◆Middle08◆ふたりのプリンセス

 ログレスの街の東にある神殿はひっそりと静まり返っていた。

 大神官の息子テレンスと対決するため、足音を忍ばせて、侵入するラヴィニアたち。

 そんな四人を待っていたのは……。


GM:では、大神官の息子を襲撃すべく、神殿礼拝堂に到着した時点からシーンを始めます。

ラヴィニア:暗殺者のようにスーッと礼拝堂に近づいて、ドアからのぞき込みましょうか。

GM:礼拝堂をのぞき込むと、中にはふたりの人物がいます。ひとりは、細身で長髪のエルダナーン……仮面を外していますが、テレンスだと分かります。彼は、祭壇ではなく、もうひとりの人物の方へとひざまずいています。

ゼロ:もうひとりの人物とは?

GM:ダイアモンドのようなきらめきを持つ少女……ルティです。

ラヴィニア:チャンスですわ!

ポメ郎:一石二鳥、一網打尽!

GM:テレンスは、ルティに語りかけます。「美しいルティ様。我々は尾行されていました。もしや、どこかから計画が漏れているかもしれません」するとルティはそれを受けて「あの方なら当然ですわ」と言います。続けてドアの方を向いて……。


 「ねえ、ラヴィニア様?」


一同:バレてーら!?(笑)

ラヴィニア:……バレちゃあしかたないですわね(笑)。ドアを開けて入っていきましょう。

鉄也:ギ、それは悪役の台詞……っていいのか。悪役令嬢だから(笑)。

GM:「お待ちしておりました。ラヴィニア様。あなたに折り入って相談があります」

ラヴィニア:なんなりと。

GM:「単刀直入に言います。ワタクシと一緒にこの国を盗りましょう?」

ラヴィニア:はあ?

ゼロ:やはり、この陰謀はルティ様が仕掛け人ということですか。

ラヴィニア:「あなた。なにを考えていらっしゃるの?」

GM:「……実はワタクシ、前世は現代地球という世界の人間だった記憶がありますの」

一同:そういうことかぁ!


 納得の叫び声をあげるプレイヤーのみなさん。


鉄也:ギ……彼女も来訪者だったのか。

ラヴィニア:……それで?

GM:「ラヴィニア様。あなたも別の世界からいらしたのでしょう? あなたの様々な奇行はそうでなければ説明が付きませんもの」

ラヴィニア:奇行言うな!?(笑)

GM:「ワタクシの計画の邪魔になりそうだと、ダイアモンド鉱山を襲わせて王都から追い出してみれば、辺境で手柄をたてたうえ財産まで築いてしまう……本当に恐ろしい方」

鉄也:ヒロインちゃんの罠だったのかよ!?

ポメ郎:この女……恐ろしいポメ。

ゼロ:なるほど。前回の菊池さんの発言をそう拾ってきたか。

ラヴィニア:つまり、これまで彼女がちょっかいを出してきたのは、わたくしを陥れるためだということがはっきりしたのですわ!

GM:「あなたの手腕をみてワタクシは考えを改めましたの。あなたを味方にしようと。この国はもうすぐワタクシの手に入る。元現代地球人同士、ふたりで手を組みましょう!」

ゼロ:なるほど。脅しじみた方法でラヴィニア様を王都に呼び出した理由がそれか。

鉄也:ギ、それにしても自分の家の鉱山をわざと襲わせるなんて、やりすぎじゃないか?

GM:「そうですわね……ワタクシこの世界に生まれ変わったことが、まだ実感できませんの。まるで夢の中にいるみたいな……」

ポメ郎:夢の中?

GM:「ええ。だから“完全無欠のダイアモンドプリンセス”を望まれればそのとおりにできるし、誰にでも優しく接することができた……」

ゼロ:現実感がないから、理想の役をこなすことができたということか。

GM:「でも、そろそろそんな自分にも飽きてきましたの。だから、手始めにこの国を手に入れることにしたのですわ。鉱山はその代償」

一同:…………。


 一瞬怯んだかのように黙るPCたち。

 ルティは追い討ちをかけるように、ラヴィニアに声をかける。


GM:「さあ、ラヴィニアさん。一緒にワタクシたちの……」

ラヴィニア:お断りですわ!


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一同:バッサリいった!

GM:「なぜ……と聞いてもよろしいですか、ラヴィニアさん?」とルティは問いかけます。

ラヴィニア:あなたはわたくしが自分と同じ、だから仲間になれる。そう言いたいみたいですけど、そこが間違っているのですわ!

GM:「間違い?」

ラヴィニア:ええ。あなたにとっては夢みたいな世界でも、わたくしにとってこの世界は紛れもなく現実。幸運にも手に入れたチャンスなのですわ! それを夢気分でいじられてたまるものですか!

GM:「ラヴィニアさんにとっての……現実」

ラヴィニア:悪役令嬢のわたくしが、ヒロインであるあなたの夢を覚ませてあげますわ!


 毅然と言い切るラヴィニア。それに対して……。


GM:その言葉を聞いたルティは「ヒロイン……というのはよくわかりませんが、断るのですね。本当に残念ですが。死んでいただきましょう」と彼女は鮫のように笑います。

ラヴィニア:あら、あなた、今までで一番いい顔をしてますわ(笑)。

GM:「ではテレンスさん、お願いしますね」とルティ。

ラヴィニア:あら、ボンクラ四天王がお相手?

GM:「誰がボンクラだ!」と言うと、テレンスは指をパチンと鳴らします。次の瞬間、ステンドグラスがガシャンと割れて、馬に乗った騎士たちが突入してきます。

ラヴィニア:屋内に馬とは非常識な!

GM:なお、この礼拝堂は広いので、騎乗による制限は受けないものとします。もちろん、みなさんが騎乗する場合でも同様です。

ラヴィニア:無茶言うな! くっ、ボンクラのくせに手回しがよいですわね。

GM:「ラヴィニア様がワタクシに追いつけたらまたお相手してさし上げますわ。では、ご機嫌よう」とルティが言うと、子猿が彼女を片腕で抱え上げて、もう片方の腕をビヨーンと伸ばして天窓を掴み、するすると屋上まで登って外へと去って行きます。

一同:さるー!?

ラヴィニア:その猿はなにもの!?(笑)

ゼロ:ううむ。『小公女セーラ』でも、猿は大切な役割を担っていたが……。

鉄也:ギギ……そんなレベルじゃないくらい、手がメッチャ伸びたし(笑)。

GM:と、見る間に猿とルティは去って行きました。残ったテレンスたちが皆さんに対して身構えます。テレンスが正面5メートルほどに位置し、左右に5メートル距離を置いて三体ずつのランスを構えた騎士、ランスナイトが隊列を組んでいます。


ランスナイトイラスト↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。イラストを閲覧できます)

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ラヴィニア:その程度ではわたくしを止められませんよ?

GM:では戦いを始めましょう。


●第1ラウンド

ゼロ         23

テレンス       15

ランスナイトA~F  10

ラヴィニア      9

鉄也         5

ポメ郎        2


戦闘図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/30-M_R01-01battle_out.pdf


GM:では、戦闘ラウンドを開始します。まずはセットアッププロセスから。何かある人はいますか? ……(確認して)……ゼロとラヴィニアだけですね。では、どうぞ。

ゼロ:《オーバーリミット》使用。埋め込まれたサイバーパーツを起動させ、高機動モードに移行します。命中判定と回避判定の達成値+5。その代わり【HP】がマイナス5。

ラヴィニア:《メタモルフォーゼ》を使用しますわ。シーン終了まで魔術判定+2、ダメージ+2。手持ちのショートソードが巨大な魔法の杖に変更。

GM:では、これでセットアッププロセスの処理は終了。メインプロセスに移ります。特に割り込む人がいなければ、まず【行動値】23のゼロから行動してください。

ゼロ:分かりました。では“至高”のプリンセス、ラヴィニア様の配下にふさわしい至高の攻撃をお見せしましょう。

鉄也:おおっ!

ゼロ:ムーブアクションでランスナイトA、B、Cのエンゲージに移動、マイナーアクションは《サイドワインダー》でダメージに+10。メジャーアクションで、《ワイドアタック》で三体のランスナイトに範囲攻撃、命中は(ダイスを振る)……達成値22。

GM:さすがに厳しい攻撃をしてきますね。回避は……(立て続けにダイスを振る)……Aは達成値8で失敗、Bは11で失敗、Cはファンブル! ……全員回避失敗です。

ポメ郎:ゼロさん、やったポメ!

ゼロ:さらに《ストライクブースト》を使用してダメージに+4Dしてからダメージロール(ダイスを振る)……58点物理ダメージ! 超硬度を持つミスリルウィップがランスナイトたちをその分厚い装甲ごと切り裂く!

GM:……ですが、そのダメージだとランスナイトたちは全員生存です。「至高と言いつつ、意外と普通の範囲攻撃だぞ?」と彼らはいぶかしげな顔です。

ゼロ:私の攻撃を単純なダメージだけで判断してもらっては困ります。グリーンベレーに装着した封鎖のクリスタルの効果で、ランスナイトA、B、Cは封鎖されるのです。

GM:げげぇっ! それは地味に痛い。ランスナイトたちは「う、動けぬ!」「これが至高の範囲攻撃か」と動揺しています。

ラヴィニア:良い仕事ですわゼロ。そちらで敵三名を押さえてくれると楽になります。

ゼロ:お褒めに与り恐縮です。

ポメ郎:なんてスマートな人なんだポメ。

GM:「ええい! そちらが“至高”ならこちらはルティ様にいただいた“究極”の力がある!」とテレンスが叫び声とともに行動を開始します。

鉄也:ギッ……究極の力だと?

GM:「そうだ。“究極”の力を見せてやろう」ということで、テレンスはムーブアクションでゼロのいるエンゲージに突入。

ポメ郎:ゼロさんのエンゲージに? なにをするつもりか分からないけど、ランスナイトA、B、Cを支援するつもりポメね。

GM:ひっひっひ。で、マイナーアクションはなしで、メジャーアクションは《魔術攻撃:光》で、ラヴィニアを攻撃します。(ダイスを振る)……達成値28!

ラヴィニア:それは無理。(ダイスを振る)……達成値8で回避失敗。頼んだわよ肉の壁。

鉄也:ギギ……肉の壁扱いかよ。まあ、敵の攻撃を身体で止めるのは前世からの俺の宿命。ということで、《カバーリング》《アイアンカバー》でラヴィニアを庇おう。

GM:光の魔法が鉄也の鎧に直撃し、あたり一面に光が舞い散る。うおっまぶしっ……てことでダメージは(ダイスを振る)……〈光〉属性の69点魔法ダメージ!

鉄也:けっこうキターッ!

ポメ郎:《プロテクション》を鉄也さんに(ダイスを振る)……ダメージ29点軽減。

鉄也:ギ……助かる。これで《アイアンカバー》のぶんも合わせて61点軽減できるな。

GM:「くっ、究極の力をもってしてもこの程度のダメージしか与えられないのか!?」と悔しがるテレンス。

ラヴィニア:そんな、あなたにはさらなる絶望を差し上げますわ。

GM:「絶望だと?」

ラヴィニア:《ロジカルウォール》を鉄也に。ダメージ9点軽減で、鉄也はダメージ0!

GM:「絶望したぁぁぁぁぁっ!?」(一同爆笑)


 続いてランスナイトA、B、Cがゼロを攻撃。同一エンゲージにいるテレンスが《トランスエンド》で命中判定の達成値を+3する支援をしたこともあり、Aの攻撃がゼロを捉える。結果は27点のダメージ――約半分の【HP】をゼロは失ったことになる。

 Bの攻撃は鉄也が《カバームーブ》で、別のエンゲージからゼロを庇う。さすがの重装甲の鉄也は、損害を6点ダメージに抑え込む。

 なお、Cの攻撃はファンブル。自動失敗であった。

GM:ばかなぁぁぁぁぁっ!?


 そして、続くDはラヴィニアのエンゲージに移動し、彼女を槍で貫こうと突撃します。

 対するラヴィニア。回避判定は……クリティカル。


GM:ばかなぁぁぁぁぁっ!?(一同爆笑)

ラヴィニア:ふっふっふ。究極側についたあなたたちには、もれなく不幸がふりかかるのです。我が身の判断を呪うがいいわ。ほっほっほ。

ポメ郎:発言がまるっきり悪役ポメ(笑)。

GM:……くっ。だが、まだ諦めん。Eが「こんにゃろーっ!?」と、ラヴィニアを攻撃……(ダイスを振る)……クリティカル!!

一同:…………。

ラヴィニア:バカなぁぁぁぁぁっ!?(一同爆笑)


 そして、至高のプリンセスを襲う不幸は続き、Fも命中判定でクリティカルを出したのだ。もともとあなどれない攻撃力を持つランスナイトであるうえに、テレンスがクリティカル時にダメージを30点増強するスキル《シーリィ》を持っていたからたまらない。

 ラヴィニアを守る肉の壁たる鉄也は、この一連のランスナイトの突撃が過ぎ去った後残り【HP】9というところまで追い込まれたのである。


鉄也:ギ……ギギ、なんということだ(笑)。

ラヴィニア:ギーギーうるさいわね。鎧に油をさしときなさい。

鉄也:ひ、ひどい(笑)。にしても、俺が倒れるとかなりピンチになるんだが……。

ラヴィニア:大丈夫よ。まあ、見ていなさいな。


 ここでラヴィニアは、ランスナイトAとBを得意の火炎の魔法で攻撃。ゼロが既にダメージをあたえていたこともあり、あっさりとこの二体を戦闘不能に追い込んだ。

 続く鉄也は、ランスナイトDに剣を叩き込み、94点の物理ダメージ。残り【HP】6にまで追い込む。そして、ポメ郎の《ジョイフルジョイフル》で再度行動する機会を得たラヴィニアはランスナイトD、Eを魔法で攻撃し、両名を打ち倒したのであった。


ラヴィニア:ふふん、どうよ?

GM:くぅ~。ランスナイトをあっという間に四体をうしなってしまったぁ~っ! と、特になければクリンナッププロセス……。

ポメ郎:まだまだポメ。クリンナッププロセス前のイニシアチブプロセスで《クイックヒール》を使用。《ヒール》を鉄也さんに使用……(ダイスを振る)……《メディック》の効果もあり【HP】55点回復ポメ。

鉄也:ギッ! ありがたい!

GM:くっ、完全に立ち直られてしまった!


 なお、このクリンナッププロセスでゼロとポメ郎が《フックダウン》を使用。それぞれハイHPポーションと、MPポーションを使用。回復の処理を行なっている。


●第2ラウンド

▼行動値

ゼロ         23

テレンス       15

ランスナイトC、F  10

ラヴィニア      9

鉄也         5

ポメ郎        2


戦闘図版↓(お手数ですが下記URLをコピーして、ブラウザに入力してください。図版を閲覧できます)

http://www.fear.co.jp/kakuyomu_gazou01/31-M_R02-01battle_out.pdf


GM:第2ラウンドを開始します。まずはセットアッププロセスから。何かある人は? ……(確認して)……ゼロとポメ郎ですね。あと、テレンスも行います。

ゼロ:私はふたたび《オーバーリミット》を使用。

GM:では、テレンスが《大神官の呪縛》をゼロに使用。これは対象との【精神】の対抗判定に勝利すると、対象のすべての判定の達成値をマイナス5するというものです。

ゼロ:すべての判定の達成値マイナス5は……かなり厳しいですね。

GM:ふっふっふ。ではテレンスの【精神】判定……(ダイスを振る)……達成値19。

ゼロ:それは【精神】の低い私には、厳しい。(ダイスを振る)……達成値10で判定失敗。以後すべての判定の達成値がマイナス5となりました。

ポメ郎:これはかなり厳しいポメ。

ラヴィニア:前のラウンドにランスナイトを四体倒しておいてよかったですわぁ(笑)。

GM:くっ。まだわかりませんよ。次はポメ郎です。

ポメ郎:では、《クイックソング》を使用して、《アンセム》《ガルドル》《メディック》をこのタイミングで使用。(ダイスを振る)……合計42点回復ポメ。

鉄也:ギギッ! おかげで【HP】は全回復、現在106点。

GM:マジですか!? っていうか、ポメ郎が回復できるタイミング多すぎでしょ!? 鉄也は硬いし、このギルド攻め落とせるの!?

ラヴィニア:これが至高の力……究極についた自分の判断の甘さを嘆くがいいですわ。

GM:「くそぅ! だが、あの方のために負けるわけにはいかないんだ!」ということで、セットアッププロセスは終了。次はメインプロセスです。

ゼロ:では私からですね。まずは残ったランスナイトCを始末しましょう。

GM:「おのれ、簡単に言いやがって。騎士の誇りにかけて、粘ってみせる」


 ――だが、ランスナイトはC粘れず。

 あっさりと、ゼロのミスリルウィップにしばかれ、騎士は地に伏してしまった。


GM:くっ、次はテレンス。ムーブアクションで《マジックブラスト》。ラヴィニアと鉄也に《ファイアボルト》で攻撃します。(ダイスを振る)……命中判定の達成値は28。

ラヴィニア:回避……(ダイスを振る)……達成値13で失敗。

鉄也:俺も回避……(ダイスを振る)……達成値7で失敗したので、《カバーリング》《アイアンカバー》で、ラヴィニアを庇う。

GM:ダメージは(ダイスを振る)……〈光〉属性68点魔法ダメージ! どうだ!

ポメ郎:《プロテクション》……(ダイスを振る)……30点軽減。

ラヴィニア:《ロジカルウォール》を鉄也に。

鉄也:それに俺の【魔法防御力】を合わせると……71点軽減で、ダメージ0。

GM:「バカなぁっ!?」

鉄也:ギ……そろそろ勝負は見えた。投降してはどうだ? とテレンスに問いかけよう。

GM:「それはできん。我が姫への忠誠は無限。究極プリンセスに栄光あれぇーっ!」

ラヴィニア:敵ながら見上げた心がけですわ。では、ケリをつけさせていただきましょう。


 ラヴィニアが残敵の掃討を指示。実際、もっともダメージを与える可能性を持つテレンスの魔法が完封されたことにより、究極側に勝ち目はない。

 テレンスはラヴィニアの魔法、鉄也のタックルを喰らった後、このラウンドのクリンナッププロセスにラヴィニアの与えた毒によって意識を失なうこととなった。


GM:というわけで「うぐっ」と白目を剥いたテレンスが倒れて、戦闘終了ですね。

ラヴィニア:一瞬ひやりとしましたが、たいしたことありませんでしたわね。

GM:そして、戦闘が終わった直後、テレンスが倒れる瞬間に、つけていたピンクダイアモンドをあしらったブローチが転がります。

ラヴィニア:これがポメ郎の報告にあったピンクダイアモンドですわね?

ゼロ:そのブローチを取り上げます。

GM:では、危険感知をしてください。難易度は16です。

ゼロ:危ない物だったのですか!? (ダイスを振る)23で成功。

GM:ゼロはブローチに触れようとした瞬間、イヤな予感がしてすんでの所で止めました。

ゼロ:ラヴィニア様、これは触れると危険そうなのですが、どうしましょう?

ポメ郎:アイテムを鑑定することは?

GM:できますよ。難易度16のアイテム鑑定です。【知力】判定で、《アイデンティファイ》があると、ボーナスがつきます。

ラヴィニア:では、わたくしが鑑定してさしあげます。……(ダイスを振る)16で成功。

GM:このアイテムは、魅了の宝石と呼ばれるマジックアイテムです。この宝石に対応した特定のアイテムを身につけた人に対して、ぞっこんになってしまいます。

ラヴィニア:宝石に対応した特定のアイテム?

ゼロ:それがなにかは分かりませんが、彼の様子からするとルティ様が持っているかと。

ラヴィニア:それもそうね。で、これをどうやって運びましょうか?

GM:アイテム鑑定に成功したので、影響が及ばない方法で運搬ができるということにします。箸で摘まむとか、箱に入れるとか。一応、危険感知に失敗しても、そのあとに【精神】判定で失敗しなければ、効果が出ることはありませんが……扱いを間違えると危ないアイテムだということだけは憶えておいてください。

ラヴィニア:わたくしの宝石箱の中身をジャラリと捨てて、代わりにそこへと収めますわ。

GM:なんてもったいないことを!

ラヴィニア:演出だけなら、いくらでもできますわ!(笑)

ポメ郎:ボンクラたちのほかにも、このピンクダイアモンドを付けた「偉い人」がいないかが気になるポメ。

GM:その件についてはイレーネに頼んだことにすれば調べてくれます。いちいちシーンを立てる必要もありません。

ラヴィニア:では、調査をイレーネさんにお願いしましょう。

鉄也:ギ、GM、とっ捕まえたテレンスの尋問をしたいんだが?

GM:国家転覆の計画については、「詳細は聞かされていません」とのこと。彼はルティからは計画の邪魔者を排除するように指示されていただけだそうです。

ラヴィニア:本当にボンクラですわね。

ゼロ:とりあえず、ジョンと同じく船の船倉に押し込めましょう。

GM:では、テレンスを船倉に放り込んだところでシーンを終わります。


 なお、このタイミングで一同はポーションなどで、消耗した【HP】【MP】を回復。また、ポメ郎が強心丹を購入している。

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