二度目の出産編

第二子妊娠

 出産を終えて1ヶ月すると、『一ヶ月検診』というものがあります。そこで母子ともに医師から診察を受け、経過が順調であれば夫婦生活を再開させる方が多いと思います。

 我が家の場合、弟妹は欲しいとは話していたものの、経済面から子どもは二人にしようと決めていました。

 夫と二人目について話し合ったとき、本当は四年くらいは離したいと思いましたが、年齢的な問題と医師の『妊娠しにくい』という言葉がまだ心にひっかかっていたので、避妊はせずに天に任せようという結論に達しました。


 第二子の妊娠がわかったのは、息子が生後9ヶ月を迎えた12月だったと思います。最初の妊娠のときのように股関節痛はなかったのですが、生理がこないので検査したのでした。

 夫婦生活を再開した直後に出来たのです。結果がわかったとき、心の中で「あの産婦人科医の嘘つき!」と私に『妊娠しにくい』と言った医師を思い出して苦笑してしまいました。もちろん、実際は手術してくださって感謝していますが。人生わからないものです。


 以前通った産婦人科は廃業していたので、夫の実家に近い個人病院にしました。今度は年若い女性医師です。

 出産予定日は8月8日。あら、なんだか末広がり。

 年明けには母子手帳を申請し、その頃には既につわりもピークは過ぎていました。


 一人目のときと違うのは、なんといっても息子がいるために寝ているばかりにはいかないということ。

 いつもの家事に加えて、息子の世話がありますから、疲れがたまって頭痛に悩まされることが多かったように思います。


 三月あたりからお腹も出てきて、同時に体重管理に再び悩まされ始めました。空気を吸っても太る勢いです。もともと太りやすいんですが、育児の合間にどかっと早食いしてしまうのも原因の一つではあると思っています。


 鼻水とくしゃみと尿漏れも再び襲ってきました。体が重く、息子に朝食を食べさせると午前中は起き上がれないことも多々ありました。産婦人科から医薬品を処方してもらったのですが、今度は副作用で眠気が増して何もできなくなるのには困り果てました。


 四月には性別も「多分だけど」と教えてもらい、胎動もすっかり激しくなりました。今度の妊娠では胎動がひどく、朝まで眠れない夜が多かったのです。六月には逆子が治ったものの、胎動の強さは変わらず。その頃は浮腫もひどくなっていたので、なおのこと動くのが辛かった気がします。


 思い返せば、一人目のときと比べると、とにかく一日中苛々してどうしようもなかった日が多かったのです。お腹が痛くて重く、夜眠れない。この『眠れない』というのが辛いんです。

 だけど育児や家事で日中思いっきり寝ているわけにもいかず、痛んで眠い体に鞭打って動く。息子と猫はそんなことお構いなしで大騒ぎだし、抱っこをせがまれても抱き上げることも苦痛なほど体調が悪いときもありました。そのうち蓄積した疲労で、精神的に余裕がなくなります。


 胎動は夜に激しくなりやすいと聞いたことはありましたが、今回は昼間でも激しい。おまけに夜横になっていると、頭に血が昇って息苦しくなる感覚に襲われることが多かったです。まるで逆立ちしているように、かあっとなり、呼吸ができない。

 貧血なのかと思ったのですが、私の場合は逆に独身時代に比べて血圧が上がっているんですよね。それにいつもなるわけでもないので、これは寝る体勢を変えてやり過ごしました。あまり続く人は医師に相談するのがいいと思います。


 七月には妊娠性湿疹がまた出てきたので苛つきも増したのですが、以前の経験もあった上に産婦人科にも慣れてきたので、トラブルのたびに医薬品を処方してもらって大きな問題にはならなかったです。

 そのかわり、自分の体が思うように動かないもどかしさと、息子の育児という責任の板挟みから、精神的には追い詰められることが多かったです。


 七月末には子宮口が0.5cm開き、その一週間後にあった検診では1cmまでになりました。産婦人科医から「どんどん歩いてください」と言われたものの、梅雨明けして高温注意報の出ている群馬県を息子と歩けば、二人とも倒れそうで怖いので家の中をうろうろしています。


 気になるのは、出産予定日の翌日に、夫は泊まりがけで出張に行かなければならないこと。それまでに産まれてくれればいいんですけれど、こればかりは赤ちゃん次第ですね。

 そしてまだ名前が決まっていない。候補すらない状態です。よく「顔を見たら浮かんだ」って人もいますけれどね。


 さてはて、二度目の出産はどうなることやら……。

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