〇〇

だんキチ

第1章:〇〇と僕とあいつ

 ある日突然僕は思った…


「〇〇を手にいれたい」


 …何故そう思ったのかは自分でも分からない。しかし、「〇〇」がほしくてたまらないのだ。


「あぁ〇〇がほしい」


 しかし、僕は〇〇はどこに行けば手に入るかわからない。


 また、〇〇と言えばこの地球上でもっとも高価で手に入りにくいと言われており、手に入れれる人はごくわずかだ。


「そんな高価で貴重な〇〇を僕は手に入れれるのだろうか?」


 僕は寝る前に布団の中で考え込んでいた。


 それはそうと、〇〇を手に入れたらどかざる?部屋にかざるのか?それとも湯船にでも入れて使うのか?


「〇〇」は高価で手に入れにくい物…としか僕は分からない。


 それでも、僕は〇〇がほしくてたまらないので明日にでも物知りな「あいつ」に聞いてみることにした。



 翌日の朝一番に「あいつ」に電話をかけてみると暇だからいつでも来いとのことだった。


 僕は朝食をいそいで食べ、最後に牛乳を一気に飲み干し部屋を飛び出した。


「あいつならなんでも知っているぞ」


 わくわくを抑えられず、自転車を飛ばして「あいつ」の家に着いたのは自宅を飛び出してから5分後のことだった。


「ドンドンドン!着いたぞー!」


 いきおいよくアパートのドアを叩いたら「あいつ」があくびをしながらダルそうに出てきた。


「いそぎの用なのか~?」


 あいつはそう言うと、部屋に上がるように僕に言った。


 僕は部屋に上がるやいなや、早速「〇〇」の話をし始めたその時…


「ピンポーン!お届け物でーす」


 なにやら「あいつ」に郵便物が届いたみたいだ。


「ごめん!ちょっと待ってて!」


 あいつはそう言いながら、シャチハタのハンコを手に取り小走りで玄関まで向かって行った。


 なんだかタイミングが悪いな…僕はそう思いながら玄関先で郵便屋さんとやり取りしているあいつの会話を聞いていた。


「ありがとうございましたー」


 郵便屋さんとのやり取りが終わったと思ったら、あいつが大きいダンボールを抱えて部屋に戻ってきた。


「ごめん!ごめん!注文した品が届いてさ」


 それは本当に大きいダンボールで、中に大人1人がスッポリと入れるくらいの大きさだ。


「何買ったの?!」


 驚きながらあいつに聞いてみたら「あいつ」はニヤニヤしながら僕の方を見ながらこう言った。




「〇〇」




 その言葉を聞いた瞬間、僕の脳内に電気が流れるほどの衝撃が走った。


「〇〇?!〇〇だと?!なんで…どこから入手したんだ?!」


 口からツバをまき散らし興奮しながら僕は「あいつ」を問いただしたが、「あいつ」はずっとニヤニヤしているだけ。


「まー焦るなよ!中身見てみようぜ?」


 そういうと、あいつは梱包されたダンボールを丁寧に開け始めた。


「ほら!見てみろよ?」


 あいつがそう言った瞬間、僕は飛びつくようにダンボールの中身をのぞき込んだらそこには相当数の〇〇が入っていた。


 僕とあいつは目を見合わせながらニヤけている。


「お前、今日ここに来るのは〇〇の話があったからだろ?」


 そう、あいつにはすべてお見通しだったようで事前に独自ルートを使い〇〇を注文してくれていたのだ。


 僕は以前にも「●●」のことで相談したときがあるが、そのときも「あいつ」が力になってくれたことがある。


「どこで?!どこで入手したんだよ?!」


 興奮しながら「あいつ」に聞いてみたが、あいつはウンウンと頷くばかりで質問の答えは返ってこなかった。


 しかしながら、テンションの上がった僕には入手経路なんてどうでもよかったのだ。


「これ少し分けてくれるんだろ?!」


 僕はテンションを抑えつつ「あいつ」に聞いてみたら、衝撃の答えが返ってきた。


「お前の初体験を僕にくれるならいいよ」


 初体験といえばこの人生の中でたくさんあるが、どの初体験をあげればいいのか考え頭が混乱し始めたそのとき…


「初体験といったらアレしかないだろう」


 正直僕は身震いした。「アレ」と言えば「アレ」しかないではないか。


 いや…待てよ。「あいつ」が思っている「アレ」と僕が思っている「アレ」は違うかもしれない。これは一か八かだな…。


「いいよ!そのかわり〇〇はもらうからな」


 僕がそう言った瞬間だった。あいつの「目の色」が変わったのは。


 これはヤバい展開だ…そう思ったときにはすでに僕の初体験は奪われていた。




 そう…僕の初体験は「あいつ」になってしまったが、仕方がない。すべては〇〇のためだから。

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