料理の腕、必須

 昔、友人から聞いた話です。彼女が、せっかくお弁当作ったのに、仕事でデートがキャンセルになった、と、彼氏をすごく責めたようです。お弁当を作るのは大変だから、とのことですが、それにしても大げさすぎはしないか、と思いました。


 お弁当の中身が、どうやら高級食材だったようで、キャビアのお寿司とか、フォワグラのサンドイッチとか、そういう感じのものだったらしいです。


 それを聞いた時に嫌な予感がしたんですが、彼らの結婚式の二次会に参加したんですが、成田離婚となりました。自分が披露宴でなく、二次会にしか呼ばれなかったのは、職業が医者や弁護士でないから、というのが、先の披露宴に参加した共通の友人達から、明らかだったので、この結婚はかなり”見栄”の側面が大きい、とは感じていて、直後、ご破算になったと聞いて、お弁当のことを思い出しました。


 どう考えても、料理が得意だから、フォワグラやキャビアを使ったのではない、と思います。むしろ、あまり料理したことないのでは?と俺は思いました。


 理想は、冷蔵庫の中にある残り食材で、一瞬で手早く、美味しいものが作れる女性。大切なのは、美味しいものを食べさせてあげたいという気持ちと、料理の技術であって、わざわざ時間をかけて高級な材料を買いに行けば、誰だってそれなりのものが料理できます。この俺でさえも。そもそも、フォワグラのサンドイッチって、切って挟んだだけでは?(イチジクのジャム塗って?)


 このケースでは、お弁当の材料費という意味で女性側が怒ったようですが、職業柄、急な仕事が普通にある男性にとっては、こういうちょっと見栄張りな女性が妻であるのは厳しい。


 ごく普通の毎日の食事が重要で、淡々と、退屈な家事も、好きな人の健康のためを思ってこなしてくれる女性がいいです。飽きさせない、栄養バランスが計算された、健康に良い、美味しい、心のこもった安価な料理が作れる人。そういうのがささっと作れない女性は、結婚相手として厳しい。俺は外食があんまり好きじゃないので、むしろ自分で作る方ですが、外食で食べ歩きが好きな女性、家で料理しない女性は、それだけで、他の条件がいくら良くとも、結婚できないと感じてしまいます。料理教室に行って欲しいというよりは、実家暮らしなのに、家のお手伝いもしないのか、と感じてしまいます。料理ができない女性というのは、ほぼ女性である意味がない、とまで感じてしまう自分は、間違っているでしょうか。


また、得意料理がカレー、シチュー、ハンバーグ……みたいに、絵に描いたようなお子様ランチ的な洋食ばかり作る人、そういう人は「料理上手」とは言えないと思います。かといって、狙ったように、「得意料理は”肉じゃが”なの」と言われても、あざとさを感じて、好きになれないです。食事の好みというのは、長期的にものすごく大きく健康に影響するので、偏食があまりにありすぎる人は厳しいし、魚を捌いたこともない、クッキーもパンも焼いたことがない、料理の努力を一切しなさそうなタイプの女性は、自分には合わないと考えます。


 それどころか、聞くところによると、食卓に料理が並んでいるだけ、まだマシだそうです。ほとんど結婚する意味がないのでは?と思ったりもします。


 重労働の仕事に疲れて家に帰ったら、子供をお風呂に入れて!お風呂掃除もその前にして!夕飯は自分で作って!と、専業主婦の妻から言われたら、離婚したくなっても当然でしょう。これは実話なので、よく耐えたな、と思います。一応、医者の仲人の引合せの良家のお見合いで、寮に入って、結婚前まで働いていた女性なので、正直、見分けようにも見分けられなかったようです。まさか、との思いでした。


 そこそこ美しい女性でしたが、お化粧もせず、ずっとパジャマ姿に、家族を呼び寄せ、寝正月。ちなみに、長男の嫁であったため、当人にとって酷く屈辱だったようで、限界まで我慢して、精神に不調をきたしたようでした。その後も紆余曲折があり、割愛しますが、結局、男性側が耐え切れず、泥沼離婚に至りました。子供を盾に慰謝料をできるだけ毟り取りたい妻は、買ったばかりの大きな新車までよこせ、と言ってきたらしい。男性にとって、こういう女性は地雷以外の何物でもない、と身震いしたケースです。男性側の強い要望、是非、俺のケースを書いてくれ!とのことで、あまりここで詳しく書くわけにもいきませんが、実際は、サスペンスドラマの脚本になりそうな壮絶な告白でした。


 それは、刑事事件になるのでは?とアドバイスしたのですが、もしも調査して実際にそうだとすれば、大問題になるため、追求できない、と苦悩していました。結婚もここまでくれば、まるで殺し合いの様相です。女性側の言い分というのがよくわからないのです。推測するに、産後鬱でしょうか。とてもここには書けませんが、男性の言っていることが本当だとすれば、サイコパスの女性だったようです。でも、子供がいる前から、家事をしなかったらしく、おそらくですが、お金のもらえない労働は、したくなかったんじゃないかと思います。その証拠に、別れた途端に、資格を取って、車の免許を取って、働き始めたそうです。


 首をひねるものの、結婚して”社長の奥様”に落ち着いて、永久就職、これで安泰と思い、怠け心が出たのでしょう。ぐったりと疲れて帰ってきた男をこき使う妻の話は、こちらも聞いていて、同情を禁じえませんでした。しかも最悪なことに、実家が楽だから、と、遠方の実家に出産のため2年里帰りし、耐えかねて離婚を切り出すと、離婚したくないとのこと、首を捻るを超えて、結婚する資格のない女性だったのでは、という結論に至りました。親も親、自営の仕事を辞めて、こちらの家業を手伝って欲しい、と揉めて、大変だったようです。

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