3.猿噛梍の怪異



☆かしこき かしこき さいかちよ


まをすこと まをすこと


きこしめせ きこしめせ


かしこみ かしこみ  かしこみ かしこみ  


ましらが かしこみ かしこみ まをすこと

じしが かしこみ かしこみ まをすこと

ちどりが かしこみ かしこみ まをすこと


きこしめせ きこしめせ


かしこき かしこき さいかちよ



★ぐう、ぐう、ぐう、ぐう、


よよよ、よ、よ、よよよ、よよよ、よ。


ぐぐう、ぐ、ぐ、ぐう、ぐう、ぐう、


ぎよぎよぎぃよ、ぎよぎよぎぃよぎよ。


ぐう、ぐう、ぐう、ゆう、ゆう、ゆう。


--------------------


舞台に明かりがつきます。

中央には三人が立ち、もう一人が仰向けに寝ています。


起立した三人はそれぞれ、

“ましら”猿を模した面をつけます。

“じし”鹿もしくは猪を模した面をつけます。

“ちどり”鳥を模した面をつけます

仰向けに寝ている人物は、

“袋の少年”です。


起立した三人はそれぞれ、

☆の台詞を三度、斉唱します。


台詞が始まると、

下手から“猿噛梍の怪異”が中央へ向かいます。

体から黒い帯を無数に垂らし、棘のある面をつけた男性です。


★の台詞を唱えながら、まわりをゆっくりと一周し、

起立している一人一人に覆いかぶさります。


覆いかぶさられた人物はその場に伏します。


三人ともが伏したら、“猿噛梍の怪異”は

次の人物を探す動作をします。


しばらくして、立ち止まります。

そして、“袋の少年”をじっと見つめます。


舞台の明かりが消えます。

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