第2話 冒頭①


(冒頭)



藤堂一節という男について説明しよう。


この物語の主人公である。




幼少の頃は、"ヴァーチャル空間"を遊び場としていた。


この頃は少し珍しかったが、外に遊び場もなく、家が"ヴァーチャル空間"へ入る機械を持っていた。

彼の家は少しだけ裕福であり、何より新しいもの好きであった。


そんな環境で育った為、この"ヴァーチャル空間"で遊び育った。


ここで、この"ヴァーチャル空間"の事を"DD"と呼ぶ事にしよう。

これは高名な心理学者とその仲間達で作り上げた、

見つけた世界だった。


注釈すると、実際に"DD"と呼ばれるのは、もう少しだけ後の事で、この頃はまだ"self"と呼ばれていた。




藤堂の話に戻ろう




この時代には、新たなテクノロジーとして、先程の"DD"ともう一つ"nerv(ナーヴ)"という技術が発展していた。


"nerv"についてはいずれ説明するとして、この時代、多くの人間がこの新たなテクノロジーのどちらかの適性を有していた。


彼の場合、それが"DD"であった。

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