第12話 宇宙の探索

 俺は地球を出ることにした。

 なんでもできる力があるのだから、地球を俺の理想郷に変える必要はない。

 どこにでも作ればいいのだ。

 だから地球にはあまり手を加えなかった。

 まあ言ってみれば、ここからが本番だ。存分に楽しませてもらう。

 まずは宇宙の探索だ。

 地球人以外にも知的生命体は存在するのか否か。

 なんでもできる力を使って検索してみたところ――無数に存在するようだった。

 ただし、一番近い星でも何十万光年と離れている。

 人類がこの星を訪れるにはワープ技術が必要だな。

 もっとも、訪れたところで交易ができるとは思えないが。

 その星は海王星のように真っ青な星だった。

 大きさは、なんと太陽の百倍以上。

 桁違いにも程がある。

 星が超巨大なら生息する生物も超巨大だ。

 ヒマラヤ山脈みたいなのが、水面を縦横無尽に駆け回っている。

 外見はイグアナのような感じだが、言葉や身振り手振りで意志疎通を行っているところからして、かなりの知能を持っているようだ。

 それにしてもでかい。

 彼らが手を動かすたびに、日本全土が飲み込まれるんじゃないかというくらいの津波が発生する。

 人間が近付こうものなら、息だけで吹き飛ばされてしまいそうだ。

 とても交易どころではない。

 この星には陸地がほとんどなく、彼らの街は海中にあった。まるで竜宮城だ。

 文明レベルは紀元前の都市国家くらいか。

 戦争をしているところも見かけた。

 槍のような武器で同種族が水中戦を繰り広げていた。

 サイズは桁違いでも、行動原理にそれほど違いはないようだ。

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