新型コロナウィルスー生き残れるのは誰か?


 まさかこんな事態が起こるとは、凡人には予測不可能だが、フランスの経済学者で思想家のジャック・アタリはその著書ですでに警鐘を鳴らしていた。


 さて、この人類の未曾有の危機に生き残っていけるのはどんな性質の遺伝子を持つ人たちだろうか。未曾有と書いたが、スペイン風邪の流行がある。3度、3年に渡り、世界的危機があった。そして、もう大丈夫、と早々に家から出て、感染して死んだ人々。その過ちから学ぼう。STAY HOME。


 これでは、社交的でない「引きこもり」に軍杯が上がることになってしまう。頼まれても家から出ない、引きこもりの自宅警備員。仕事もなく、パラサイトで、近所の人どころか、一切、誰にも会いたくない人は有利だ。だが実際は食料調達ができないと無理。だから、仙人のように山に篭って、一人で孤独を楽しんでる人種とかが有利だ。


 飲みに行けない、遊びにも行けないが、誰にも会わない方が良い。人間は社会的動物だから、実はとても難しい。先にロックダウンが始まった欧州で証明されている。こういう事態になると、家で一人でコツコツと仕事してきた業種にいる人、個人事業主は有利だろう。その逆に、営業、飲みでやってきたマスコミ系・人の多い大企業に働く人は厳しい。製造・流通・医療関連・高齢者に関わる仕事も危険な仕事だろう。テレワークが無理だから。


 サムライ男子の職業にどんな職種が多いのかはともかく、城に仕えるサムライは不利で、一匹狼で営業しないサムライは有利か。草食で外に出ない男子は有利、牧場で草を食む草食男子は危ない。


 大和撫子はパートさえしていない家にいる専業主婦なら、生き残りやすい。働く女性に大和撫子のイメージというのはあまりない。だが、近年、パートもしていない大和撫子自体が絶滅の危機。


 注意深く、家にいて、外に出ず、テレワークが可能なホワイトカラー、ストイックで、家の中でしっかり筋トレを黙々とできるタイプが、この3年で生き残る。子ども、お年寄りと同居していると不利になるところ、「社会の分断」を目的とした生物兵器のようだ。社交的で活動的なタイプだとそれがアダになる。


 このウィルスが戦略的なものだとすれば、次に来るのはインターネットのシャットダウンだろう。自分の勝手な予測だが、仮にそうなった時、完全な分断状態になる。備えるとすれば、必要な情報にリーチできるように、書籍を保管しとくくらいしか手はない。


 インターネットでさえもコミュニケーションができなくなった時、航空産業、国際物流が分断され、終わった状態になったら、各国、それぞれの中で回すしかなくなる。少し前から、自給自足の生活が叫ばれてきたが、原始時代に逆戻りのようだ。人が減るというのはそういうこと。正直、こんなにも早く、各国の交流が難しくなる時代が来るとは思わなかった。


 人類の淘汰の状態だが、ジャック・アタリは「利他的な行動が人類が生き残る鍵」と言っていた。そして、面白いことに、「利他的」というのは「合理的な利己主義」なのだ。


「利他主義が合理的な利己主義」というのはいかにもフランス人らしい。他の人を生かすことによって、自分も死なずに済む、と。まるで聖者のように「利他的に生きろ」という言葉が、実は自分のため。他の人を生かすために、家にいて感染を拡大させないこと。外に出ないなら、不要なマスクも要らない。医療者に回せるし、何より、患者が増えないから医療従事者が息つく暇ができる。


 新型コロナウィルスの拡散を止めるには、医療崩壊を起こさせないこと。それには、感染者のピークを出さないこと。人工呼吸器やエクモの数に限りがあるからだ。遺伝子の変異が激しいから、ワクチンは開発、おそらく無理だろうが、人口の70パーセントが感染すれば、そこからは増えていかない。フランスの場合は、人口が約70000000人だから、約49000000人感染すれば、それ以上は増えないことになる。人類が免疫を獲得するかどうか、それは100パーセントではない。3〜4週間しか免疫が有効でない可能性もあると思う。きっとこれからわかるだろう。ウィルスの場合、宿主をあっという間に殺してしまうウィルスは繁栄できない。とにかく、人から人へ移っていくことを食い止めるには、誰にも会わないようにするしかない。新型コロナウィルスは金属の上で7日間、紙の上で24時間生きていると言われている。


 放射能と比べたら、ウィルスは潜伏期間2週間で表に出てくるのだから、わかりやすいというか、24時間程度で死ぬとか、60パーセントのアルコールで拭いたら死ぬとか、良かったのか悪かったんだか、よくわからない。


 N95のマスクをもっと備蓄しておけば。放射能とは違い、ウィルスが山の奥にも降ってくるということはないから、困らない人は「3年、人には一切会わない」社会から隔絶された生活をしたら、生き残れる。こんな時に地震や天災も襲ってくるかもしれず、もはや神頼みだが。(スペイン風邪がそうだった。)

 種を絶やさないという意味での利他主義が有効。自分が死んでも、「より良い人類の発展の寄与できる優良な遺伝子」を残すように行動する、というような「真の利他主義」が人類に芽生えるんだろうか。


 いや、自然とそうなるような淘汰が起こるのかもしれない。サムライ男子なら、こんな時も騒がず慌てずに、武士は食わねど高楊枝、明日は明日の風が吹く、と静かに刀の手入れでもしてるんだろうか。

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