第13話

彼の自転車に乗って学校まで戻ってきた

時刻は20時30分


先生はまだ何人か居るからカギは開いてて

校舎にアッサリ入れた


先生達が帰る時

職員室のある校舎と、私達の教室のある校舎を繋ぐ渡り廊下の扉は閉められる

だからその前に私達の教室がある方の校舎に2人で忍び込んだ


そのまま先生達が帰るまで女子トイレの一番奥の個室に2人で隠れた


個室に2人っきり

滝くんの唇が近づいてくる

別に嫌じゃなかったから拒否らなかった


時々廊下を歩く足音にドキドキしながらも

個室の中で2人で楽しんでいた


夜0時を過ぎれば

流石に誰も居なくなったようで

向かいに見える職員室の明かりも消えたようで

2人でそっとトイレから出た


ペンキの入った袋を持って

まずは自分達の教室に行く


ペンキの缶の蓋を開けて

筆にたっぷり染み込ませる


「せーの」


私の声を合図に

2人が同時にたっぷりとペンキが染み込んだ筆を廊下の壁に振る


ベチャッ

と音がして

壁にはペンキがべっとりと着いていた

そこからツーっとペンキが垂れる


それを見て2人で顔を見合わせて

楽しそうに笑った


一気に頭のネジが外れて

大きな紙に絵を描いていくみたいに

筆を持ってる腕をどんどん動かす


廊下の床におっきく「まなか すき!」って書く


それを見た滝は

対抗するかのように「れいか すき! だいすき あいしてる」っていっぱい書いていた


だから私は「たきはちょっとすき」って壁に書く


それを見て滝はムスっとするから


今度は「キスして」と書いてみる


彼は「口で言えよ」て笑いながらも私にキスをしてくれる


歩きながらペンキをベチャベチャと飛ばす


いつの間にか渡り廊下まで来ていた

渡り廊下の鍵は内側からなら開けられる


カギをガチャと開けると

職員室まで一直線


職員のドアをそっと開け

中を覗く


防犯カメラなどが無いことを確認すると

持っていたペンキの缶を

ブンっと振る


中からペンキがブワッと飛び出て


一気に職員室が染まる


残りのペンキも持ってきて

職員室の黒板やら先生のディスクもペンキでグシャグシャにした


滝が黒板に「教頭ズラってバレバレですよ」って書いてたのを見て笑った


空になった沢山のペンキの缶は全部職員室に置いてきた


そらから2人で手を繋いで

笑いながらも走って学校を出た


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