第8話 外へ
何故見えるか?
その疑問の意図する所は簡単だった。
一節以外の人間には見えなかったから。
何故見えるか?
その疑問に対する答えは分からなかった。
この世界の成り立ちに原因があるのだが、その理由を一節自身が知るのは、後の事だった。
彼らは他の人間に会う事を拒んでいた為、ミストやカイに紹介する事はなかった。
けれど、彼らに教わった「遊び場」へ行く事になる。
DDの中でも、管理された範囲の外。
危険が伴う場所。
ーーー
そこでは、現実の世界では困難なテクノロジーや能力が扱える。
管理された範囲内は、ヴァーチャル空間に様々な制限を設け、現実の世界と殆ど変わらずに生活出来た。
出来ても、ある特定の場所を一瞬で行き来し、遠く離れた場所にいる人が会えるなど。
けれど外の世界については、その制限が緩い。
重力と関係なく動く乗り物など、物理法則を無視した様々な物等がある。
DDに来た者の殆どは、こちらの外の世界に興味を持つ。
けれど、その大半は管理された場所から出ない。
ここが危険な理由は、DD内の大地を巡って、戦争が続いていたから。
未開の地が多く、海は果てしなく広く、空はどこまでも高い。
本人が望まない限り、帰って来られない事はない。
けれど、先へ行けば行く程、未知の生物に道を塞がれる。
ーーー
3人は、危険を知らず、外の世界に興味を持ち、行き来を始めた。
新しい遊び場は、3人にとってこれまで経験した事のないような楽しい場所だった。
一節にとって、
好奇心旺盛なミスト
冷静で博学のカイ
は長い長い旅の最初の仲間だった。
楽しくて悲しい孤独な旅の。
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