第3話 未遂

中学の時の話だ

俺は勉強嫌いの癖にして塾に通っていた。

塾の出入り口の前には寺があり、墓地もあった。

帰りは夜になるのでいつも怖かったものだ。

そんな夏の日の事だった。

いつもならそんな所見向きもしないで急いで帰っていたのだが

その日だけはなぜか (入ってみよう)そんな風に思っていた。

そして入口まで行き足を一歩踏み入れようとした時だった。

親の迎えを外で待っていた女の子がいつの間にか俺の後ろにいた。

そして「入っちゃダメ」と一言だけつぶやき。俺の服の袖を引っ張った。

別に仲がいいわけでもなく話した事もない女の子が急にだ。

俺はその一言に嫌な予感を感じ、家に帰った。

あの時入ってたらどうなっていたのか?それは今となっては分からない。

ただ言えることは女の子には何か見えてた、もしくは感じ取れてた。

それだけだ。

しかし すまない名も知らぬ女の子よ

俺はこれを書いている今 またあの場所に入りたくなってしまった。

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