大和撫子ネオの条件 その3「女性である」


 ごく当たり前ですが、何をという条件が次です。「女性である」こと。仕事で自立し、精神的に安定していれば、女性を捨ててしまう人があまりに多いからです。それが何故なのか、そうすることが便利で、求められることだと勘違いするからでしょう。日本の会社の中はまだまだ「男社会」だから、それに太刀打ちするためにギスギスした女性になってしまいがち。これは欧米の女性達にも結構当てはまり、見ていて美しくない状態になっています。


 「女性」の資質を見せない、隠そうとするうちに、本当に男みたいになってしまったらほぼ意味がないと言えます。結婚できない状態になるのも、うなづけます。なかなかハードルが高いものの、働いて自立していても常に「女性であり続ける」ことはとても重要です。


 では、どういう点に注意すれば女性的な状態を保てるのでしょうか。


 男性的な仕事の仕方をあげてみますと、競い合うことで「結果」を引き出すやり方、また交渉において、決断を即断、相談しないで一存で決める、決めたことの責任を取る重圧を一身に引き受けて、黙って頑張ることなどがあります。女性であっても、このように「男性的な仕事の仕方」を踏襲せねばならない場の空気はあったりします。そもそも、仕事するという性質で、これらのことを忌避したら、お茶汲みやコピー取り、電話番くらいの補佐・補助の仕事しかなくなってしまうかもしれません。特に欧米の場合は、細かいことまでいちいち、事細かくコンセンサスを取ろうとすると面倒がられます。ある程度、自分の裁量で責任をもって決めてしまわねばならないわけです。何でもかんでも、上司や同僚に相談しないのです。


 「男に二言はない」という言葉がある日本の中では「一度決めたことを翻す」ことについて恥の概念があり、何度も差戻すなどが、やりにくい土壌があります。日本の場合、基本的に失敗が許されない土壌です。それはトライ・アンド・エラーが普通で失敗に寛容な欧米と基本が異なると感じられます。一つ一つのことに対する責任の掛け方がいちいち大げさな日本と言えるでしょう。「針小棒大」という言葉が当てはまりますが、日本の中にいる以上、外国人人口が増えればこの土壌も変わっていくでしょうが、今の段階では「失敗など気にするな」と掛け声は言えど、かなり厳しい現状です。失敗してはいけない、責任は自分で取らないといけないのに、自分で決めないといけないために、かなりのストレスになります。


 チームワークが求められる仕事という場において、補佐の立場でなく、自分が切り盛りする立場で「女性性」を上手にキープしたまま、何事もこなそうというのは難しいことですが、「失敗を恐れず」、「できるだけ自分の能力限界ではない余裕が持てる仕事」に着き、「楽しく日々を送る」ことを目指せば「大和撫子ネオ」に近づけます。


 もともと女性優位の職場を選ぶ方法もありますが、業界に寄っては「女性は補佐」的な役割しか与えられない日本。男性的な意思決定に物申す土壌を作り出すためには「職場に女性を増やす」というような地道な努力も必要で「女の敵は女」とならないように一致団結が必要です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る