第8話 公園にて

あれは小学2年生くらいの頃だった。

俺は夏休みに母方の祖母の家に泊まりに行っていた。

何もする事もなかったので昼頃に母方の妹の娘と

近くの公園に遊びに出かけた。

公園といっても遊具が1,2つある程度ですぐ飽きてしまい

帰ろうとした。

だが帰れない。いや正確には公園から出れなかったのだ。

入った所から出てもまた同じ場所に戻る。これの繰り返しであった。

俺と連れの子は怖くなり、途方にくれていた。

「ここから出れないのではないか・・もう帰れないのではないか」

そんな事も思った気がする。

諦めも含めたそんな気持ちで出てみると、すっと出れた。

今までの事が嘘のように....

祖母の家から帰った俺は母に伝えるとこう言った。

「それは狐に化かされたのよ。あんたの爺ちゃんも昔化かされた事あるらしい」と。

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