雑踏




眠るなら碧い谷底がいい

ひとつの命になれるから


たまたま生まれついたので

ひと として暮らしているけれど

ほんとはただのあったかくて腐らない

たんぱく質のかたまり

たくさんふえてしまった

脳みその大きい いとしい 生き物


身勝手で おろか 早計で 自己至上

ろくなもんじゃないね

でも わたしは ひとが一番好き

だってひとなんだもの

ほかの種のこどもは産めない

恋も愛もあるけど

先には つなげない


生きることにがんじがらめなんだね、

わたし

息をするだけでいい、って

いってくれたらいいのにな


ひとはひとのことばしかしゃべれない

拾い集めた小石で作ったモザイク

なんにもわからないところにただひとり


頭蓋を満たす あをい流れ

わたしは わたし

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