線
私はひとつの点なのだから
大した意味など持たない けれど
終極点には なりたく ない
後ろに背負う 無数の点の
ひとつとなって きえてゆきたい
私は生きているのだから
新しい 点を 刻まなければ
与えられた すべての ものは
繋ぐためのもの それだけのもの
私は 子供を 産むのだから
女として 生きてゆくんだ
卵子 が 人 に なったなら
私を縊り殺して欲しい
やっと途中になれたのだから
後ろに続く 無数の点は
真っ黒焦げの しゃれこうべ
私が殺した母のどくろは
おつかれさま、とかたかた鳴った
いきるもののうしろには
点しかあってはいけないの
いとしい子供にそっと告げ
鈍色の鉈を手渡した
眠いなあ
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