大和撫子ネオの条件 その4「ユーモアのセンス」
一昔前のただただ物静かで芯の強い美しい女性「大和撫子」から「大和撫子ネオ」に進化せねば、時代の波に乗れない状況になりました。黙って以心伝心を目指して通用するのは、日本国内だけです。
外から見たら日本人は「実のところ何を考えているのかわからない」とみなされがち。国際社会においては「自分の意見を言わない」人は「いないのと同じ」と無視される運命にあります。たとえ首相であっても、です。もちろん日本社会の中では「心の機微」を十二分に、空気を読んで受け取ってもらえる、昆虫のような、ミドリムシのような「微細なコミュニケーション」が存在するのですが、そういう環境でしか生きられない日本人は、実は絶滅の危機を迎えています。当の日本人はそのことを知らないのです。知らされていない、と言えるでしょう。
2020年冬、欧州のテレビのニュースで「30年後の日本は人口が半分になる」と報道されたそうです。ごく普通のテレビニュースです。外国人の友人からの国際電話で衝撃を持って聞きました。それは「だからもう日本は終わっている、これからは『日本は影響力ない国=滅んだ』として扱ってもいいよ」というな未来からの声に聞こえました。たいそうな意訳で、まさか! と皆さんは思うでしょうが「国際情勢的に意見ない国、意見しない国=存在しない国」ということになってしまいます。
極端に聞こえるでしょうが、ほぼ真理です。世界から無視され始めるのは、国際的な影響力が落ちて貧乏な国になればある種、当たり前の結果。耳を塞ぎたくなりますが、人権、権利というのは声高に叫ばないと「まあ無視してもいいか」となりがちな歴史があります。ここまで文明が進んでも、です。世界地図を見てよく確認しましょう。紛争地で何が起こっているのか。「知らない=何も問題ない」と自分たちが思っていることに注目してみましょう。ウィグルとかチベットとか、気になる人は検索して知ってください。現在進行形で何が起こっているのだとか。
日本もそのうちに、他国に侵略されます。「ユーモアのセンス」から、タイトルがかけ離れてしまいますが、実際の所は「殺そうかと思っていたけど、面白いやつだから、命だけは助けてやるか」というようなことが戦場ではよく起こります。
まさかと思うかもしれませんが、相手も人間で、殺戮が好きなサイコパスばかりではありません。いざという時に、生かすか殺すかは、その場の気分になるんです。上官の命令に逆らえないというような真面目な兵士は別として、自分さえ見逃してやれたら、助けてあげられる場合に「人間的に気に入ったから殺すには忍びない」というようなことが、命の危機を救います。
そのことを思えばいかに「ユーモアのセンス」、「人間的な魅力」が重要なことか。自分達の生き死にを分けるのです。
真面目一辺倒の人は、このあたりをよく考えて、たまに「すごく馬鹿馬鹿しい」と思うようなことも、普段から言ったり、やったりして、場の空気を変えたりする訓練も必要です。基本的に「まあ何とかなる」というふうに、追い詰められすぎない、真面目すぎない思考回路が重要です。それは「訓練」で培うことができるので、今日からでも「馬鹿馬鹿しい笑える映画」・「漫画」・「小説」などを見て、研究してみてください。ちょっとくらい単純でお馬鹿な方が、実は可愛げがあり、単に「毛皮がもふもふして可愛い」と言うような、感覚的なことで人は癒されます。
それが難しいなら、楽しい気のおけない友人や仲間と遊びに出かける、猫や犬などのペット、可愛い子どもと遊んでみるなど、童心に帰ってみてください。そんなことまで努力が必要なのか!と、外国人からは思われます。日本の場合、すでに長い間、抑圧されすぎていて、そういう「ごくごく普通の人間的なしあわせを追う欲求」が忘れ去られています。だから、右を見ても左を見ても、「鬱々と悩む」文化や社会環境に取り囲まれています。「死にたい」というメッセージに溢れた暗い暗黒が日本にあって、それが少子化や結婚しない草食の人間の増加に繋がっています。「生きていても楽しくないから死にたい」人ばかりなのは、日本が、暗すぎて、日々の生活に追い立てられすぎて、息が詰まる状況だからです。
考えてもみてください。働いても働いても、働くしかない明日。いくら必死に働いても、いつまでも足りない。しあわせな日々は「逃げ水」の蜃気楼のような国。日本に働きに来た外国人の友人に「日本がこんな国と知らなかった! 知っていれば来なかった。よくこんな国で生活できていたね!」と言われました。黙っていたわけじゃないですが、自分が日本を出たのは「この国は生きるのに辛すぎて無理」と感じたからで、日本の外に出て、生活してみてわかったのは「なぜ日本は働く奴隷のような国になってるのか?」ということでした。
長い長い洗脳から解けたような気になりました。働かねばしあわせになれないが、働いても働いても、しあわせは来ない国、日本。日本の外に出てみれば、「まー何とかなるんじゃない?」と言いながら、のんびり長いバカンスをたっぷり取ってる人達がいました。うっかりしたら、昼間から何をするでもなくたむろしている人達とか。働けど働けど、終わりのない日本にいた時、生きてて意味あるの?とよく思いましたが、そこまでしないと駄目な国、日本だったのか。他の国だと気が楽だ、と感じた時、日本ももう少し変わった方がいいとつくづく感じました。必死に生きないと受け皿からこぼれ落ちる恐怖、そんな恐怖に追われて生きるのは異常だ、と。
ここまで未来がないと日本国内にいる人がずっと感じてきたこの閉塞感……っ自分も今、コロナの日本に戻って来て「いよいよ人口が減り、滅ぶのか?」と思う時に、「日本のこれからの可能性」を他の人に伝えねば、と。それで第二部の「大和撫子ネオ」を加筆することにしました。実のところ、コロナのような災禍の中、ある種、日本の良さがわかります。海外でどれだけ、アジア人種が迫害されているか。今、海外に住んでいる日本人、アジア人は、コロナのせいでものすごく、危険な目に遭いやすいですから。コロナが始まったとされる場所がアジアだったせいですが、それだけ海外はサバイバル、日本の良さは「平和」で「人々が穏やかで優しい」ところです。
「世界が終わろうと、夢中になっている趣味に没頭していて気づかなかった」ような「ある種の、日本のアニメ漫画文化を尊重して、それを生活の中心に据えているような、ある種のオタク的な脱力した生き方、間抜けさ」は、実は生き残るのに必要です。「大和撫子ネオ」はどこかマイペース、周りを怒らせない程度に「面白い人」であってください。日本を変えるしかない。内閣に、いつの時代に青春を生きていたのかわからないような「お爺ちゃん達ばかり」が並ぶのは異様です。そのことを異様と思わないくらいに、日本の中の人たちは高齢者ばかりになったことを知り、若さで「大和撫子ネオ」が日本を救うしか道がないのです。「日本など別に滅んでも良い」のだと言う若者や高齢者にも結構出会いますが、まず、その今会話してる日本語が使えなくなりますから。そのこと、わかって言ってないでしょう。日常の日本語会話が禁止になりますよ。文化や習慣も侵略された国のものに従うことを強制されます。それが「日本が日本でなくなる、他国に侵略される」ということなのです。
実際に侵略され、滅ぼされてからでは間に合わないので、伝えていきたいと思います。侵略されたらどうなるのか知っていたら「日本がどうなっても構わない」なんていうセリフは吐けないでしょう。「そうなったら自分達だけ、海外に脱出するからいい」と言うような人達も、今、日本に住んでいる以上は、海外の殺伐さを知らないのです。戦争になれば、捕虜として他国にいるのがどういうことなのか知らず、頭が弱いと言わざるを得ないです。海外に出て「正義など、実はどこにもないのだな」と見て知ってしまうと、生まれ育った母国がどうなっても良いなどの無責任なセリフをとても言えないと思います。誰も「故郷を失う喪失感」から逃れられない。国を追われるという悲惨さを知らない人達に、自分が見聞きして得た情報や感覚、何をどう伝えるのか、絶句しています。
唯一できることは、自分の家族、自分の住んでいる場所、友人を守ることくらいです。それが「日本を守ること」です。戦争は結局、そういう単純なシステムでした。戦争なんて誰もしたくないのに、巻き込まれる時は「自分の大切な人達を守らねばならない」から、仕方ない状況に追いやられます。戦争したくないと言っても、目の前で家族が殺されることに抵抗しない人はいないです。日本の平和教育なんて実のところ詭弁でした。家族を差し出して、さあ、どのようにでもどうぞと言える人間なら、有効かもしれない詭弁です。
自分は長い間、海外に住みましたが、海外の在留邦人達の苦労や苦悩もよく知っていて、その上で「日本を守る」ことを選択します。日本を捨てる人が多い中で、そうしようと思ったのは、どこに住んでも、自分は結局、日本人だからです。そして、そうありたいから。強く凛々しく生き残る日本人であることを選択するというのは、海外に出て初めて、生まれた自覚であり、真の日本人が絶滅の危機を迎えるのであれば、復活させたい。だからこのエッセイを執筆しているのです。考える暇が与えられないのも戦略。自分は、その戦略にのせられることなく「何かがおかしい」と、これからも警鐘を鳴らし続けます。
平和で穏やか、それは日本の利点ですが、同時に侵略されるかもしれない欠点にもなります。勤勉、清貧、それは良いことですが、同調圧力が強すぎる時、息苦しさしかありません。大和撫子ネオは、飄々と、淡々と、自分らしく生きてください。ひっそりとBLであれ、なんであれ、漫画やアニメに没頭するのも良いですが、それは息抜きに上手に使い、結婚だけはさっさとして、子供産んでください、お願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます