◆Middle10◆悪役令嬢、王都を駆ける

 同日深夜。

 ラヴィニアたちの乗る馬車の前に広大な屋敷が見えてきた。

 そこには大商人の息子であるルイがいるはずなのだが……。


GM:では、みなさんは、大商人の店舗の近くにある、ダイコーク家へとやって来ました。

ラヴィニア:ハルトマン・システムですわ! ルイ・ダイコーク、神妙にしなさい!

GM:みなさんが踏み込むと、夜も明けてないというのに、家の中はてんやわんやしています。執事らしき男が「坊ちゃんならば、厩に行かれました」と。

ラヴィニア:すぐに厩へ向かいますわ!

GM:すると、「僕はこれでも馬術が得意でね!」とルイが馬に乗って逃亡するところに出くわします。

一同:いきなり逃げ支度かよ!!

鉄也:ギ……俺たちが踏み込んで来ることを読まれてたんだな?

GM:そうです。彼を捕まえるかどうか、FS判定をしてもらいます。


FS判定

 一度の判定で決着させるのではなく、何度かの判定の結果成功不成功を決める判定方法。戦闘と同じくラウンド進行のルールを用います。


●FS判定:二代目を追え

制限人数:4人

終了条件:3ラウンド経過

成長点:40点

支援判定:【器用】【感知】【精神】

判定:【敏捷】判定/難易度:10 完了値:15


●第1ラウンド

▼行動値

ゼロ 23

ラヴィニア 9

鉄也 5

ポメ郎 2

GM:セットアッププロセスに何かする人はいませんね? では、行動値順に処理をしていきます。まずは、ゼロさんのメインプロセス。判定は【敏捷】になります。

ゼロ:では、ラヴィニア様のために馬車を調達します……(ダイスを振る)15。差分値は5。

GM:進行値が3点上昇しました。さっそうと馬車を操り、ルイのあとを追います。


進行値:0→3


 続くラヴィニアは待機を選び、鉄也が判定。なんとか成功する。

 黒騎士が坂道で力任せに馬車を押し、加速させた結果、進行値が1点上昇したのである。


進行値:3→4


GM:進行値4でイベントが発生します。ある程度進んだところで、ルイは華麗に馬から飛び降り、入り組んだ住宅街の中へと走り去ります。場所を確認してルートを把握するために、【知力】判定に変更になります。難易度はそのままです。

ラヴィニア:わたくしが判定したいので、ポメ郎は割り込みで支援をして。

ポメ郎:【精神】で支援する……(ダイスを振る)18で支援成功。達成値に+2だポメ。

ラヴィニア:(ダイスを振る)9。支援を含めると、21。差分値は+6以上になりましたわ。

GM:進行値が4点上昇ですね。土地感のあるラヴィニアには、簡単でしたか。

ラヴィニア:半年経ちましたけど、まだ町並みはそのままだったということですわね。


進行値:4→8


GM:ここでイベントが発生します。追いつかれそうなルイは、腰に下げていた袋の口を緩め、金貨をドバーッとばらまきます。人々は「金だ金だぁっ!」と群がり、みなさんの進路を妨害します。人々をどかすための【筋力】判定に変更です。難易度はそのままですが。

ラヴィニア:夜明け前なのに、人々はもう外に出始めているのですね。

GM:市場など朝早くから活動している地区に来たと思って下さい。なお、このイベントの間、メジャーアクションを使うと、金貨が拾えます。

ポメ郎:マジで!?(笑)

ラヴィニア:今は、追跡が一番需要ですわ。

GM:2D×一〇〇〇G手に入りますよ?

ラヴィニア:マジ!? 一回くらい挑んでもいいかも♪

鉄也:こ……こんなに狡猾な罠があっていいのか!?(笑)

●第2ラウンド

▼行動値

ゼロ 23

ラヴィニア 9

鉄也 5

ポメ郎 2


ラヴィニア:あと2ラウンド。進行値は残り7だから、金貨を拾ってもいいんじゃない?

ゼロ:分かりました。私はラヴィニア様の財務も見ていますので、ここは拾いましょう(ダイスを振って四〇〇〇G入手)。

ラヴィニア:金貨を拾いますわ!(ダイスを振って四〇〇〇G入手)。

ポメ郎:拾うポメ。(ダイスを振って六〇〇〇G)。

GM:三人行動して、進行値がぴくりとも動かない!? 我ながらなんて有効な作戦なんだ!?

鉄也:ギ……最後に、俺。【筋力】は9。(ダイスを振る)17。差分値が+6以上。

GM:そんなぁ!? 進行値が4点上昇です。


進行値:8→12

 しかし、高額の金貨を得てほくほくのラヴィニアたちを襲うイベントが生じた。

 金貨を満載したラヴィニアの馬車に、住民が「金をよこせ!」と突撃してきたのだ。

 この範囲攻撃により、全員に100点の物理ダメージが及び、特に、鉄也はラヴィニアを《カバーリング》+《アイアンカバー》で庇ったため大ダメージを受けている。

 なお、このイベントの後、判定の能力値は【幸運】に変更されている。


鉄也:ギギッ……金の力は恐ろしい。

GM:では、第2ラウンドを終了します。


●第3ラウンド

▼行動値

ゼロ 23

ラヴィニア 9

鉄也 5

ポメ郎 2


GM:では、第3ラウンドです。

ポメ郎:セットアッププロセスで、《クイックソング》+《アンセム》。範囲回復するポメ。

(ダイスを振る)全員36点回復。

GM:では、イニシアチブプロセス。

ゼロ:ポメ郎以外は待機して、《アンプロンプチュ》で解決してもらうのがいいかと。

ラヴィニア:そうですわね。では、三人とも待機。

ポメ郎:《アンプロンプチュ》! 歌声で馬の心を操るポメ。(ダイスを振る)達成値29で成功。


進行値:12→15


GM:ポメ郎の歌声に惹かれた馬が足を止めます。「動け、なぜ動かん、馬ぁっ!?」と狼狽しつつルイは御用となります。では、FS判定を終了しましょう。

ラヴィニア:ルイ・ダイコーク、よくも逃げてくれましたわね?

鉄也:ギギ……おかげで一四〇〇〇G儲かった(笑)。

GM:「僕のお金を自由に使えるのは、ルティ様だけ!」

ラヴィニア:ピンクダイアモンドを外しましょう。

GM:「はっ、僕は、正気に、もどった!」

ラヴィニア:かくかくしかじかですわ! まったくもう!

GM:「……僕は罪を償わなければならない。これが計画書だ。持っていくといい」

ラヴィニア:どんなことが書いてあるんですか?

GM:「婚約を祝う舞踏会に出席した重臣たちに宝石を配付せよ。アルディオンから賓客が来るという噂もある。ゲストも重臣たちもまとめてルティ様に忠誠を誓わせるのだ」

ゼロ:アンソンとかが、ダイアモンドプリンセスに首ったけになるのかもしれないですね。

ラヴィニア:なんですって!? そんなの許せませんわ! 何て邪悪な計画でしょう!

ポメ郎:ていうか、アンソン卿とかマティアスとかはラヴィニア様が呼んだポメ。

ゼロ:いたずらにラヴィニア様が被害を拡大している感もありますな(笑)。

ラヴィニア:……今はそんなことを言っている場合じゃないわ!(爆笑)

GM:誤魔化しても無駄です(笑)。さて、舞踏会の開場まであまり時間がありません。大学者の息子などは、すでに舞踏会の会場へ向かっているはずです。

ラヴィニア:ええ!?

GM:あちこち飛び回っていたせいで、時間が過ぎ、もう朝と言っていい時間です。

ラヴィニア:すぐにでも止めに行かなくては!

ポメ郎:その前に、鉄也さんがダメージを受けているので回復をさせて欲しいポメ。

GM:了解です。では、一回だけ回復可能とします。回復が終わったら、皆さんが会場へと向かうというところで、シーンを終了します。

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