3.柳居橋の怪異


花菖蒲



ひきがえるがおります。

泥を蚯蚓みみずが這うております。


がまの穂が立うております。

浮き藻が流れております


ごうごうと岩を水が、雨が打つ音がします。

柳から雨が垂れております。


かわいそうな、かわいそうな

おおかわいそうな


かわいいおまえのためにひとつ、ひとつ


ほぞを隠して寝てござるか、

腹出して寝てござるか。


蝸牛がおります。

田螺たにしが流されんとしております。


がまの穂が立うております。

浮き藻が流れております



--------------------


中央に“石工の妻ツネ”が傘を持ってたたずんでいます。

上手から“柳居橋の怪異”がゆっくりと下手へ向かって歩きます。

下手の手前につくと、上手へ向き直り再び下手へゆっくり向かいます。

これを繰り返します。

“柳居橋の怪異”は蛇を姿を模した女性です。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る