第36話 勘違い、からの
バイト帰りに中池袋公園に寄る元気がなくて、今日は仕方なく東口駅前で吸って、早々に帰ろうと思った。
胸ポケットからechoちゃんを取り出し、一服。
お隣のサラリーマンのおじ様も、俺と同じくechoを吸っていた。
時刻は午後7時半。
退勤の人達と、これから夜の街にくり出す人達が喫煙所に集まってくる。
正直、これから遊ぶ人たちの元気さを見るだけで疲れてくる。
ここまでバイト8連勤。
ようやく明日はお休みになったけれど、どこかに出かけるわけでもなく、煙草吸って、散歩して、帰って寝るだけの休日になると思う。
これが大学生の夏とは信じられない。
学費と生活費を稼ぐというのは、生半可なことではない。
普段は大学があるから、長時間のシフトは組めない。
大学に行って、終始爆睡なんてしたら、後々困るのは自分だし、それだけならまだしも、既に色々と大変なことを抱えているから、稼げる間に稼いでおかないと後期がやばい。
大学3年の後期。就活が近い。にも関わらず残単〇〇。
笑っちゃうね!!
煙草が不味くなるから、考えるのは止めよう。
(煙草に逃避してるとも言う)
煙をゆっくり吐きながら、大きな街頭テレビを見る。
ここ最近は毎日見ているからか、映し出されているCMは見飽きてしまった。
煙草の残りの長さを確認するのに目線を落とすと、視界にカップルが映り込んだ。
短髪の、いかにもイケイケな(死語)お兄さんと、左二の腕と、左足に刺青が入った茶髪ロングのお姉さんだった。
お姉さんは、鞄から煙草を取り出すと、彼氏さんに渡す。
彼氏さんは、その煙草を吸い始めたのだが、彼女さんは何も吸っていなかった。
彼氏さんと話しているだけで、吸う素振りもなかった。
と、数分観察していると、
「頂戴」
と彼女さんは一言いうと、彼氏さんは、自分が吸っている煙草を彼女さんの口に直接咥えさせた。
そして再び、彼氏さんはその煙草を吸い始める。
「シガーキスって、2人で1本で済むし、色っぽくて良いよな」
と、彼氏さん。
彼女さんは再び彼氏さんから煙草を咥えさせてもらい、煙草を吸っていた。
その行為自体は度々見かけているのだが、問題は彼氏さんの言葉だ。
本来【シガーキス】というのは、火を点けた煙草から、もう1本新しく他人が吸う時に、直接煙草から火を貰う仕草が、煙草越しにキスをしている様に見える。
というものだ。
決して、【1本の煙草を異性で吸いまわす事】ではない。
アニメ関係で言えば『ブラック〇グーン』が一番有名だろうか。
まあ、俺は1本の煙草を吸いまわすような彼女さんがいたこともないし、シガーキスをするにしたって、ライターの点きが悪くて、2本目を吸うのが大変な時に、既に吸っている煙草から火を貰う(ただし1人で)事しかやったことない。
はい、今「寂しい奴だ」とか思った人、挙手。
うん、俺もそう思ってるから、安心していいよ。
ぼっちですけど、何か?
ただ、刺青とか、煙草とか、そういった物に多少憧れがある。
完全に『〇が如く』のせいなんだけどさ…
ちゃらちゃらした人が煙草とか刺青とかしているのを見てもそそられないけど、一見硬派な人が吸ったり、紋々背負っていると、ドキがムネムネするよね!
その対象が男性だと、もう食指動きまくりだよね!
よだれ止まらないよね!
ホモ万歳!
ダンディなおじ様が、バスローブ着て、煙草吸って、黄昏ているのを後ろから抱きしめたり、煙草を消して、いきなりベットに押し倒されたりしたら、もう鼻血止まらないよ…
あ、ちなみに、俺はホモじゃないよ?
腐ってるだけだよ?
たぶん…
どちらかというと、大学でも、バイト先ですらも「チャラい」と言われがちな俺からすると、無い物ねだりに近い。
いつの日か、硬派で、背中で語るような、葉巻や煙草が似合うダンディな男になりたいものだ。
個人的には、パイプは俺には似合わないと思っている。
どちらかといえば
いつか、着物に煙管という格好もしてみたい。
勘違いをした彼氏さんから、個人的な趣味の話になってしまったが、初めから脈絡のない話をグダグダと書いてきたから今更か。
ということで、今回はこの辺りで。
今日の喫煙所教訓【知ったかは、恥ずかしいぞ】
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