黒から、紫。

そして、青へと

自覚もなくわたしを生かす

火の玉。


ぱきんぱきんと石の鳴る音

ほぐされた火口

白い煙

また炉に、朝焼け。

 

二つの水晶体

指先は山奥に横たわる

ふわふわと杉の葉を

かきあげる右手。


十と二の時

腕は白い灰へ

目玉は一つの種へ

太陽は一時の眠りへ。


種は落ち、転がり、

一つ瞬き、涙をこぼす

敷き積もった黒土を

つきやぶる右手。


夜にしみこむ、赤

はじめてのいろ

わたしが、はぜる音。

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