第12話

私の通っていた学部は外国語学部。勿論、朝から晩までほとんど英語漬けの毎日。高校は私立の女子高に進学し、国際コースを選択したため高校時代から英語漬けだった。学校はサボりがちだったがテストの成績は良く、ホームステイも経験していた為推薦を狙っていたほかの生徒より実力は確実に持っていた。そのおかげで指定校推薦で進学出来たのだが、早めに大学が決まってしまった為内定をもらってから大学に入学するまで勉強はせず遊びと部活に夢中になっていた。その結果、入学後すぐのクラス分けテストでは下から3番目の微妙な位置のクラスに振り分けられた。しかし、クラスでは最下位を争うほどの出来の悪さで、進級が危ないと担任に呼び出されたことを覚えてる。遊んでいる方が多いイメージだった大学生活は進級を掛けて勉強づけの毎日になった。授業が終わると図書館へ行き自習をする日々、高校受験の時よりも勉強をしていたと思う。英語が嫌いになりつつあり、大学なんて、、、と思うこともあったがサークルがあったお陰で学校には通えていた。


サークルは週に2回お昼を一緒に食べるのと、違う曜日に2回放課後に集まり次の撮影会はどこに行くか、次の長期休暇での合宿はどこに行くかを話し合った。写真を撮るのは勿論のことだが、写真より皆で遊びに行くことの方が私たちにとっては重要だった。

ほぼ、お遊びサークルと化していたがそれでも私は大学で一番サークル活動をしている時間が楽しかった。あかりに会えることも楽しみの一つだが、なにより悠先輩に会えることの喜びは半端なかった。


学部が二つしかない小さな大学だったので、悠先輩カップルは校内では有名だった。大学生で同棲なんて珍しい。しかも、顔の広い悠先輩だからなおさらだ。だから、私は誰にも悠先輩に思いを抱いている事は言えるはずもなかった。それなのに、あかりにはまんまと見破られてしまった。


「なんで、私が悠先輩の事好きってこと知ってるの?!」

「見てれば分かるよー」

「そんなに、分かりやすい、私?」

「まぁねーそれに、サークルがある日くらいじゃん、私に連絡くれるの。」

「そんなことないよ!」

「最初の頃なんて、私がサークル行かなかったらあんたも行かなかったのに、最近じゃ1人でも行くじゃん。」

「それは、、、でも、悠先輩には同棲中の彼女いるし。」

「最近、ヤバイらしいよ。」

「なにが?」

「あんまり、仲良くないみたい。チャンスじゃん!」

「いーよー」


あかりから悠先輩たちが上手くいっていないことを聞かされ内心いける!と思ってしまった。でも、その話を聞いた直後、悠先輩と彼女が図書館で一緒に勉強しているところに遭遇し、やっぱり無理だと速攻で諦めたのだった。いつしか、悠先輩への気持ちは憧れの方が大きくなっていた。

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