第3話 拠点を建てる!了解!

「目標は沈黙した!今からデカブツの体を解体し、食糧とする!総員解体作業に移れ!」


「「了解!!」」


兵士達が蛇王を解体するのを手頃な丸太に座り遠目で観察する。彼らがさっき使った武器の威力、そして、王国兵士に優るチームプレー。やっぱり彼らは勇者なのだと自覚させられる。


ふといつも先頭に立っている兵士が目に付く。思えば最初から何かとメリットだの女神に文句を言っていた奴だ。

蛇王すらも殺す彼らの力は常人の範疇を越えている。


チート級の力を持つ勇者。女神は彼らのステータスに興味を持った。


「鑑定。」



 勇川俊明ゆうがわとしあき

―――――――――――――――――

Lv250


HP 5000

MP 1500


攻撃力2000(1000000)

防御力3000(500000)

魔力200


スキル

重火器マスタリーLvMAX

体術LvMAX

銃剣マスタリーLvMAX

小刀マスタリーLvMAX

AIM率上昇

――――――――――――――――


「なんじゃこりゃあ!!?」


ソルティアの戦闘能力は神の世界でもけして弱くはない。天界にある高等女神聖母校でも実技の成績は高位にあった。

そんなソルティアのステータスを兵士のステータスは女神を遥かに凌駕していていた。


「‥‥‥え?私の存在価値は?」





「敵の潜水艦を発見!」「「ダメだ!!」」


蛇王の体を売るため海と隣接している漁業の街、リャクサリオンに来た。


漁業の街と言われるのも納得で、店には魚、魚、魚がたくさん並んでいる。


「いらっしゃい!今日の朝に引き揚げられた新鮮な魚だよ!?」

「とれたて新鮮ウーニーはいかが?」


あちらこちらで商人達が宣伝し、活気が溢れるこの露店街を見て回りたい気持ちをぐっと抑えて冒険者のお供をオークションしている上位商店街へと足を進める。




◆この世界ではペイと言う通貨が一般的に使用されている。日本円で言うと1ペイで10円、

10ペイで100円、100ペイで1000円、1000ペイで10000円となる。

銀が使われており、コインの裏には大きな剣を地面に突き刺す男の姿が掘られている。



「100000ペイでその骨を買い取らせて貰えないだろうか!?」


「いや、こちらは200000ペイ出すぞ!?」


「ちょ!押さないでください!!潰れる潰れる!」


兵士が討伐した王蛇を我こそ買い取ろうとする商人で溢れかえり、どんどん桁が上がっていく。ただでさえ高値で買い取られる大蛇、

しかも巨神級となれば最高級の武防具が作れるのだ。商人にとってはこれ以上のないチャンスなのである。


そして―――



「おめでとうございます!!王蛇の牙!

1000000ペイで落札されました!!」


「うそん‥‥。」


「これで資金は確保した。これらを使って活動拠点を建てる!」


「「了解!!」」



お金を手にいれた兵士達はその町に拠点を建てることになり、町の不動産にやって来ました。


「いらっしゃいませ。女神様、勇者様方。

こんな物件はどうですか?」

「わあ、すごい!町を一望できる展望台付きの豪邸だって!お金は‥‥‥、ぎりぎり足りる!ここにしましょうよ!」

「「ダメだ!」」

「なんでよ!?」


おそらくこの物件は最上級であり。これを逃したらもうお目にかけることはないはずなのに勇者達は首を縦に振ろうとしない。


「そんな軟弱な場所では訓練が出来ない!」

「この建物はどうだ!?」

「お客さま、それは‥‥‥。」

「だめだめだめ、絶対ダメ!」


それはモンスターがうじゃうじゃいる最前線の土地であった。


「最高の環境だ。これで訓練もはかどるぞ!」

「「ばんざーい!」」

「お前らアホかー!!!」



(結局根負けしてその土地に決まりました。)


「はあ、土地を買ったのはいいけど寝る場所もないなんて‥‥‥。」

「野宿は兵士にとっては当たり前だ!」

「私は兵士じゃないの!ピッチピチの女の子なの!」



◆結論

広く魔物が出る土地を買ったはいいが、建物を建てる金がないので野宿生活になった。


前言撤回!あいつらに優しくするなんて絶対ムリ!

                by 女神




「でもお金はどうするの?私達職を何も持ってないわよ。」

「大丈夫だ問題ない。こんなチラシを手にいれた。」

「えーっと‥‥‥ギルド募集?‥‥‥まさか!」

「ああ、その通りだ。」


「だめ、だめだめ!絶対、ダメ!ギルドの人逃げて!超逃げて!!」


届くはずのない私の声はただただむなしく響かせるだけであった。

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