第7話


翔と私が一緒に学校に行かなくなったのは私に彼氏が出来た時だけではなかった。


翔に彼女ができた時も私達は一緒に学校には行かなかった。


気分がいい時だけ乗る電車。

いつもの様に1両目が停る場所で電車を待つが、翔は来ない。


今朝はいなかったね、とメールをしても寝坊した、1本早いので行ったと返事が帰ってくる。最初は彼女が出来た事に全く気が付かなかったので本当に寝坊したのかと思っていた。


でも、違った。


寝坊もしてないし、1本早い電車にも乗っていない。同じ電車に乗っていた。


それに気がついたのは、駅から学校へ歩いている途中だった。


いつも私は学校に向かって右側の歩道を歩く。翔も毎朝右側の歩道を通って学校へ行っていた。しかし、その時は反対側の歩道で翔を見つけた。しかも、いつもの男友達ではなく女の子と2人。その瞬間、そういうことかと私は思った。しかし、恋愛感情がある訳では無いのでショックなど受けなかった。むしろ、報告してくれなかったのが水臭かった。


しかし、飽き性なのか、振られやすいのか、彼女ができても直ぐに別れてしまい、別れればまた電車を待つ私におはようと声をかけ一緒に学校に行った。


私が電車に乗る時に、翔が私の所へ来ない時は彼女が出来たサイン。

その度に私は、報告しろよと思うのだが付き合っている時も、別れた後も恋愛については私は口出ししないのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る