リーグ発足


 ある男(億万長者)が独立リーグを作った。

 エンターテインメントとしての野球を提供するために。

 

 ぶっちゃけ、美しい女性に野球をさせるために。

 


 男は思ったのだ──「美少女が野球をしたら盛り上がるはず!」と。


 正確には「巨乳の美少女が水着姿で野球をしたら、メッチャ盛り上がるはず!」と思った。



 ところが、部下Aが「僕は貧乳派です! 巨乳じゃなくてもいいと思います!」と言い出し、部下Bは「ハタチ以上でもいいと思います!」と言い出した。


 男は「それもそうだね!」と応じた。



 部下Cは「野球をするなら野球に相応しい服装というものがあります。水着姿ではロクにプレーも出来ません。ビーチバレーを見習え? まさか、ビーチで野球をするのですか? 砂の上で野球が出来ると思っているんですか?」と言い出した。


 男と部下Aと部下Bは水着を諦めた。


 後で判明した事だが、部下Cは野球のユニフォームに萌える人だった。



 最終的に「野球女子力があればOKだと思います」というところに落ち着いて、リーグ発足。


 野球女子力を使う野球は「野球女子野球」と呼ばれ、女子野球と区別されている。



 野球女子力を持つのは、なぜか美しい女性ばかりだ。


 アイドルが歌やダンスを披露するように、女性選手が華麗なプレーでファンを魅了する。

 アイドルが少女の憧れであるように、彼女たちもまた、憧れの存在となっていた。


「エンターテインメントとしての野球を提供する」というのがリーグ発足の目的(建前とも言う)であるため、重要視されるのは勝敗よりも試合の質。



「ファンが途中で帰るような試合ではなく、見応えのある試合をせよ。それがエンターテインメントである」と男は言った。


 真面目な事も言うのである。




◆この章は、このエピソードで終わりです。次のエピソードから、別の章のお話になります。

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