在する事もあった。


けれど、大体、カイが時間を管理してくれていたので、元の生活に支障が出なかった。


逆にこの世界に入らない日があると、この世界の時間がどんどん進んでいく。


彼らはこの世界に興味を持ったので、来ない日は殆どなかった。


目標は「封印の書」。





幼い彼らは、どこかの国に所属する事はなかった。

街のチームに所属する事もなかった。


それも、力を付けようと思った一件からだった。


騙されたり、いいように使われたりするのが嫌だった。


そして何より、目的が違った。


自分達だけで、達成する事にした。





目標達成には3年近く掛かった。


ミストの行動力や、カイの頭の良さでなく、ヴィントの運が重要だった。

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