外を歩けば、素敵な出会い
国際結婚カップルの話。犬も歩けば、棒に当たるという古い諺があるけれど、偶然の出会いが、結婚に繋がった例。素敵な出会いを探して、街に出てみよう!という気にさせられる。
自営業を営む、裕福な家のお嬢さん。おっとりしているが、なぜか医者になった。彼女の歴代の彼氏を何人か知っているが、結婚を決めた男性が一番イケていた。
紹介された時、馴れ初めを尋ねた。
彼女は、趣味でずっと他言語の外国語をいろいろ勉強していたため、もしかして、と、観光地の駅で見かけた彼が持っていた本を見て、彼女から声をかけたら、海外から日本に留学している某国のエンジニア。
そこからお付き合いが始まり、結局、結婚し、欧州へ。それから、日本へ帰ってきて、子供を産んだ後、彼女は医者に戻った。日本に住むことになった夫は、主夫しながら、自分の会社を起こした。それが軌道に乗って、そのためにまた海外移住。
「医者できないのは、もったいなくないの?」
日本の免許は現地で使えないため、海外で医者はできない。俺のようなものからすれば、せっかくの伝家の宝刀、医者という身分を捨てることになる女性の気持ちというのはよくわからないものの、結構、いる。結婚して、海外に渡るために、医者を辞めることになる女性。結婚して、医者や歯医者を止めてしまう女性は、専業主婦になる。おそらく、子供の教育を重視しているに違いない。その子のところも、お受験で小学校から有名校に入学させていた。
彼女曰く、医者はまた日本に帰ったら、と。それまでは別のことをする、と言っている。確かに子供をマルチリンガルに育てることには意味がある。せっかく入った受験校でも、こう言ってはなんだが、日本の学校はたかが知れている。子供のために、父親の母国の言葉も話せる方がいい。
それにしても、医者の女性から逆ナンパ、引き当てた外国人が、どうしようもないフリーターとかでないというのが、すごいところ。ご主人はかなりのイケメンなので、俺は日本で遊んでいないか、実は一抹の不安が頭をよぎったが、浮ついたところのない人で、杞憂だったらしい。やはり中身のある男、自分の目標に邁進している男は、チャラチャラと女遊びなどしない、いい例だった。まさにサムライ男子。まあ、日本だと英語以外の言語を話す人は少ないため、そういう意味でも、普通の女性では意思疎通さえ、無理だっただろう。
出会いはどこに転がっているかわからないが、家柄も良く、実家も裕福なお嬢様で、しかも自分も医者の女性。夫からしても、そんな妻が向こうから転がり込んでくるというのは、宝くじのレベル。
彼女の性格は優しく、おっとりしていて、素朴。競争心や自己顕示欲もあまりないスタイルのいい子。普段ほとんどお化粧さえしていない。医者でも、そういう子もいる。
本当に、世界にはいろんな人がいるんだなあ、と思わざるを得ない。医者と結婚するのに、目を三角にして、自分をできる限り飾り立て、必死に婚活しているようなギラギラした女性もいるというのに、世界はほんと、わからないものだ。
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