第21話 大学にも禁煙の流れが?

 俺が通っている大学では、今年から喫煙所の撤去が進んでいる。

学校の表通りに面している喫煙所は軒名撤去となり、何かと吸うのが不便になった。


その流れは他大にも来ているらしい。

 

今日も今日とて中池袋公園。

バイト上がりにラウンド○ンで鉄〇をしてから煙草を吸いに来た。


ここで吸うのが、最早日課と言っても過言ではない。


ちょうど大学生の集団だろうか?

若い男性数人がやってきた。


「あー、授業だダルかったわ」

「今日の小テストできた?」

「カンニングしまくり」

「俺も。書きまくったわ」

「それはお前が、じゃなくて、カンニングされた側がめっちゃ書いてただけだろ?」

「まぁ、そうだけどさ」


なんとも今時の大学生って感じだ。

俺も今時の大学生のはずなんだが…

心の老化が著しい近頃である。


「帰りに大学で気軽に吸えなくなったのはキツイよな」

「気軽にって言うよりか、単純に吸う場所減ったのが辛いな」

「吸う人数の方が少ないから、仕方ないけどな」

「それな」


どうやら、他の大学でも喫煙所の数は減っている傾向にあるらしい。

本当に一部の大学のみだとは思うが…

以前も書いたが、大学生の喫煙者率は1割未満。

当然といえば当然だ。

半分は未成年なのだから。

相変わらず肩身は狭いようだ。


「大学の気持ちは分かるけどね」

「どういうこと?」

「高校生とか、保護者とか、外部の人間が来校したときに、喫煙者が目のつく所で

たむろしてたら、感じ悪いだろ」

「あー、まぁそうだけどさ。俺らからすればいい迷惑だわな」

「カンニングしてる不良生徒がよく言うぜ」

「うっせ」


彼の意見の通りなのだろう。

大学、それも私立となれば一般企業と変わらない。

イメージはとても大事になってくる。

そんな中で喫煙者が多くいるように見える大学なんぞに、自分の子供や生徒を入れたいとは思わないだろう。


俺の大学でも、喫煙所は大学の裏側のみとなってしまった。

単なる噂かもしれないが、来年には全撤去も一考されているとかいないとか。


来年は4年になるから、大学に来る機会自体は減るからいいものの、これから3年に上がる喫煙者にとっては地獄だろう。

大学前のコンビにでは普通に煙草を売っているのに、それを吸う為の喫煙所が無いなんて、不思議な話ではあるが。


それを考えると、ここ、中池袋公園の喫煙所、サンシャイン通りの前、池袋東口の喫煙所は、むしろ環境と景観を守る目的で造られているから安心だ。


ここが無くなったら、俺の憩いの場がどこにも無くなってしまう。

それだけは、本当にしてほしくない。


大学には、禁煙というよりも、分煙であってほしい。

ただ、新しく分煙スペースを造るよりも、取り壊して完全禁煙にしてしまった方が楽なのも理解できるきれど…


「学生のうちから煙草は吸うものじゃない」

という、どっかで聞いた言葉が頭の中でリフレインをした日だった。



今日の喫煙所教訓【大学生の喫煙者の肩身は、これからドンドン狭くなるだろう】

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