第2章:〇〇を手に入れた僕の末路

 初体験を「あいつ」で済ませた僕は、自転車のサドルにおしりをつけられないほど肛門が引き裂かれていたが「〇〇」のおかげで痛さなんて忘れていた。


 そうして自宅へ着き、一目散に2階にある自分の部屋へかけあがり「あいつ」からもらった〇〇を1人で眺めていたのだが…どうにも使い方がわからない。


「そうだ!Yahoo知恵袋で聞いてみよう」


 カタカタ…カタ…カタカタカタ…


 僕は高速でタイピングをして質問を投稿した。


 そうして、回答がくるのを「ジッ」っと待っていたらものの2~3分で回答が来たので内容を見てみると…


「あー〇〇ですね!私もよく利用しています!〇〇は天日干しにするといい匂いがでますよ!」


 〇〇を天日干し?!僕はこの人が何を言っているのかサッパリわからなかった。


 そうしていると、2件目の回答が来たので目を通してみると…


「〇〇ですか。僕的には休日によく使います。しかし、高価で中々入手出来ないので平日は使わないように心がけていますよ」


 正直何を言っているのかが理解不能だった。


 確かに、今僕の手元にある〇〇もいい匂いはする…しかし何故休日に使用するのかが分からない。


 そう考え込んでいるとき、Yahoo知恵袋から「警告」が来た。


「あなたの質問は不適切です。アカウントを削除させて頂きました」


 なぜだ?僕はただ〇〇のことを聞いただけなのに…。


「ピンポーン」


 PCの前で茫然としていたら家のチャイムが鳴り響いたので、気を取り直して玄関へ出てみるとそこにいたのは「警察」だった。


「あなた〇〇所持してるでしょ?逮捕状出てるから」




 …そうして僕は警察に捕まり、一審で死刑判決、二審でも死刑判決が出てしまい「死刑」が確定した。


 当然、上告はしたが「上告理由に当たらない」として上告が棄却されてしまったのだ。


 しかし、死刑囚になった今も思うことは「〇〇」とは一体なんだったのか?といういうこと。


「世の中のみんなが知っていて僕だけが知らない」


 こんなことが本当にあるのだろうか?


 僕は刑務所に入ってからというもの、毎日こんなことを考えながら過ごしている。


 また、〇〇を手に入れている人は大勢いるはずなのに、この世界で逮捕されたうえに「死刑」になったのは僕だけだ。


 それには「あいつ」が絡んでいるに違いない…そう、僕の初体験を奪ったあいつが全てを握っている。




 さて、明日には刑が実行されるだろう。


 処刑台に立ったとき、僕は「あいつ」の薄ら笑いと「〇〇」を思い出しながらこう思うであろう。




「この世の中で1番恐ろしいのは“物を知らないこと”と“友に裏切られること”だ」





 おしまい

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〇〇 だんキチ @dankiti

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