◆Middle06◆尋問の流儀

 ラヴィニアが宿泊しているログレス高級ホテル。

 その最上階のスイートルームの中央にひとりの男が椅子に縛られていた。

 男の名はジョン。かつてラヴィニアに敵対し、ミナミーノ島から逃げ出した人物だ。

 会った時のように軽薄な笑顔を向ける彼だったが、その笑みはどこか引きつっていた。


GM:では、尋問のシーンになります。全員登場で、舞台はログレスのラヴィニアが宿泊している高級ホテルの一室です。

ゼロ:ジョンを椅子に座らせて、後ろ手に縛ってから、意識を取り戻させましょう。

GM:「おいおい、なんだってんだ? ミナミーノ島の件で追いかけてきたのか? しつこいねぇ」と、へらへらとそらっとぼけていますが、表情には「やっべぇ、ドジこいたぁっ!?」と描いてあります。

ラヴィニア:前回、降伏を断って撤退した様子からして、もっと骨のあるNPCかと思ったら、そうでもなさそうですわね。

ポメ郎:とにかく、今ジョンが何をしているのかが問題ポメ。

ゼロ:そう。さっそく尋問を始めましょうか?

GM:情報を吐かせるには、【筋力】か【精神】の判定で成功してもらわなくてはなりません。殴って吐かせるなら【筋力】、交渉で吐かせるなら【精神】です。

ラヴィニア:ジョンに選ばせてあげますわ。どちらが良くて?

GM:「殴られるのは嫌なので、【精神】でお願いします」

鉄也:メタな発言だな!(笑)

ラヴィニア:【精神】は5しかないですわ。

GM:「ひひひ、アーシアンが【精神】が低いのはお見通しだ!」

ラヴィニア:あら。殺すしかないようですわね。

GM:「ひい! 殺さないでくれ! 俺に情報を吐かさせてくれ! でも、吐くとあの方にヤバイことされるから鋼のメンタルで全力で抵抗するぜ!」(笑)

ポメ郎:忙しいヤツポメ(笑)。

GM:さて、この判定の難易度は15で、誰かひとりが成功すればいいです。

ラヴィニア:ポメ郎、ジョンを吐かせなさい。

ポメ郎:《アンプロンプチュ》しなくても、【精神】が高いからいけると思うポメ。(ダイスを振る)……15で成功。


 ポメ郎はジョンを見つめた。

 ジョンもポメ郎を見つめ返した。

 永劫とも思える沈黙の時が流れた後、ふとジョンが涙をこぼした……。


GM:「このつぶらな瞳はいったい。……ああ、俺はこれまでなんて悪事を重ねてきたんだろう……」と、ポメ郎の瞳にめろめろになり、はらはらと涙をこぼします。

鉄也:鋼のメンタルどこいった!?(一同爆笑)

ゼロ:というか、【精神】のツボが変な御仁ということなのでしょう(笑)。

ラヴィニア:わたくしのジョンの株が暴落中ですわ(笑)。

GM:じゃあ、せめて演出だけでもカッコつけときましょう。ジョンは設定ではプロの荒事屋なので。

ラヴィニア:いまさらそう言われても(笑)。

GM:(渋い声で)「喋ってもいいが、代わりに俺をこの国から無事に脱出させてくれ。喋ってしまえばきっと俺は消されてしまう」

ラヴィニア:分かりました。わたくしの名において、あなたの身の安全は保証しましょう。わたくしのミナミーノアイランドで匿って差し上げます。

鉄也:(ぼそりと)ギ……明らかに、リゾート施設の従業員にするつもりだろ(笑)。

GM:「取引ってわけか。分かったぜ」ジョンは以下のようなことを話します。


・ジョンはルティに頼まれ、メッセンジャーをしていた。

・陰謀の内容については知らされていない。必要な内容だけを伝令していた。


ラヴィニア:本当にただの伝令役みたいですわねぇ。では、計画を持ちかけたのは?

GM:「ルティ様だ」

ポメ郎:ジョンはブリオッシュの四名の話し合いにも参加していたポメ。彼らの企みについては知っていないポメ?

GM:「詳しい内容までは聞かないようにしていたんだ。知ったら消されるだろう? 詳しい内容は、あの四人しか知らないんだ」

ポメ郎:そのうちのひとりの素性は分かっているポメ。

ラヴィニア:そのほか、あの四人に関する情報をあらいざらい吐きなさい。

GM:「身の安全を保証してくれるんなら、知ってることは全部吐くさ」と、言いつつ以下のような情報を公開します。


・フィルボルは、大将軍の息子で、名はエリントン。

・ヴァーナは、大商人エチーゴ・ダイコークの息子で、名はルイ。

・エルダナーンは、大神官の息子で、名はテレンス。

・ドゥアンは、大学者の息子で、名はランディ。

・彼らはダイアモンドプリンセスのもとで、国家を転覆させるような大事件を企んでいるら

 しい。

・彼らは親が有している大きな権力を利用している。


ラヴィニア:四人の名前が割れたのは有益だったけど、決定的な証拠はありませんわね。

GM:「俺はしょせん、彼女に雇われただけのしがない荒事屋さ」

ラヴィニア:それにしても。これは、「親父たちは生ぬるい」と言って立ち上がったはいいが、失敗するパターンですわね。

GM:「そうかもしれないが、俺としては金さえもらえれば計画の成否に興味はない。そして、こうして捕まっちまったからな。この件からは手を引きたいのさ」

ラヴィニア:助けて欲しければ、わたくしのコマとなりなさい。

GM:「いいぜ」

ラヴィニア:軽っ! やっぱり前回とキャラが変わってますわ(笑)。

鉄也:ギ……もうひとつ質問がある。前回、ミナミーノ島を混乱に陥れたのは、やはりルティの命令? 

GM:「そう、ルティ様の命令だ。ラヴィニアの統治能力に疑念を持たせて、評価を貶めようとしたかったらしい」

ラヴィニア:なるほど。ルティは思いのほか小物ですわね。あの女を反面教師にして、わたくしたちはドーンとかまえることとしましょう。

鉄也:ギッ、ラヴィニアに対して、ルティが悪意を持っていたのは間違いないようだな。

ラヴィニア:他の四人について調べることは?

GM:このあとのシーンで、個別に調査可能です。また、イレーネに報告するシーンを設けることもできます。

鉄也:ギ……この国のスパイ組織……ハルトマン・システムの頭で、今回の依頼主だったな。

GM:ええ。イレーネは権力者ですから、横のつながりがある分、みなさんが知らないような情報も握っている可能性もありますね。

ラヴィニア:つまり、新たな情報を手に入れることができるかもしれないということですわね。それならば、イレーネを呼びつけましょう。あと、ジョンはわたくしたちが島から乗ってきた船の船倉に拘留しておきましょう。

GM:では、シーンを終了します。

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