大和撫子ネオの条件 その5「食べるリズム」

 自立した収入があり、精神状態が安定していて、ユーモアの精神もある、そんな女性が「大和撫子ネオ」になれると書きました。ここまででも、かなりハードルが高いと感じますが、次の条件は「食」についてです。


 まず、「食」についての知識が必要不可欠です。安全な食べ物を選び、上手に調理し、面倒がらずきっちり三食のリズムを守れること。これが本当に大切というのは「精神面と食事と睡眠」がしっかり連動しているせいです。


 ここまで来て「わたしは無理かも……」と脱落している女性には伝えたいです。まず、女性が精神不安定になるのは、ホルモンバランスによるところがかなり大きいです。遺伝的な要素です。環境的にストレスが多くとも、そうなります。


 ここのエッセイを読んでいる人は「何とかしあわせになりたい、苦しさから抜け出したい」と試行錯誤する人だと感じます。どうしあわせになるか、環境と自分をうまくコントロールする、そのために、このエッセイは執筆されています。


 ホルモンバランスの崩れは閉経頃にも起こりますが、ホルモンバランスというのは加齢とともにある程度はましになったりします。なので、突き動かされるような不安、感情的な揺れ、何とも言えない不快さや苦痛、焦燥感があっても、絶望しないでください。歳を経るとある程度、コントロールできるものなので、安心してください。


 その改善方法の一つが「食生活」です。食べるもので人はかなり変わります。きちんと三食を食べていますか?その内容は、バランスが取れていますか?


 上記の答えが「ノー」であるなら、そうなるような環境に自分の身を置きましょう。会社の社食などが無理なら、実家で親と一緒にご飯を食べるなど。子どもなら子ども食堂や、学校や会社の寮、カフェテリア、年齢が上なら高齢者介護施設、とにかく食事を三食きっちり取れる場所を模索しましょう。精神病院という手さえあります。一時的なものであっても、精神の不調と食事は連動していますから、とにかく手を打ちましょう。病気のことさえあります。内科的なもの、精神的なもの。一人暮らしであれば食欲がおかしい時、見過ごしてそのままにしがちですが、この文章を見てご自分の食生活に異常があるなら、重く見てください。在宅ワークで集中しすぎて、まともな食事をとってないなど、徐々に精神も蝕まれていきます。お菓子や間食、インスタントなどでごまかす生活を続けると後になって後戻り不能な場所に行き着きますから。仕事が忙しすぎる場合、むしろ手料理を諦め、実家に頼るとか、バランス食のお弁当を取るという手も。


 正直、食の部分の立て直しができない場合、本当にぐらぐらの大黒柱を基礎に建物を建てる状態で「大和撫子ネオ」どころでないのです。孤独過ぎると、何かがおかしいことに気づかず進んでしまいます。万が一、拒食や過食傾向がある場合、両親、祖父母の家、学校の先生、友人、同僚、先輩など、とにかく誰かに話す、相談する、市役所に行って、ヘルプを求める、カウンセリングを試す、クラウドソーシングサイトの栄養士に相談する、心療内科、医者に行くなど、解決しましょう。



 結婚なんて、という場合、自分の基本が「他者」と時間を過ごせるほどに、整ってないことも。自分の彼氏が結婚にあまり前向きでないという時、生活リズムをチェックしてあげるというのも重要です。一人より二人の方が楽なら、結婚に前向きになれるでしょうが、二人だと余計に辛い場合、意味がなくなってしまいます。


「この人と一緒にいるとリズムが整って楽になれる」そういうポイントはとても重要で、実のところ、「相手が経済的に自立していて、一緒にいて楽しく、毎日美味しいものが食べられて、片付いた場所に住めて楽」な場合、それでなおかつ、その結婚を拒む理由って、思いつけないでしょう。そんな「健康的で働き者の大和撫子ネオ女性」の場合、それでなおかつ、その恋がうまくいかない場合は「相手がダメ男・ヒモ・ジゴロ・不幸マニア・趣味で身を立てたい男・夢を追いかける系」かもしれないくらいですね。人間は「飽きる動物」というのもあります。そんな相手だと誰が相手でも結婚は難しくなるため、どうしても同居のごく普通の結婚スタイルにこだわるのなら、パートナーを変えるしかなくなります。案外、ダメンズ(死語かな)にハマる人も一定数いますから、学校の先生、医者、弁護士、看護師、公務員、自営業、飲食店経営者の高収入女性は要注意。別に主夫も良い職業とは思いますが、日本には少ないため、率先して楽しめるかどうかは本人の資質に寄ると感じますね。



 「食の中身」については、また別の項に譲るとして、三食を質の良いもの、リズムできっちり食べることを目指しましょう。これでまた一歩、クリアしたことになります。既にそういうことは、クリアしている人は、食事の手作り率、外食率などを見て、改善を考えましょう。ただ、無理しすぎないこと。


 実は欧米の女性、かなりの料理の手抜きが見られます。当たり前ですが、スーパーウーマンじゃなく、人は24時間を平等に過ごしています。海外の場合、驚くほど簡易に美味しい冷凍食品、加工食品があり、日本とは食生活が違います。


 日本と海外の食生活の違いについては、また書くとして、とにかく無理せずに、リズムを保ち、頑張りましょう。もしも配偶者が「専業主婦に比べ、食事のクオリティが……」と不平を言った時は、その言葉にノセられないように注意してください。


 仕事を辞めてしまい、ダメなスパイラルに嵌るケースもあります。収入の自立が奪われたら、配偶者が横暴になるケース。また、フルタイム勤務なのに、子育てを頑張り、手作りの料理を頑張ろうと、燃え尽きてしまうことも。必死に頑張る文化が首を締めます。実は手を抜くことも重要、常に余裕を保ちましょう。機械を駆使するのもよし。ブレンダーや泡立て器、チョッパー、クッカー、圧力鍋、電子調理器など。大げさなものでなくとも、電子レンジ、オーブン、トースター、電気ポットからよく切れるナイフ、皮むき機、すりおろし機と、あると便利なものはたくさんあるので。電子レンジの是非は棚上げにします。実は海外では一度も使ったことないです。日本でレンジを使わないのは至難の技だけど。日本は食器洗い機の普及率が低いのと、瀬戸物の質で大変そうですね。


 食の技術としては、独身のうちに「調理の要領の良さ」を訓練しておく必要があります。日本の場合はスーパーのお惣菜などが豊富で驚くのですが、文化的に海外とは違う点が多く、細かな点の指摘を一つ一つこの項目であげられないため、独身女性の場合、とにかく「美味しくきちんとバランスのとれた三食を食べられる生活ができている」かどうかに、注目してください。


 この基本ができてない人は「ここが最も重要点」と思い、その原因を見つけ、潰していきましょう。結婚したいけど自信がない人、結婚は諦めている人、結婚生活がうまくいってない人は、男女ともに「生きる気力」をなくしていて、「食事・睡眠」のリズムが悪くなっています。酷いストレスに晒されたり、病気であればそうなって当たり前です。


 そこから逃れるための手段を一緒に模索しましょう。「大和撫子ネオ」の素質がもともとある人は「ご飯を三食、毎回美味しく食べたくない人がいるなんて、ピンとこないわ……」というふうに精神的にも実は健康です。ストレス耐性が強いのでしょう。美味しいものが好き、料理するのが好きというのは、とても良いことです。


 自分は無理、という人も「意識的な訓練」で何とかなりますから、諦めずに対処しましょう。ブログやインスタグラムに手料理写真を載せていく、という地道な作業でもいいんです。そういう「励み」になる行為が、案外と積み重なって、良い結果をもたらします。そう、最後に酒の話。


 お酒を飲む女性は実は家族になると不経済で不利になる。アルコールの害もあるので、嗜む程度が無難ですね。この話はまたの機会に。

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